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データから見たGBL 第一弾 ~ギミックって意味あるの?~

はじめに

いつもお世話になっております。ailes07です。
久々の投稿となってしまい、申し訳ございません。
今回はGBLにおけるパーティ構築において、基本的な考え方のひとつである「※ギミック」について、本当に意味があるのか(ギミックを使うことで勝率が高くなると言えるのか)を統計的側面から調査します。
ギミックパーティが台頭している中で、「ギミックって本当に強いの?」と疑問視したことがある方は是非ご一読ください。

※ギミック:所謂ABB構築。3匹のうち裏2匹に同じ役割(同タイプ、同弱点など)を持たせることにより、ラスト1匹を通す戦法である。
例:チャーレム/Gマッギョ/トリデプス、トリデプス/オーロット/ウツボット

調査方法

「ギミックありパーティ」と「ギミックなしパーティ」の勝率の違いについて、仮説検定を行った。
サンプルデータとして、みんポケさんのシーズン「隠された宝石」におけるGBL使用率ランキング(https://9db.jp/pokemongo/data/9271?from=2023-06-02&to=2023-09-02&season=15339&lg=10180&type=2)から使用数が30を超える50種のパーティデータ(n=50)を引用した。

前提条件

・GBL全体における対戦数(母集団)は十分に大きいと仮定した。
サンプル数(n=50)は十分に大きいと仮定した
・ギミック有無を「ABB型における裏2匹が同じタイプあるいは1つ以上の明確な弱点を持つ」と定義して判別した。

検定結果(唐突)

結論:
ギミックを用いることで勝率が上がるとは言い切れない
(勝率は少しだけ上がるが、それは偶然の範囲内である)


統計分析(気になる人向け)

結論に至った過程を下記に示していく。

調査で用いたデータ

表1. パーティデータ


表2. 各サンプルサイズと平均勝率

仮説検定

「ギミックありパーティ(GAP)」と「ギミックなしパーティ(GNP)」の
勝率について、以下のような仮説を立てた。
帰無仮説:GAPとGNPの勝率は等しい
対立仮設:GAPの方が勝率が高い
また、棄却域として、有意水準2.5%の片側検定を用いた。

2つの母集団は十分に大きく、またサンプル数も十分に大きいと仮定しているため、GAPの母比率をp₁、サンプルサイズをn₁、GNPの母比率をp₂、サンプルサイズをn₂とすると、標本比率の差は次の正規分布に従うと考えてよい。

$${N(p₁-p₂, \frac{p₁(1-p₁)}{n₁}+ \frac{p₂(1-p₂)}{n₂})}$$…①

よって、帰無仮説(p₁=p₂)を仮定すると、次の検定量zは標準正規分布N(0,1)に従う。

$${z=\frac{pe₁-pe₂}{\sqrt{pe(1-pe)(\frac{1}{n₁}+\frac{1}{n₂})}}}$$…②

ここで、pe₁とpe₂はGAPとGNPの標本比率、peはプールした標本比率を示す。

②式に次の数値を代入して検定量を計算した。
pe₁=0.5087
pe₂=0.4755
pe=0.4908
n₁=23
n₂=27
結果、検定量zはz=0.234と算出できた。
棄却域は、有意水準2.5%よりz>1.96であるから、zは棄却域に入っていない。よって、帰無仮説は受容される。
つまり、「ギミックパーティの方が勝率が高いとは言えない」と結論付けられた。

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
結果的に、「ギミックの有無で勝率が上がるとは言い切れない」という結論になりました。
ただし、今回の調査ではサンプルサイズが圧倒的に足りず良好な検定ができていないと考えているため、あくまで参考程度にしていただきたい。
(良好な検定を行うために、より多くのデータが必要である)
また、サンプル全体の平均を見て計算しているため、細かく見れば、特定のギミックパーティが極端に勝率が高くなることもあるでしょう。

それでは、何がパーティ構築における勝率に相関があるのでしょうか。
皆様の疑問にこたえるべく、次回は勝てるパーティの要因について、重回帰分析する予定です(データ集め頑張る)。
引き続きよろしくお願いいたします。

P.S. ヒトカゲのコミュニティデイに参加された方々、お疲れさまでした。
  私も参加しましたが、めちゃくちゃ楽しかったです!!!
  一緒に同行させていただいたTさん、Nさんありがとうございました。
  例の色違いヒトカゲは大切に、大切に育成させていただきます。
  みなさまも良いポケライフを。


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