フィリピンに上陸した台風26号(現地名Rosita)の被害状況と正常性バイアス
こんにちは、メイソン(@mason_tsubaki)です。
電波がない状況がほとんどですが、Twitterはじめました。
昨夜(10月30日深夜)、フィリピン・ルソン島北陸部に上陸した台風26号。
僕が滞在している、カガヤン州、バッガオ(Municipal)、サン・ホセ(Brangay)は前回のような大きな被害もなく、ぶじに台風をやり過ごすことができました。(現在、バッガオで負傷者の報告はないそうです)
まずは、30日午前10時現在の町の様子です。
薄いトタン屋根が飛んだり、壁の倒壊、停電、雨漏りはあったものの、
6週前にカガヤン州に上陸した台風Ompongの被災時のように、建物の倒壊や、木、支柱などは倒れていません。
避難所での炊き出しもはじまり、市長さんもニッコニコで、町はなごやかな朝をむかえました。
なお、バッガオには48のバランガイ(最小自治区)があり、サン・ホセ以外のエリアの被災状況は不明です。
今回、台風が上陸したのはおとなりの州、イザベラ州です。
被災地支援のお手伝いをさせてもらったNGO団体CRSのスタッフもイザベラ州で被災し、
「海沿いの小さな町で大きな被害がでた。今日動くのは危険なので、明日被災状況を確認しにいく」と連絡をうけました。
こちらは、続報をまちます。
正常性バイアスと今日の500PHP
さて、今回お話したいのは正常性バイアスについてです。
結論からいうと、私が滞在しているサン・ホセでは大きな対策はされていなかったようにも感じます。
もちろん、飛びそうな看板は倒しておくや、厳重に扉を施錠するなどは各家庭していましたが、、、
土のうをトタン屋根に積んだり、ロープでくくったりなど、目にみてわかる対策をしている家は中心部で5軒なかったように感じます。
↑こんな感じで、対策してる家もありました。
台風の被害を最小限にしようと、土のう(10kgの米袋で代用)を屋根につむお手伝いを申し出ましたが、
「心配しなくても、上陸は隣の州だから」
「だいじょうぶ、神が守ってくれる」
「あれ!?僕が勝手にきて、勝手にさわいでるだけ!?」と、かんぐる場面も。
このバイアスのでどころは、①宗教観 ②刹那的な価値観に集約される気がします。
①宗教観
「神様がわたしたちを守ってくれる」
町民と話していると、最終的にこの一言で終わることが多いです。
宗教にうとい自分には分からない感覚ですが、神について語るときの彼らの澄んだ目をみてると
「あ、本心で言ってるんだ」と、感じます。
気になるので、よく行くサリサリストア(個人経営の商店)の店主に聞いてみました。
「Ompong(前回の台風)の時は、どうでしたか?」
「神に祈ったさ、」
「・・・それで?」
「WHY GOD?って、言ったよ(笑)」
厚切りメイソンもびっくりな回答ですが、ぶれない心のよりどころがあるのは羨ましいのです。
②刹那的な価値観
かっこよく言いましたが、「明日の-1,000PHPより、今日の500PHPを死守」って感じです。
例えば、トタン屋根がこわれてかかる修理費1000PHPに対し、
500PHPの対策費用を投じるのは馬鹿げてると考えてる気もします。
なぜなら、クリスマスシーズンも近く、そんなことに使ってるお金は1ペソたりともないからです。
あるかも分からないことにお金を使わず、何かあってから考えましょう。
きっと、「何とかなる」から。
国民の銀行口座保有率34%、法律で給料は月2回払いが定められている、所得低いけどFacebookの普及率が日本より高い・・・etc.
これらの情報から、「どのようなお金を使い方をしているか・・・」想像するのはたやすいと思います。
この購買行動は、この国の課題であると同時に、個人的には良いところでもあるような気がします。
まとめ
今回の台風で親切の押しつけにならない、個人でできる対策や被災地支援の方法について考えさせられました。
何はともあれ、被害が少なくてなによりです。
イザベラ州の被災状況は気になりますが、山路の安全が確認できしだいリナワン村へ1.5日かけて移動しようと考えています。