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京都西芳寺で学んだグリーンツーリズム

1、グリーンツーリズム
コロナ後は世界どこでも観光業による経済発展を期待しており、その中でも環境に十分配慮し持続可能なグリーンツーリズムに大きな期待が寄せられている。オーバーツーリズムを回避して、地元企業・地域に貢献することもグリーンツーリズムの一環である。国連世界観光機関UNWTOは"Recommendations For The Transition To A Green Travel and Tourism Economy" を出し、OECDは"Managing tourism development for sustainable and inclusive recovery" のペーパーをリリースした。アフリカでも、国連環境計画UNEPは、"Sustainable Tourism in Africa: Focus on Ecotourism" をリリースして推進している。



2、京都西芳寺がスゴイ

先週末に京都を訪問したが観光地は外国人で溢れており、オーバーツーリズム復活の兆しが既に出ているが、学びになったのは京都西芳寺である。西芳寺は苔寺とも呼ばれ庭園が有名である。俗っぽくて大変恐縮であるが、感心したのはその仕組である。
まず参拝は事前申込制で、従来は往復葉書による二週間前までの申込であったが、2021年より後援団体経由でオンライン申込が日本語と英語で前日まで可能になった。
注目すべきは参拝冥加金であり、一人当たり往復葉書では3000円以上、オンラインでは4000円を納める仕組である。参拝は延命十句観音経の写経であり、そのあとに庭園を拝観できる仕組である。
また、拝観の出口では事務員が違う季節のポストカードを配って再訪を促す声かけをし、拝観後にeメールで拝観のアンケートとYouTubeチャネル、InstagramとTwitterアカウントのリンク案内が送付されてきた。



3、西芳寺の仕組の効果

京都でも拝観料を納める寺院は多数あるが、西芳寺は事前申込制で参拝冥加金が高額であり、写経をしてから庭園を拝観させる仕組は、批判もあるだろうが グリーンツーリズム時代に合致すると思った。特に、この庭園を拝観するには静寂が必要であり、拝観者にそのことを伝える効果もある。

拝観者は写経することを承知で事前申込した人に限定されているので、マナーも良い。一般的には、門徒参拝者が観光的拝観者に迷惑することが多い。しかし、西芳寺では、外国人が大半である観光的参拝者もみな真面目に写経に取り組み、庭園を静かに拝観していた。庭園も観光的参拝者に荒らされることも少ないのだろう。地元としても、参拝客のマナーが良いので、オーバーツーリズムの弊害が少ないのだろう。

4、グリーンツーリズム時代のツーリズム
持続可能性も追求するグリーンツーリズムでは、価格政策も大切であることを学べた。バルセロナのサグラダファミリアの入場料は36ユーロ(5310円相当)であり、カサ・バトリチョは35ユーロ(5160円相当)である。西芳寺のような有名寺院では、門徒以外の拝観料を価値相応の価格にするのは当然であり、相応の値段にすることが相応の顧客を呼ぶのである。

西芳寺はOtonamiと組んで朝の坐禅コースも15000円で提供しているが、後援団体を活用して、多様な価格帯で多様なニーズに対応するのもグリーンツーリズムではないか。



以上

参照サイト
西芳寺ホームページ  
http://saihoji-kokedera.com/top.html

Otonami の西芳寺坐禅コース
 https://otonami.jp/experiences/saihoji-kokedera/



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