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水の都を表す校歌
私はずっと高校まで大阪の学校に通ってきた。学生時代の記憶は年々薄れつつあるが、校歌だけはハッキリと覚えている。それは単純に校歌が好きだったからだ。
小学校の校歌も覚えてはいるが、特に好きなのは中高の校歌だ。私は中高一貫の学校に通っていたので、6年間同じ校歌だった。6年間も好きな歌と過ごせてよかったと思うくらいだ。
中高の校歌はメロディも好きだが、特にその歌詞に惹かれた。よくある校歌には「希望」「清く」「朗らかな」などといった抽象的でありきたりな言葉が使われがちだが、母校の校歌の歌詞には「大阪」を表す単語がいくつか使われていて、大阪らしさがにじみ出ていた。
全ての歌詞を紹介したいところだが、そうもいかないのでいくつかの単語をかいつまみながら、校歌について書こうと思う。
まず1番には「難波津」「淀の流れ」という単語が入る。難波津(なにわづ)とは古代の大阪にあった港湾施設のことだ。昔の大阪は水運や貿易の盛んな街であったことが窺える。
また、「淀」とは有名な淀川(よどがわ)のことだ。かつて淀川は水運に利用されていた。そして今もずっと生活用水などに利用されている。大阪の人にとっては大切な水源であり親しみのある川だ。
2番には特に気になるフレーズは見当たらないが、3番には「澪標」という言葉が入る。
澪標(みおつくし)とは航路を示す標識のことだ。大阪市のシンボルマークにもなっている。この単語の後に「にぎわい競う」というフレーズが続くことからも、かつても大阪が水運・船舶の街で、多くの船が行き交っていた様子が窺える。
そう、母校の校歌には「水の都・大阪」を鮮やかに想起させる言葉が盛り込まれていたのだ。その古代の大阪をイメージさせる歌詞に私は中高生ながらも惹かれた。
大都市としての大阪ではなく、以前存在した「水の都」「水運」「港湾都市」といったいった今では薄れてしまった情景を見せてくれる。そこに魅力を感じた。
同じく歴史的な言葉が用いられている大阪市歌とどこか通ずるところがあるような気もする。
体育祭や音楽の時間に校歌を歌う時は、大きな声でハキハキと歌った。思春期で皆が恥ずかしそうにイヤイヤ歌う中、私はしっかりと歌った。
この歌が好きだったということもあるが、やはり歌詞の言葉遣いからかつての大阪の情緒を感じられることができたからだ。
また、校歌を歌うことによって、脈々と受け継がれてきた大阪の様々なモノを背負い、水の都としての誇りを感じられるような気持ちになれた。そんな魅力や広大さが母校の校歌にはあったのだ。
わが母校の校歌も負けないという人がいたらぜひ教えて欲しいと思う。
水の都・大阪を歌う
画像:https://wwwyo.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000180795.htmlより
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