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言語オタ2人が行くジャーマンましロード前編

1 はじめに


グーテンモルゲン! 今回から3回にわたって、「言語オタ2人が行くジャーマンましロード」と題して、修行仲間と1週間かけて行ったドイツ旅行について記したい。真しろにとってドイツは今まで未上陸の国なので、どんな国でどんな天気でどんな人がいてどんな食べ物が美味しいのかとても楽しみだった。ドイツに興味がある方はぜひ最後まで読んでいただけるとうれしい。


2 ルートとパートナーの紹介



今回は、修行のプログラム(大学の授業)で出会った1人の言語オタの男の子と2人でドイツを回ることになった。以下では彼を、「オタくん」と記す。彼はインド系イギリス人なのだが、オランダやドイツへの留学経験がある。今回の旅行は、彼がドイツの友人に7年ぶりに会うのに真しろがご一緒する形で執り行われた。7年ぶりの再会に自分がお邪魔してもいいのだろうかとも思ったけれども、是非紹介したいとのことなので、ドキドキしながら旅行に参加することにした。そういうわけで、今回の旅行は、彼がルートを組んだり宿を取ったりなどの作業は全部行ってくれた。


おおまかな旅程として、前半の3日間は、フランクフルト近郊にある小さな村にある、オタくんの友人の家で過ごし、後半の3日間はドイツ有数の大都市、ケルンに移動してその周辺の街を観光する内容だ。


3 1日目


3.1 Trennfurtへの長旅


旅行は6月4日の2時から始まった。なぜなら、英国時間6時の飛行機に乗る必要があったからだ。


渡英して2度目にお世話になるStansted空港へ向かう。今回はバスセンターからリムジンバスに乗って空港に向かう。ちなみにこれが1番快適で、なおかつ安く空港に行ける方法らしい。お値段10£だ。


午前6時。ケルンの空港へ向かう飛行機が飛び立った。前の日ほとんど寝ていなかった真しろはすぐに夢の世界へ向かった。


約1時間後、ケルンに無事到着。ケルンへは旅行の後半で訪れるので今回は空港だけ楽しむことに。とはいっても2人とも疲れていたので、朝食を取ることしかできなかった。ケルンの街を少し歩いたが、英国よりずっと強い日差しに、目を覚まされるというよりげんなりしてしまう。すっかりヨーロッパにも夏が来たのだ。


ドイツ時間、午前10時半。今度は、オタくんの友人が待っている村のそばにある少し大きな街までいく高速バスに乗車。アウトバーンに乗って3時間の旅だ。ちなみに道すがら、大きな空港で有名なフランクフルトも通り過ぎる。それならなぜフランクフルト空港を使わなかったのかと言うと、フランクフルト空港へ就航する飛行機の値段が高かったからだ。後でもふれるが、今回の旅は文字通り、「安さ」を重視する旅なのだ。


13時45分。無事にオタくんの友人との待ち合わせ場所の街に到着。彼の友人、およびそのご家族と合流し、Trennfurtという小さな村へ向かった。


この村はフランクフルトから30km程の所にあり、とても静かでのどかな場所だ。車でお家まで行き、半地下にある客間へ通された。ここで3日ほど過ごすことになる。半地下ということで、あまり太陽の光は感じられないが、夏でも涼しく、車の音などもしないので快適だ。欲を言えばWi-Fiが不安定なことだが、ある意味日常から切り離された環境ということだろうか。

お家に着いたのが15時半なので、約12時間かけて英国からやってきたことになる。英国から日本に比べれば短いが、正直かなりの長旅になり、まだ旅の本番も始まっていないのに、この時点で疲労困憊だった。


3.2 バーベキューと村を堪能


1時間ほど休憩した後は、早速お家のお庭でバーベキューを楽しむことに。といっても、ドイツは最近全然雨が降っていないらしく、空気が大変乾燥しているので、大がかりなバーベキューは禁止されているそうだ。たしかに、日本の夏みたいに汗をかくような暑さではなく、カラッとした暑さだ。加えて、午後5時を過ぎても太陽の強さは変わらず、日が沈む気配が全くない感じだった。


そんな炎天下の中、村で採れた野菜やパン、村の羊で作ったというソーセージ、ドイツでよく飲まれているレモネードなどをいただいた。羊のソーセージは初めて食べたが、特に臭みもなく本当に美味しかった。また、ドイツのポテトサラダは日本の者に比べて酸っぱく、口直しにちょうど良かった。


バーベキューが終わり、午後6時頃に、今度はみんなでそばの泉で水をくんだり、羊の餌やりをしたりした。6時を過ぎても日本の昼のような日差しの強さに、もはや幻滅というより元気をもらえる。長い冬が終わり、ようやく夏が来たことを思い知らせるような天気だ。


8時を過ぎるとようやく少しずつ日差しが弱まり始めた。とはいえ、作業を終えたみんなは、眠るのがもったいないというかのように、再びお庭に集まり、ビールやお茶を飲みながらたくさん話をしていた。オタくんと彼の友人のご家族は長年の付き合いらしく、昔の思い出の話も尽きないようだ。それにしても、夏に外でご飯を食べたり、夜遅くまで外での活動を楽しんだりすることが、ヨーロッパの人は本当に好きらしい。22時ごろになってようやく全員解散した。ものすごく疲れたのは事実だが、ドイツの村を堪能できた点では充実した1日だった。


4 2日目


朝9時半。真しろは起床したのだが、友人はなかなか起きない。作業をしながら待つこと3時間半。ようやく友人が目覚め、行動を開始。長旅だった上に、自分のアテンドもしてくれていてとても疲れていたと思うので、しかたがないだろう。とはいえ、リビングで待っている彼の友人のご家族には、「もっと早く起きれなかったの?」と笑われてしまった。


15時。今日は村のお城を見に行くことになっていた。真しろは、オタくんの友人のお母様と一緒にメインで歩いた。お母様は冷戦時代をよくご存じで、西ドイツや東ドイツについての話もたくさんしてくださった。


村のお城は、それほど大きいお城とは言えなかったが、鐘の音が遠くから聞こえ、歴史を感じられる場所だった。本当はお城のそばのレストランがおいしいそうなのだが、月曜日はレストランが閉まっているらしく、この日は月曜日だったので、あいにく行くことはできなかった。その代わり、そばのアイスクリーム屋さんでたっぷりアイスをいただいた。


午後6時。今度は村のそばを流れるライン川沿いへ移動して、オタくんの友人のご家族とその知り合いのご夫婦と一緒にピクニック。知り合いが知り合いを呼んでピクニックをすることはよくあるらしい。川辺の芝生で、弱まりつつある日差しを浴びつつ、寝転んだりご飯を食べたりお話をしたり、自由で楽しい時間が流れる。個人的にはとても落ち着く時間だった。


ピクニックの最後には、チームに別れてボウリングをした。そのとき真しろは他の人たちに、ぐっぱーでチームを決める、日本の子供たちが大好きな方法を伝授した。真しろはボウリングが大の苦手なのだが、1回だけストライクを決めることができた。


午後8時半ごろにピクニックは終了し、全員家に戻った。だが、10時半ごろ、リビングに行ってみると、今からディナーを一緒にどうかと誘われた。確かにピクニックの時は軽食しかなかったのでお腹は空いていたが、やはり日が長い分、ディナーの時間も遅くなるらしい。


ディナーの間は、真しろがピアノを弾けるという話で盛り上がり、クラシックを聴きながらのディナーになった。ドイツの村でクラシックを聴きながらの夜ご飯なんて、控えめに言って夢のようだった。さらに、リビングにはピアノがあるということなので、特別に少し弾かせてもらえることになった。この旅では本当にお世話になりっぱなしなのでせめてものお礼のつもりで弾くことにした。オタくんやご家族も喜んでくれたが、なにより8ヶ月ぶりにピアノを弾けたということで、真しろ自身が1番楽しんだ。そんな楽しすぎるディナーも終わり、気づけばシンデレラの魔法が解ける時間になっていた。


5 3日目


3日目は10時頃から活動を開始。この日は電車とバスで、Wurzburgという少し大きめの街に行くことになっていた。その街には、オタくんの友人の兄弟が住んでいるのだ。



11時半。そばの駅まで車で送っていただき、まずは1時間ほど電車に乗ることになった。いよいよドイツで初めて乗る電車。車両は小さめで、恐らくディーゼル車だった。


1時間ほどして途中の街に着いて、今度はバスに乗り換える。バスに乗ること40分、ようやくWurzburgに到着し、友人のご兄弟に合流した。

街では基本的に街探検をして過ごしたのだが、この町は本当にいわゆる絵に描いたようなヨーロッパの街だった。そばにはマイン川という川が流れ、大きなお城もあり、時間になると鐘の音が美しく、適度に自然もある。公園の庭には神をもした赤ん坊の像がいくつも鎮座し、触ることもできた。まるで、よくあるRPGに出てくる街の中にいるみたいで、興奮し通しだった。


夕方6時。相変わらず6時とは思えない眩しい日差しの中、テラス席で軽い食事を取った。この辺りではワインも有名らしく、ワインに目がない真しろは真っ先にトライ。甘口で飲みやすかった。しかしさすがに日差しの強さに疲れを感じ、7時頃になると、マイン川のそばに移動し、またまた芝生に敷物を敷いて全員で寝転んだ。夕暮れの沈み書けている日差しが一番心地よく疲れを癒やしてくれる。日差しも眠りにつこうかつかないかという頃、ひんやりした風に乗って8時の鐘が聞こえた。その瞬間、自分は今ヨーロッパにいるのだなと今更ながらに実感した。ちなみに街探検や食事の間、オタくんや彼の友人たちは、哲学や政治の話をずっとしていて、さすがに真しろは着いていくことができなかった。


8時半頃、全員疲れている中ではあったが、帰路につくことになった。帰りはオタくんの友人が車を運転してくれた。真しろは本当に爆睡できたので、この友人のドライビングテクは申し分なかった。


10時半ごろに帰宅すると、例によってディナーの時間だった。早い者で今日がラストナイトだったので、全員でワインを飲みながらいろいろな話をした。結局日付が変わる直前まで盛り上がり、相変わらず長いディナーになった。オタくんの友人もそのご家族も、全員とても優しくて、話していても飽きることがなかった。本当に素敵な時間をいただいたことに感謝したい。


6 おわりに


4日目以降の話を続けたいところだが、そろぼち長くなってきたので、いったんここで筆を止めたい。この3日間をまとめると、ドイツの村で癒やされ、ヨーロッパの夏を全身で感じる事ができたということになろう。ある意味日光浴の日々だった。次回は、ケルンの街での日々や、ドイツの鉄道旅について書いていく。


それでは今日はこの辺で。Have a nice day!

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