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UROBOROS @ 六本木BeeHive

UROBOROS「ANOTHER ARK」発売記念Secret Live 

"DARK REDEMPTION"(←くせぇ!くせぇぞ!w)

そもそもライヴレポなんて上手く書けないんだけど、100人の一般人しか観てないし、ステルス性能を持つ某人気ブロガーからの要望もあり、長文が書けるこのスペースにアタクシの心のざわつきを書き残すわけです。

なんにもシークレットじゃないシークレットライブ。
秘密にされたのは会場くらいなもんで、開催そのものは応募者抽選形式だから公開されているし、オリジナルグッズも公開されていた。
とはいえ、

・上木彩矢 (Vo.)
・黒瀬圭亮 (Composer,Manipulate)
・大村孝佳 (Gt.)
・中村泰造 (Ba.)
・笹渕啓史 (Dr.)

のメンツの凄まじさ、凶悪さ、期待度の高さからすれば、100人限定招待というプレミアム感が剥がれ落ちることはなかったかな。

会場は六本木BeeHive。ミッドタウンのある交差点を1本入って少し歩くと、ここは三ノ輪か?と見紛う程の下町情緒。木造建築の古い家屋やフラットの背景に六本木ヒルズというミスマッチ感も都心の妙味かね。

隠れ家的な飲食店を横目にハコへと。

人数限定招待ゆえ本人確認には余念がない。
招待メール+写真付き身分証明書のセットが必要とのこと。
しかしながらその面倒な手続きの先には、本日のためにこしらえた缶バッヂ(2個セット)の贈呈。これがそのまま『本人確認済』のサインとのこと。ふむ。いいね。

19:00 ほぼ定刻どおりに開場。はやる気持ちに押されるかのように次々とゲートに吸い込まれていく人、人。
アタクシの整理番号はA080。100人限定という前提情報からすると絶望的番号。
しかしながら、平日19:00なんてサラリーマンはたいてい間に合わない。(間に合ってるアタクシはなんなのでしょうか?はい窓際族です)
欠番続きで、正味50番目くらいに入ったのではなかろうか。

ロビーからロフトフロアを横目に螺旋状の階段を降りるとメインフロア。
今夏訪れた新宿のMARZみたいな構造。

中央より半歩ほど上手寄り。4.5列目あたりにビシッと陣形をとり、3度に渡る運営側からの圧縮指示。
結果的にはセンターのマイクスタンドまで3.5mほどか。なるほど、こりゃ近い。

場所については概ね問題なし。
しかしね、とにかく暑かったわけで。
キャパ150(らしい)のところに100人のオーディエンス。
くわえて関係者陣。ポニーキャニオン関係者が無数。ほとんどの関係者がポニーキャニオンのネームタグを付けてた気がするわけで。空調もいい仕事してくれてない。こりゃ暑いよ。
しかしこの関係者の多さが、メジャー感や業界注目度を再認識させてくれて、わくわくする。

19:40頃 定刻より少し押して客電が落ちる。
開演の合図。
会場BGMのボリュームではなく、しれっと照明で語るあたりがまたメジャー感(ほんとか?)。

"ARK"のS.E.で、すーっと始まる。これは想定の範疇。(っていうか、それ以外ありえないものね)
"ARK"中盤で楽器隊4名がステージへと。
上手に大村、上手中央寄り後方に笹渕、下手に黒瀬、下手中央寄り後方に中村。

音源通り、続けざまに"Black Swallowtail"へと。
否応なく客席の落ち着きがなくなる。
下手袖の暗幕がまくられ、真っ赤な髪がのぞき、決して広くないステージの中央に、あっという間に上木彩矢が辿り着く。
(個人的には真っ赤な髪よりも以前のような、そのへんに居そうな女の子の延長線が好きでしたがね。まぁ舞台との兼ね合いもありましたし、不問に処す)

一気に客席のボルテージが狂気の沙汰に・・・
ともならず、あまりの存在感に一瞬その場にいた皆が止まったようにも感じた。

彼女はインディーズ活動もあったわけだけど、長くはないとはいえGIZA Studioでメジャーシーンに身を置いてきた時代があって。(他意はないけど)やはり貫禄と申しましょうか、格の違いを感じたと申しましょうか、そんな一瞬の'間'だった。

閑話休題。
"Black Swallowtail"で始まった上木彩矢の歌唱。
『帰ってきたな、上木彩矢』
安定している、とも、暴れている、とも取れる彼女独特のロック感。
ステルス性能を持つ某人気ブロガーの言葉を借りれば、『ソロでもHR/HMでも変わらん。変える必要のない上木のスタイル』。
うまい/へたでは到底語りようもない彼女の歌唱世界に引き込まれちまうんだ、これが。

しばし上木に見とれていると、いつの間にか大村のギターソロになってた(笑)
残念なことにアタクシと大村を結ぶ線分には185cm級のエクストラロングサイズな男性がいらしてて、少し身体を傾けないと大村の手元が見えなかったのです。
んで、ギター大好きなアタクシ、この日初めて大村氏を拝んだわけで。

なんだ、この人。ただの絶対神じゃねーか!
一体どれだけ弾き混んだらこんな運指が出来るんだろうか。アタクシには想像もつきませぬ。

ギターというじゃじゃ馬を難なく手懐けている。鬼畜ソロなのに、曲やフレーズに弾かされるのではなく、彼の呼吸と体温を感じるプレイ。よく見るじゃない?すごく上手い人だけど超難関フレーズにはさすがに振り回されてる、なんて場面。

 拍手も鳴り止まぬうちに、"IGИIS"へ。(このNがひっくり返った文字はどうやったら入力できるんだよ!)
(Oh,There is no god)(There is no god here)の大合唱。
自分で煽っておいて、もう皆覚えてるのかよ!といった表情の上木が微笑ましい。
振り上げた拳が変なリズムになってないかな?なんていつも気になるアタクシ。そんな時はリズム隊の音に耳のチャネルを合わせに行くんだけども、もうね、何やってるかわからんくらいの超絶プレイね。
これだけ叩きまくり、弾きまくりなのに、音像はまるで崩れない。鬼畜アレンジをまとめる為にリズム隊を同日RECする作戦が奏功してるのか。特にこの曲はボトムの重厚さが目立つので、そんな戦慄をおぼえるわけです。

<このあたりから酷暑と酸欠により記憶が危なっかしいんですよ>

"Red Moon"は音源でも一聴惚れした、きわめてシアトリカルなナンバー。上木が全身でその詞世界を演じているようなステージング。ここぞとばかりに演奏陣の出音の噛み合わせ方も精度を増す。この後に来るバラードをうまく引き立たせる。
(後で触れるけれど、バンドでの合わせってそんなに回数こなしていない筈なんだけれど、この完成度はなんなのよ?)

しっとり?ねっとり? 耽美か恍惚かわからない感情を抱かせながら、バラード曲、"十二夜"が粛々と演奏されていく。腕組みしながら眉間に皺寄せながら聴き入るんだけども、この感じもまたよい。
バラードにはどこかに、少しだけ温度の低いところがあると心地よいのかもしれないな、と最近思う。
メロディが劇的な分、歌い方とか奏で方に少し坦々としたものが入っている方がバランスするな、と。

"Luminous"はとても好きなんですよ。ハードでソリッドなのに、どことなくチアフルといいましょうかね。楽典には明るくないため、うまく伝える語彙がなくてもどかしいのだけれど。音源としても今回のライヴとしてもラストの一曲。演奏陣の暴れ方(音のね)がまたラストの演出としてはわかりやすくてよい。
Gt.とDr.って暴れまくることが多いしそれが魅せどころだったりもするけれど、key.の鬼畜乱舞にはこちらも脚が震える次第であります。
一方で、暴れてても超精密なリズムとタイム感。お見それしました。

そんな感じでMCレスで一気に駆け抜けた為に、ステージは20分強だったかと。

好きなミュージシャンが観られた、興味のあるミュージシャンが観られた、という満足感も当然だけれど、音楽的好奇心や欲求が満たされた感覚が全身を包む。
全員が超絶プレイヤーだけれども、テクニック一辺倒ではなく、全員が超絶プレイヤーであるがゆえに、各々が引き際を守っているから、耳が幸せだったのかも。
この演奏陣に引き算を持ち込むアレンジには勇気がいるだろうけども(笑)。

数分後、音楽ライターの冨田明宏氏がMCを務め、トークセッションへ。
DARK REDEMPTION Tシャツに着替えたメンバーが1列に並びスツールに腰掛けてトークが進む。

黒瀬氏より以下の説明
・UROBOROS結成の経緯
⇒笹渕に相談という名目の勧誘
⇒黒:Ba.誰がいい? 笹:黙って泰造にしとけ!
⇒ダメ元で大村を口説く→まさかのok
⇒厳しい複数条件でVo.を探してヒットしたのが上木

・UROBOROSという名に込めた意味
⇒ウロボロスは錬金術において相反するものの統一の象徴とされている。音楽における錬金術を成す場としたい、という思いで名付けた。
(黒瀬氏はメンバーからの『話が長い』クレームを恐れ、かなり端折って語っていたので、少し言葉を補ってます)

・今後の展望
⇒曲を鋭意制作中。来春にはアルバム出したい(言わされてる感120%)。

他メンバーより
・ライヴの感想
・黒瀬氏のトークへのちゃちゃ入れ
・上木、タオルで股間を拭く

が展開される。

驚いたのは、このライヴに向けてのリハは、なんと2日前からだったとか。メンバー間も『久しぶり!元気?』からのスタートだったそうな。
それでいて、この長年の盟友かのような演奏のハマり具合や、5人が並んだ説得力。
この人たち音楽をやる為に生まれた人たちだわ。

そんなUROBOROSシークレットライブ。
会場の外でも異口同音に、満足感を語る声が聞こえてくる。
今後の、自分の音楽ファンとしての人生をある程度あずけてもいいんじゃねーか?レベルのプレミアムナイトとなりましたとさ。

おしまい
(何度読み返しても、とっ散らかった文章だぜ)

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