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『バビロンに死す』の前に死す。

まず初めに、この度は本番直前の中止決定となってしまい、当日観劇のためにすでに支度を進められていた方をはじめ本当に多くのお客様にご迷惑をおかけする形となってしまいました。
本当に申し訳ありませんでした。

たくさん寝まして、ようやく落ち着いてきたところです。
私は元気です。

改めて、10月の終わりから稽古してきた『バビロンに死す』という作品が、いよいよ日の目を見ることなく終わってしまったという実感が、じわじわ湧いてきています。

流行り出した2019年ごろからいくつも舞台には立ってきていますが、某感染症が原因で公演の延期や中止、キャストの降板も経験していなかったので、本当にこれまでがただ運が良かっただけなのだろうと思います。
こんな気持ちをみんな経験しながら、これまでやってきたんですね。


今回、公演1週間前に役者の降板があり、そして陽性者が出て。
その度にこの公演を本番の板の上に乗せるために、色々対応してきました。
私は今回の座組で、年齢も経験もちょうど真ん中くらいでしたが、
ただただ先輩たちに甘えて、先輩たちに引っ張られていました。
そろそろ自分が先輩になる立場も増えてきているのに、あかんな。とは思うんですが、やっぱり先輩たちはすごかったです。


さて幻の公演になってしまった『バビロンに死す』
今回、私が演じる役についてお話ししても、誰も観ていないのでどうにもこうにも解釈できんわけですが、私の中の整理として、ここに残させてください。

私が演じる「和恵」は、不器用な人でした。
字の読めない、それ以外は他と変わらない人でした。
まーちゃんという純粋で子供のまま居る人の面倒を見ていました。
まーちゃんには和恵がいなければならず、和恵にも、まーちゃんは必要でした。

上手く言葉にすることは難しいけれど、私はまーちゃんのことが好きで好きでたまりませんでした。

結構、台本上の過激な部分は和恵とまーちゃんが担っていたので、ぱっと見は「やばい人たち」だと思われてしまうんだろうなと思いながら稽古していましたが、
「物事には全て原因があり」ました。

港くんとのラジオの中で「和恵さんは私に似ている」と言ったのは本心で。
いざ台本をもらって、字面のインパクトは確かにあったけど、
白黒はっきりさせたいが故に相手の気持ちを考えることが苦手だったり、
鬱屈した感情が衝動的に出てしまったり、
なんだか似ている部分は多くありました。

そして、そんなに不便だとは思っていないけど、私も若干「文字を読むことが苦手な」人です。
基本的には読めるし書けるけど、カタカナになると難易度は高くなるし、文字を書くときもスマホで入力するときも文字が入れ替わっちゃうなんてことは結構ありまして。

なんというか、まぁ、なんでそんなことするんだか理解できないことが一つもなかった気がします。

だからこそ、今回はそんな和恵の気持ちを少しでも、誰かにわかって欲しい気持ちが強かったです。
どのみち理解なんてされないんだろうけど、創作物として上演されるものだからこそ、少し客観的に見えて、この人はもしかしてこういうことがあったから、こんな行動に出たんじゃないかって、現実世界ではなかなか想像してもらえないところも想像してもらえたらいいな。と思っていました。


未練はつきませんね。

しかし、今回は本当に贅沢な経験をさせてもらいました。
まーちゃんが代役になるかも、という状況になって、今回はちゃんと芝居で絡めなそうだなと思っていたおらんださん、ナオッチさんがそのポジションになり。
私は3人のまーちゃんを愛することができました。
みんなかわいい私のまーちゃんでした。


今回はこのような結果になってしまったけれど、自分なりに手応えを感じた部分も、まだまだ苦手な部分も知ることができた部分もあって、とても勉強になりました。
次に向けてまた頑張っていきます。


スタッフさんがとても綺麗に準備してくれた舞台セットや照明の入った写真はインスタの方でたくさん放出しようと思います。
音だけは、全く届けられないことが悲しいけれど、少しだけでもバビロンがそこにあったことを見ていただけたらと思います。

Instagram : sea.w.smgo



バビロンに死す


さよならバビロン



ましろうみ

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