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四国一周記①

ちょうど一年前の今頃、四国一周バイク一人旅をした。大学4年生最後の大イベントと言ってもいい。

本来であればワイワイと卒業旅行へ行くはずであるが、例のウイルスが出現したため、それどころではない世の中になってしまっていた。卒業式自体ももちろんなかった。

せっかくの春休み、少しのまとまったお金、フラれた直後であったため傷心旅行になる、壮大な感じ、バイクで沿岸を走りたいということを踏まえると「四国一周」がいいという答えに至った。そもそも「一周」という単語が入ると何でも聞こえがいい。中学の修学旅行以来、四国は行ったことがないのでちょうどいいと思った。

アルバイトや資金などの都合から5泊でゆっくり一周する計画にいき着いた。(本気を出せば四国は二日くらいで一周できる)

今回は高松へまずフェリーで行き、そこから左周りに海岸沿いを愛媛→高知→徳島の順で周り、再び香川の高松からフェリーで帰るという計画を立てた。宿泊地は特に決めず、体力や気分で当日に宿をとった。

四国一周は新たな発見や勉強の連続であった。その四国一周記を時系列で書きたいと思う。


一日目の朝

9:25 バイクで自宅を出た。母が見送ってくれた。まずはジャンボフェリーに乗るため、神戸を目指した。

10:20 神戸の港へ到着した。まずはフェリーでバイクと共に高松へ移動する。フェリーには慣れていないので早めに着いて、チケットを買った。バイクや船の写真をたくさん撮って時間をつぶした。

11:20 フェリーは神戸港を離岸した。16時まではフリータイムだ。

フェリーはグングン進んだ。明石海峡大橋もくぐった。船内をぶらぶらしたが特に何もなかった。暇だったのでソフトクリームを買うついでに売店の人に話しかけた。船乗りは家に帰れないというイメージがあったが、売店の人は「高松住でも神戸住でも、往復のシフトなので必ずその日の内には家に帰れる」的なことを言っていた。それは確かにいいなと思った。

その後は、アマゾンプライムで『天使と悪魔』を観た。どんでん返しはおもしろかったが、ダヴィンチの方がおもしろいと思った。フェリーにはWi-Fiがあるので意外と快適だ。また、私は宿をいつも当日に取るので船の中から電話した。お目当ての四国中央市の新長谷寺ユースホステルへ泊ることになった。

16:00 途中、小豆島へ寄った後、フェリーは高松港へ着岸した。フェリーはどこかに着岸するたびにSTU48の『瀬戸内の声』とジャンボフェリーの歌が流れる。どちらもいい曲だ。


高松は思っていた以上に都会だった。とりあえず丸亀方面へ走った。神戸からフェリーで同じくバイクと乗り合わせたオジサンとしばらく方向が同じだったので気まずかった。

18:30 ユースホステルへ到着した。

地図で見るとピンが森の中に立っているため辿り着くのにかなり時間がかかった。辺りはバイクのライト以外は真っ暗だ。新長谷寺ユースホステルはお寺なのだ。インターホンを5回くらい押すと荒川良々に似た若い僧が出てきて、チェックイン手続きをしてくれた。一泊素泊まり4000円だった。

荒川良々はぶっきらぼうにお風呂や設備の説明をしてくれた。泊まるのはどうやら私だけのようだ。貸し切りであるが、暗くて広いお寺に泊まるのはけっこう気味が悪い。座敷わらしをみてしまうのではないかと思った。部屋に荷物を置いたらすぐにバイクで街の方で食事へ行った。

19:00 四国に住んでいたことのある友人すすめてもらった「がんば亭」というお店に来た。四国では有名なセルフうどんのお店らしい。私はうどんと牛丼のセットをとった。


20:00 ファミマでオヤツを買ってからユースホステルへ戻り、お風呂へ行った。お風呂には都会ではまず見ない巨大なタランチュラが天井を闊歩していた。タランチュラが下に落ちてこないか心配しながら、お風呂に浸かった。

20:30 お風呂上りのカフェオレを飲みながら、ボーッとした。四国に自分がいることが信じられなかった。また、当時の彼女にフラれたこともあまりまだ受け入れられていなかった。すぐに復縁のLINEが来るのではないかと思っていた。

部屋は本当に静かだった。遠くの道路を走る車の音だけが聞こえる。静寂だ。あとは、お寺なのでどこも線香の匂いがする。大学生活やこれからのことを色々と考えた。

寝るまでは本を読んだり、ノートを書いたりして過ごした。


23:00 就寝した。

新長谷寺ユースホステルの線香の匂いのする部屋


本日の走行距離123km

 

続く

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