Twitterでイキってたら会社をクビになったけど26社からオファーが来た件
こんなツイートから1ヶ月以上経ちました。
実際はTwitterが原因で会社をクビになったわけでもなく、「オファー」と云う名のカジュアル面談なのでタイトル詐欺なわけですが、学びのあった内容も多かったのでまとめました。
注記:本記事では面談に関する社名、個人名、内部事情などは記載しておりませんが、問題がある場合は直ちに修正いたします。
あと、「Twitterで転職活動したくせに、全然反響なくてカッコ悪ぅ~。イキってるだけで人望なさ杉www」という誤解を解く目的もあります(ナメられっぱなしで黙ってられるか)。
上記ツイート後に各社から連絡があり、5月中旬までの活動内容は以下となります。
面談:26社
登壇依頼:4社
会食:2社
取材:1社
社内勉強会:1社
面談の連絡があったのはAIベンチャーを中心に、事業会社やコンサルティング会社などです。
他にも登壇依頼の打ち合わせ、フリーランスエンジニアやベンチャーキャピタルの方との会食、記事の取材や社内勉強会への参加もありました。
■会社をクビになった経緯
まず会社をクビになった経緯ですが、社長がそこそこ有名なグラビアアイドルに手を出してしまいデキ婚一歩手前になったものの、所属事務所と週刊誌に脅されて裁判沙汰になり、賠償金を払うため会社(正確には持ち株の大半)を売却したものの、買収元の会社が必要だったのは知財とエンジニアだけだったので、自分を含む営業とバックオフィスは全員クビになった……という話を思いついたので、そーゆーことにしておきます。
本当の理由は言えないので、皆さんの妄想を「小説家になろう」へ投稿して下さい。
■自己アピール編
ひよこ大佐さんから端を発した(と思う)Twitter転職において、26社から連絡来たのは自己アピールの方法だと考えて、皆様が実行する際のコツをまとめました。
・普段のアウトプットが大事
やはり自分の名前、実績、成果などが人目につかないとオファーは来ません。
自分は多少の知名度と申し訳程度のアウトプット(Twitter・note・ITmedia・イベント登壇)があったので、営業・プリセールス・コンサルタントな職種でも、オファーがありました。
売り手市場のエンジニアならもっと多くのオファーがあるでしょうが、アウトプットが皆無では会社側も打診しにくいでしょう。
謎の自称エンジニアをわざわざ面談するのは、会社や人事として抵抗があるわけです。
まずは自分が何が出来て、何をやってきたのか、それを世間に発表して人目に触れる準備が必要です。
・普段のコネ作りも大事
仕事探しツイートをしてから、以前からお付き合いのある会社からも連絡がありました。
面識があれば相談なども乗ってくれますし、別の会社や人を紹介してくれるかもしれません。
持つべきものは友であり、普段からSNSだけでなく勉強会やイベントなどで業界内のリアルなつながりも作っておきましょう。
・ポートフォリオも大事
転職するにあたって、Twitterの140文字で貴方の全てを伝えることは出来ますか?
職務経歴、技術、経験、成果、特技などはブログで公開しましょう。
#hiyokoタグを含めた140文字の情報だけで 、わざわざ会おうと思いますか?
普段のツイートを辿ってもアニメの感想だけでは、友達として仲良くなれても、一緒に働くエンジニアとしては判断できません。
あなたの魅力をしっかり長文で公開するのが重要です。
・問い合わせフォームも大事
連絡先をTwitterのリプライやダイレクトメッセージの連絡でも良いですが、自分のアカウントで連絡を取りづらい人もいます(アニメ感想アカウントなので仕事の話をしてないとか)。
そこで問い合わせフォームを作っておけば、一社員として貴方に転職オファーを依頼することが出来ます。
Googleフォームでいいので、ツイートやブログにリンクを貼っておきましょう。
必要事項の入力漏れもなくなるので、便利です。
・名刺とメアドも大事
会社にバレるとまずい人は、個人の名刺とメアドを作っておきましょう。
Gmailを取得して、オンラインで作れる100枚980円の名刺で十分です。
自分の場合は「マスクド・アナライズ」の名刺を作ることで、一笑い取ってから和やかな雰囲気で面談を始められるメリットがありました。
・会社の下調べも大事
オファーが来た会社は、ホームページだけでなく、社長のインタビューなども調べてどんな会社か把握しておきましょう。
面談で会社説明する手間と時間が省けますし、質問なども考えやすくなります。
万が一調べた上で怪しい会社だったりする場合、適当な理由をつけて断る事も大事です(読まずにオファーな会社は存在します)。
なお、今回の仕事探しで「明らかに怪しいAIベンチャー」からオファーがなかったことは、個人的に大変残念でした。
・経歴は盛らずに正直に話すのが大事
Twitterでイキっているのでなぜか凄い奴に見られがちですが、所詮はジョセフ・ジョースター(特に二部)なハッタリ&トリックです。
たまにエンジニアとかデータサイエンティストと思われますが、それも違います。
しがない営業・プリセールス・コンサルタント的な職種であることは明確に伝えました。
どのみち盛った経歴で入社しても、半年でバレて1年でクビになるので、やらない方が良いでしょう。
・でも電話は要らない
今回の仕事探しで電話番号を伝えたのは、事前に入館申請が必要な場合のみでした。
連絡はすべてメールかTwitterのDMで済むので、緊急時以外は不要かと(面談止まりなのもありますが)。
なお、たまたま電話番号を伝えた会社で時間を間違えて、担当者からの連絡で気づいたオチもありましたが。
もっともこれが通じるのはWeb系を含めたベンチャー界隈の「IT業界」なので、SIerを含めたお堅い会社はちゃんと電話番号も必要かと(Twitterで転職者にオファーを出すかどうかは別)。
■お悩み編
AIベンチャーや大手事業会社まで話題に挙がった、業界全体の悩みについてまとめてみました。
・人材採用が大変すぎ問題
知名度が高そうなベンチャーでも人材採用には苦戦するらしく、どこも苦労しているそうです。
退職エントリーの最後に出てくるGAFA、メルカリ、PFN辺りは例外でしょうが……。
面白い会社、魅力のある会社、将来が期待できる会社は面談を通してたくさん見てきたので、こうした会社が転職候補に入る世の中を目指したいです。
・営業とプロモーションの担当いない問題
プロダクト開発系のベンチャーにありがちですが、資金、技術、エンジニアは充足しているものの、それを宣伝して営業するメンバーが足りないという悩みが多いです。
実際「営業兼広報兼SNS運用兼バックオフィス担当」「社長が開発の片手間に営業」「営業はパートナー企業にお任せ」が、実情です。
「良い製品なのに売れない」はこれまで見てきたので、個人的に支援したいと思いました。
・AIベンチャーの所在地が渋谷か本郷か六本木問題
今回訪問した企業の多くは渋谷、本郷、六本木に集中していました。
下手すると先週訪問したビルの違うフロアにある会社だったりするので、「連れションかよ!」にツッコんでいました。
ベンチャー社長は全員風水に凝ってるとか、地脈の影響でGPUが高速に動作するとか、理由があるのでしょうか。
ちなみに、五反田の会社に訪問するときはウッキウキでした(「おにやんま」のうどんが食べられるので)。
・AI人材欲しがってる会社からオファー来ない問題
普段から「AI人材の採用と育成」と叫ぶ歴史と伝統の製造業からは、今回は全くオファーが来ませんでした。
同様にSIerからも連絡はなかったのですが、リクナビやマイナビでAI人材を採用できるのでしょうか。
もっともTwitter経由での採用自体がイレギュラーなので、オファーが出せない事情もあるでしょうが(普段ディスってるのが一番の原因かと……)。
・プロレスの認知度低すぎ問題
各社をマスク姿で訪問するもののプロレスの認知度は低く、ドラゴンゲートファンの女性や、90年代WWEファンがいたぐらいでした。
一方でお堅い業界団体の真面目そうなおじさんが昭和プロレスファンだったりするものの、IT業界におけるプロレスリテラシー向上は急務だと実感しました。
あと、キン肉マンTシャツを着ていても、それに気づく人が少なかったのも悲しい現実です。
・訪問後のお礼メール問題
最初は訪問後にお礼メールを送っていたものの、返信する方も手間かと思い「返信不要」と記述したものの、気を使って返信をいただくこともあり、最終的には送らなくなりましたが、一体どれが正解なのかは難しいところです。
お堅い会社なら送った方がいいんでしょうけども。
■気づき編
仕事探しを通じて、AI・データサイエンスのベンチャー界隈で実感したことです。
・マスクは「多様性」
オファーのあった会社は全てマスク姿で訪問しましたが、どの会社でも好意的または普通に受け止めてもらえました。
確実に「マスクでここまで来たんですか?」と聞かれるので、「この格好で〇〇線(JR・地下鉄)に乗ってきました」と答えると一笑い取れるので、芸人が地方営業でよくやる"つかみネタ"みたいになってきました。
その後にマスクドアナライズ名義の名刺を渡して、「専用の名刺があるんですね」というやり取りまでがワンセットです。
・実は有名人だった
各社に訪問すると、なぜか打ち合わせ後に記念撮影をしたり、他社員との名刺交換会が行われたのですが、実は私のファンが結構いるという驚愕の事実が判明しました。
私の会社でマスクドの名前は出てこないので実感がなかったのですが、業界内でそこそこ有名人という自覚は皆無でした。
異世界転生チート無双のハーレムラノベな主人公の気分が、少しわかった気がします。
・渋谷の治安が悪すぎる
いつ行ってもパトカーと酔っ払いがうるさいし、客引きは鬱陶しいし、オラついた半グレっぽい人ばかりで、東京都メキシコ区とは違った意味で治安が悪そうでした。
あと、駅への近道でラブホ街を歩いてたら、昼間なのにホテルからスーツ姿のリーマンと健康を宅配してくれるお姉さん(コンプライアンス的表現)が出てきて、「仕事しろよ」と思いました。
■お金の話
いやらしいですが、気になりますね。
面談なので具体的な給与額について言及する機会は少なかったものの、1.5~2倍程度の金額を提示いただいた会社もあります。
元の給与が安いのもありますが、人材市場の需要、スキルや経験の希少性、会社の資金力、所属部門の権限や予算、収益の柱の有無など、様々な条件で変動するでしょう。
ともあれこの業界で年収アップを狙うなら、転職一択と考えて良いでしょう。
正直その場で契約書を渡されたら、速攻でサインしていた自信があります。
さすがにその日は悩んで眠れませんでしたが……。
■まとめ
今回26社から面談のオファーが来た理由は、AI・データサイエンス界隈という勢いがあり、経歴やスキルが時勢における希少性を持ち、Twitter転職を含めたSNSとの親和性が高い界隈で、イキって目立ってたせいで実力を過大評価されていた点も否めません。
それらを差し引いてもIT業界における人材不足は深刻であり、より良い条件を求めてTwitter経由で転職するのは十分アリかと思います(エンジニアは特に)。
活動を通して多くの方々からお話を聞けただけでなく、社内イベントなどにも呼んでもらえたのは大きな糧となりました。
テクノロジーが進化しようと、そこには人が関わるわけで、実際に会って話をする重要性を実感した次第です(渋谷と六本木と本郷に集まるわけだ)。
そうした輪の加わるきっかけとして、普段のアウトプット・自己アピールが必要かと思いました。
だからこそ「ただの会社員」と「マスクド・アナライズ」では、扱いが全然変わってくるのです。
もっとも「情報発信」と「イキリ」の区別をうまくつけないといけませんが……。
ともあれ面談させていただいた中で「知名度が低い会社」であっても、「他社が真似できない独自の製品や技術を持つ会社」「社長から社員まで全員が本気で仕事に取り組む会社」ばかりで、どこも魅力的でした。
AI界隈において「謎の人脈とPR力を誇る怪しい会社」「明らかに資金調達から上場ゴールを狙ってる会社」ではなく、こうした将来のある会社も誕生しているので、さらなる飛躍のために自分が何を出来るのかと考えるきっけになりました。
そんなわけで「普段からアウトプットしておけば突然会社をクビになっても色々な所から声がかかるので何とかなるよ」という、異世界転生ラノベっぽいまとめで締めさせていただきます。
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