アーティストとして生きる全ての人へ / 創業エントリ
近年アート界隈やビジネス的なアートへの転用が増えたように感じる。
だが、この流れはアート界にとって健全なことなのだろうか?
毎日そんなことばかり考える。
創業エントリを今回書いていこうと思う。(会社1期目そろそろ終わるけど)
プロローグ 私の人生
私の人生は、幼少期より疑問の連続であった。
その疑問は歳を重ねるごとに解像度は上がったが、未だ自分中心で世界が回って欲しいという観念からはとらわれたままである。
悩みが尽きず、いつも変化と不安に押しつぶされていた。
可能であるならその悩みから解放されたいと願った。
あるとき救ってくれたものがアートであった。
アーティストとして生きる全ての人へ
1 アートと人生
アーティストの方はよく聞かれる
あなたの夢、目標はなんですか?
スイスでのアートフェアに参加する?
NYで作品を展示する?
自分の作品の価値を1000万円にする?
とにかく人気になる?
有名ブランドとコラボをする?
アーティストの夢は夢の舞台に立つことや、人気者になること、自分の価値をあげること。
そう言ったことが多いだろうと思います。。。(主観)
僕はどの夢も素晴らしいと思うし、その全てが叶えばいいなと思います。
「で、そのあとは?」
少し引っ掛かることかもしれないが、僕は普段からアーティストが「アーティストをしている」理由はなんなのだろうと思います。
僕の考え的には特に理由なんてなくてもいいのです。
ただ、アーティストの人の中には理由や目標がない人もいるし、ある人もいます。
周りくどい言い方をしましたが
僕としては
「あなたがもしアーティストならアーティストを続けてほしい」
と思ってます。
あなたにしか作れないかもしれない作品を見てみたい。ただの僕の私情です。そしてそれは、誰かの人生を変えるかもしれない。
20歳でいろんなことに卑屈になっていた当時の自分はそれで救われたことを覚えています。
アーティストを辞める理由は様々ですが、大体は「お金が〜」かと思います。
だと言っても、稼いでいかないと作品は作れないし生活はできない。
という現状を多く目にしてきました。
だけどアーティストがよく言う「海外の市場は大きいから〜日本はダメだ。」という理由は僕は嫌いな文句です。
ただ、日本でも 世界でもアーティストという職業が安泰ということはありません。
アート後進国だからこそできることは必ずありますし、本当にそう思うなら海外に行くことを強くおすすめします。
その裏で頑張ってスタートアップ(新興企業)はアーティストの販売数を増やそうとしています。
もしよければこちらもまとめています。
ですが、スタートアップ企業には自他共に必ず限界が来ると考えています。(これの詳しい話は別のnoteにて・・・
とまぁ余談が過ぎましたが、どの業界であろうとも一本で食っていくと言うことはこの業界に限らず、稀な存在です。
だからこそ言いたい。
この考えに至った前に少し会社のことを話させてください。
2 株式会社MASIROのはじまり
MASIROは私が2021年に有志団体として立ち上げたチームとして立ち上がりました。
最初はワークショップの企画運営をしてました。
アートの体験をするのが一番アートを体感できるでしょ!(?)
今はしてませんが、今でもそう思ってます。
要はお絵描き的な部分を設定や企画めいた形でやってました。
でもこれではやってて楽しいのはありましたが多分うまくいかないんだろうと思いました。
そこから活動を重ね、本気でアートをたくさんの人に届けるために起業を志すことになり、
いろんなイベントを企画しては実行して。。。という日々を繰り返し。
2023年12月に会社を創業、そして今に至ります。
理念はずっと変わらず「日常にもっとアートを」
MASIROの名前の由来は
アート活動の始まりである真っ白なキャンバスを想起して、名前をつけました。
会社は現状僕含め二人で運営しています。
※今のところは人を増やすつもりはありません。
3 アートと金の話、それは夢と現実の話。
現状ですが、弊社は自己資金で(現在はエンジェルのみ検討)運営をしております。
少しスタートアップのことを創業前後でずっと調べたり、投資家たちと話をしていても
どうしても話が合わない。
簡単に説明するとこんな感じ。。でもこれはこの投資家が悪いと言う話ではないです。話が単純に合わないだけなんです。
「投資してくださ〜い!」と話をすると
よくいうアートは"ビジネス" としては長いものです。
10年20年歩んでいくから評価されることになるし、作品が作品が売れている人が果たしてアーティストとしての存在意義なのか?
投資対象として作品を捉え、作品を販売していくやり方はどうなんだろうと疑問に思っています(今でも)
アートの市場規模が上がった=アートが日本のカルチャー
としてみんなから楽しまれる。
もちろん目指していきたいことではありますが、ただアートがもっと広がっていくにはもう少し複雑にものごとが絡み合っていると考えます。
ここで大事にすることは
お金儲けは大事だけど、お金だけが全てではない。
まあなんとも難しそうな話で。
で、案の定めっちゃ悩みました。今は「わからないから自力で頑張る」
いい話っぽいなら聞く。
で。
アートで起業をしようとしてる人がもしいればですが、
現在、エクイティ(簡単に言うと会社の株を対価に資金を調達するモデル)はあまりおすすめできる状況ではありません。
これをすることで一つのことに行き着いたんです。
と言うことなので現状ではアーティストを食わせることを目的にはしていません。
食わせていくことを目標にしている企業様はいろんな話聞きますが、総じて尊敬でしかありません。凄すぎます。
ただ、おそらく今後も「アーティストの食えるようにする」なんてことは言わないでしょう。(この会社にいるうちは)
食わせることには期待感の後ろに失うリスクや危険性を抱えています。
ただ僕は、僕がアーティストとして生きていたからこそ僕がほしいものを望んでいます。
それは単純に
いろんな展示会場を提供したいし、販売できる場所も作品を自由に作れるアトリエも提供したい。
僕が望んだように
僕はこう言う話をするときにゴッホの話をしています。
よく言う
「ゴッホは生前食えていなかったけど、死後から人気になった。生前で人気が出て作品が売れれば幸せになって死ななかったのではないか?
みたいなのではなく、ゴッホの顛末こそにです。
あまり暗い話はしたくないですが、ゴッホは自殺をしたとされています。
そう選んだ理由がどこかにあった。
その理由はお金かもしれないしそうでないかもしれない。
「お金だけが悩みの種だと決めつけない、決めつけてはいけない」
自分の事業の話をわかりやすく説明するために捻じ曲げず話をすると。
アーティストがアーティストとして続けていける世界を作ればいいのではないか?それにはお金という流れがどこまで必要か。
と言うことを重きに会社を運営しています。
アートの需要の話
ですが今はアーティストが溢れ、そして一ビジネスとしても話が挙げられています。
それは現代において、モノの充足が発揮され、ある程度の資本主義社会のフォーマットが出来上がってしまったことを意味します。
だからこそ、余裕のある人ほどアートを好む。
アートこそ、人間から生まれるイレギュラーそのものであり、コントロールできないモノである。
この評価経済社会上、100万、1億と人気の有無が必要な中、アートは1対1での商売になっています。
再現性などと言う言葉のない。そんな市場です
4 LIFE is Short. Art is Long.
我々はアーティストと展示をして欲しいスペースを繋ぐサービスをしています。
LISAILは略称として
を意味しています。
古代ローマから続くことわざからインスピレーションを受け、アートをいかにこの社会に届けていこうか。
それが我々の価値であり、存在する理由だと思っています。
アートは毎日触れている自分たちでも未だわからないことだらけです。
それよりか、事業をやればやるほど考えていけばいくほどわからなくなっていきます。
だからこそ面白いし、それが行き届いた先の社会を僕はみたい。
課題感から始まった事業も考えていけば、ただ自分が見てみたいという
好奇心が今は事業のすべてです。
それが今までで出してきた答えの一つ
アーティストがアーティストとして続けていける世界につながっています。
アーティストの儲けはもちろん大事ですが、一つでも多く日常にアートがある世界ってなんか良くないですか?
そんな事業を運営しています。
アーティストは無料で利用できます。(一部審査がありますのでご理解を)
スペースをお持ちの方はプランによりますが、0円〜提供しています
もしご興味あれば、サービスページにて承っております。
プレスリリース:
5. 日常にもっとアートを
最後にMASIROが目指す世界を定義します
僕が一番に届けたいのは
まだアートと出会っていないあなた。
そのためにいろんな事業者と提供して、この空間とアート、これとアートはどうだろう。と一事業者としてその点は経済合理性を武器に仕事をしています。
と言う形で話してきましたが、前章までで悩んできたことから脱するきっかけになった本を紹介します。
私はある日、丸太町の古本屋で見つけた本
「民藝とは何か」
これまで社会のアートの役割について考えることはあったが、
それに対して一時代での解答を出した人間を勉強をしたことはありませんでした。
これの中身には衝撃を受けたのを覚えています。
ここには一つの私自身の答えがあり、一部引用させていただきます。
自分の生きる世界にはアートが必要不可欠で、それをどこまでも届けていくのがMASIROと言う会社です。
日常にもっとアートを
終わりに- LISAILの正式ローンチ -
サービスをローンチするまでに色々と検証をしてきましたが、分かったことがあります。
リアルな空間はやはり価値がある。そして自分たちはそれを作れる。
もちろんすべての場所がアートの展示に適していて、というわけではありません。
文化的にも難しいことが多いことも事実です。
ただ、このリリースまでに至った中での思考は僕のこれからの全てです。
もしよければ、お近くにいるアーティスト、そしてスペースオーナー様がいらっしゃいましたらぜひ、このサービスを紹介してみてください。
ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。
少しでもあなたの毎日が芸術たらんことを
松崎圭佑
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株式会社MASIRO https://www.instagram.com/masiro.art/
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サービスサイト:https://lisail-art.com
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