見出し画像

トルクメニスタンってどんな国?

トルクメニスタン生活編に入る前に、トルクメニスタンがどんな国であるかを皆さんにご紹介しましょう。とはいえ、一般事情や数字的な部分は私なんかよりスマートにまとめてくれているものがありますので、外務省のトルクメニスタン紹介ページでも見てください。


概要

よく他の中央アジアに引っ張られてトルクメニスタン共和国と間違われますが、正式名称はトルクメニスタン。共和国はつきません。共和制ではあります。人口が600万人前後(国際機関の推計であり公式な発表はない)、国土が48万8,000平方キロメートルですから、日本の約1.3倍の土地に、東京都の半分くらいの人しか住んでいません。それもそのはず、国土の約80%が砂漠に覆われており、広大なカラクム(黒い砂の意)砂漠が広がっています。宗教はイスラム教スンニ派が多数ですが、そこまで信心深いタイプの人は多くありません。ソ連時代の影響か豚肉を食べる人も、お酒を飲む人もいます。民族構成は、トルクメン人以外にもロシア人やウズベク人等周辺のテュルク系民族、少数派なところではドイツ人やアルメニア人、朝鮮人なんかも住んでいます。

言語

主に話される言語はトルクメン語とロシア語で、学校教育では英語も必須です。この3つの言語はトルクメン人ができなければならない言語であると大統領も言っています。トルクメン語は国家語として規定されており、特別な地位が与えられています。ロシア語ができる人は都市部には比較的多く、田舎には少ない傾向があります、ロシア人の多くが首都周辺に住んでいるのと関係があるのかもしれません、また、2016年以降は日本語と中国語が全国の指定の学校で義務教育として学ばれるようになり、日本語学習者の数は激増。現在は日本語教師の質と数の確保が課題です。

政治

1991年の独立以来「積極的中立」という外交政策を貫いており、1995年12月の国連総会では、「永世中立国」としての地位が認められました。平和を維持することが目的であり、平和な状態での永世中立国としての承認は世界初だったとか。特に、国連などの国際機関との連携に力を入れており、2007年12月には首都アシガバットに国連中央アジア予防外交センターが開所され、アフガニスタン等周辺国の平和の維持に協力しています。

経済

リンクにある外務省のデータを参考にすると、国民の裕福さを示す指標の一つである一人当たりGDPは7,724ドル(2019年:IMF推計)で、中央アジアではカザフスタンに次ぐ数字です。実際に2013年頃からトルクメニスタンとの行き来をしていますが、中央アジアのドバイと称する人もいるほど首都のアシガバットには新しいビルや施設が立ち並び、最近では地方の開発も進んでいます。主要産業は天然ガスの輸出で、埋蔵量はロシア、イラン、アメリカに次ぐ世界4位、割合で言うと世界の9.8%を占めるともいわれています。現在の課題は輸出方法の多角化で、そのままだと輸出しづらい天然ガスを加工して販売するため、日本や諸外国の企業等と協力しています。

日本との関係

日本とは1992年以来外交関係が樹立され、トルクメニスタンには2005年、日本には2013年にそれぞれの国の大使館が開設されました。要人の往来も活発であり、2009年、2013年、2015年、2019年にはベルディムハメドフ大統領が訪日し、安倍元首相も2015年の中央アジア歴訪の際にトルクメニスタンを歴訪しました。筑波大学や東京外国語大学はトルクメニスタンの大学と学術交流を行っており、毎年数人の交換留学生が行き来しています。特に筑波大学は、トルクメニスタンで日本式の高等教育を目指すオグズハン工科大学の開学に協力し、教員の派遣等を行っています。私が初めてトルクメニスタンに行った2013年には留学制度なんてなく、日本人も大使館と企業の数名を除いては同僚の日本語教師と2人だったというのに、驚くべきスピードで二国間の交流が進んでいます。

まだ続きを書くかもしれませんが、とりあえず、主観も交えた簡単なトルクメニスタンの紹介でした。