ちょこんと座って、キョトン。
青山美智子さんの小説『お探し物は図書室まで』を読んでから、ずっと気になっていた“羊毛フェルト”に初挑戦。
初心者向けのキットで
愛しき我が子たち「シマエナガ」が誕生した。
ふわふわでボリュームのある、大きな羊毛フェルトが3色。
白、黒、オレンジ。
これが、本当に形になるのかという不安を抱えたまま
ひたすら針でプスプスと刺し続ける。
胴体と、羽と、羽の模様と、クチバシと…
という風に、ひとつひとつパーツを作っていく。
…すると、徐々にコツを掴んでいく。
「同じところばかり刺していると、形がうまくいかないな」とか
「長いフェルトは手のひらで丸めたり、織り込んでみるといいな」とか。
ある程度調べてから取り組んでいれば、
もう少しクオリティーも高く、苦労も少なくできたかもしれない。
しかし
作る過程で、自分で発見し、自分で工夫して完成させたことに、とても達成感がある。
…最後に“目”をつけた時。
命が宿ったような気がして、とても感動した。
実際は、白い胴体が完成したあたりから、
卵のような塊を眺め、もうすでに「可愛い」と思ってしまっていたような気もする。
初心者用のキットで作ったので、デザインはとてもシンプルだ。
完成度はともかく、自分で生み出したこの子たちが
とにかく可愛くて可愛くて、愛おしい…。
キョトン。とこちらをみている。
それだけで
目尻は下がり、頬がほころんでしまう。
…大変な親バカになってしまった。
今は窓際の、カレンダーの隣にちょこんと立たせている。
ただの小さくて不恰好な羊毛フェルトの塊だけれど
不思議と…かなり、癒される。
ふと窓際を見てはシマエナガと目が合い、ふふっと笑ってしまう。
こういう小さな平和を、大切にしたいな。
2024.2.29
この他の“手芸”がテーマの記事はこちら。よろしければぜひ。