サンプルキャラはイマドキのゲームスタイル的に発明であるという話
試行錯誤は失敗に始まらない
昨今のプレイヤーはいちいち失敗を繰り返しながらの試行錯誤は好まない、とよく言われる。
ソーシャルゲームやコンシューマーゲームにおいては、調べればすぐにwikiやSNSなどである程度の攻略情報が見つかる時代である。
そういった情報である程度の模範解答を知った上で、いかにその模範解答を己の環境と手札で実現していくかを探っていくのが今の『試行錯誤』であると最近は言われている。
ましてや、一度のプレイに時間のかかるTRPGにおいて、なおさら重大な失敗は避けたいと思うのも当然であろう。
失敗したくないTRPG
TRPGにおける失敗のいち事例として、プレイヤーキャラクターの作成における失敗がある。
シナリオとの相性が悪く活躍しづらかった、取得してみたスキルの使用条件が満たせなかった、器用貧乏あるいはピーキーすぎてシステムとの相性が悪かったなど、具体的な問題は色々あるだろう。
こういった問題の解決策の一つとして、経験のあるプレイヤーがキャラクター作成においてアドバイスするという方法がある。
しかしこれは過度な指示や、プレイスタイルの押し付けといった別種の問題を孕んでいるため、全くのリスクがないわけではない。
キャラクターを作成する際に自動で取得されるスキル等で、最低限の役割を果たすことができるような性能が保証されるシステムもあったりする。しかしこれはあくまで「最低限」であるし、自動取得でサポートされていない部分にゲーム上重要な要素があり、そこで片手落ちになるというケースもありうるだろう。
サンプルキャラをもっと活用しよう
そこで、キャラクター作成における失敗を避ける方法として、サンプルキャラの使用がとても効果的であると考えられる。
第一に、サンプルキャラは安定した性能を持っているという利点がある。サンプルキャラはシステム製作者、つまりシステムをよく理解した人がセッションで使用させるために用意したものであるから、まず構成上の問題があって動かないということが無い。
最近のシステムにおいては、具体的なキャラクターの動かし方を書いてあることも多く、たいへん扱いやすい。こういったキャラクター運用指南は後述するキャラクターを自作した場合の運用においても参照する価値があるだろう。
また、いちからキャラクターを作成する場合でもサンプルキャラは参考になる。攻撃能力や行動力、リソースの確保量などがどのくらい要求されるかはルールブックを読み込むだけではなかなか掴みづらい。この時、サンプルキャラのそれを目安にすると、実戦において有効な値を確保できるだろう。
オリジナリティあるサンプルキャラ
しかし、TRPGをやるプレイヤーは己のPCにオリジナリティを求めがちだと考えられる。先述の、模範解答を知ったうえでの『試行錯誤』の範囲である。
たいていプロフィールなどフレーバー部分は自由に設定できるが、データ的な部分に自分で選んだ要素が欲しいと考えることは当然あるだろう。この考えは、完成したサンプルキャラを選ぶ方式とは相性が悪い。
そこで解決策として、半完成品のサンプルキャラを提案したい。最低限の役割を満たせる状態までデータを作りつつ、経験点などの作成リソースが余った状態で渡し、残った部分の決定をプレイヤーに委ねるという方式だ。
やりたいこと別におすすめの取得を何パターンか併記しておくと、完成品サンプルキャラクターの使用に近い安定性が得られるだろう。
まとめ
昨今のゲーム環境においてプレイヤーは、参考となるある種の模範解答を求めている。
TRPGにおけるプレイヤーキャラクターの作成も、然りである。
模範解答を与え、失敗を避けるためにシステム初心者がサンプルキャラを使うのは良い効果が見込める。
プレイヤーはオリジナリティも求めるので、半完成品のサンプルキャラを使うとよいかもしれない。
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