【解説】テラパゴスex【シティリーグs1 準優勝×2】
はじめに
初めましての方は初めまして。ポケモンのゲーム部門とカード部門で競技的に取り組んでいます、ましゅまろ。です。今回、カード部門の世界大会権利獲得に繋がるシティリーグに参加し準優勝したテラパゴスexをテーマにポケカの構築及び戦略記事を書きました。無料部分ではテラパゴスを選択した理由とデッキ作成の方針について記述しています。使用したデッキリストは一般的に想像されるリストとの相違点としてアンフェアスタンプの採用、バッフロンの非採用などが挙げられます。各カードの採用経緯とテラパゴスが抱える課題、対ドラパルト後攻での戦い方について述べ、当日までの取り組みと思考を併せて知っていただき、読者の皆様の参考になることを目的としています。
また、私を本稿で初めて知った方に向けて活動実績を記載します。
これを機にX(@mashiro_821)のフォローもよろしくお願いいたします。
また、10/13に同じ60枚を使用したあくありおも準優勝でした。
本稿は有料記事で、以下の構成となっております。
リストが煮詰まっておらず大きな可能性を秘めたデッキであること、読者の皆様からお金をいただくからには充実した内容にしたいと思ったため、より実践的な取り組みや思考を可能な限り言語化して伝わるように執筆させていただきました。一例として参考にして貰えると嬉しいです。また本稿の売り上げは、世界大会権利を獲得した際の旅費に充てさせていただきます。
ご支援の程よろしくお願いいたします。
以下、本文になります。
デッキリスト
当日のマッチアップ
テラパゴスを選択した理由
現環境は使用率最上位のタケルライコ、リザードン、ドラパルト同士でも有利不利があり、上記1つには有利なデッキが多く存在し群雄割拠状態です。
シティリーグは6Rで5-1以上する必要があるので、初動の事故を減らしつつ使用率上位のデッキに対してなるべく広く戦えるデッキを作成したいです。
初動の安定感ではタケルライコ、トドロクツキなどのたねポケモンだけで構成されているターボデッキが秀でており、それらのデッキへの一番わかりやすい勝ち方は先にサイド2枚取らせない状況から2-2-2と取るプランです。
上記プランが取れて対応力も高いデッキはリザードン、ドラパルト、サーナイトなどの2進化デッキが代表的ですが、初動の安定感にやや欠けていると感じていました。また、後攻時にボムでシステムやアタッカー2体を倒されてしまう状況があり、捲りにくい場面もあるのがネックに感じていました。
そこで、ターボデッキに有利を取れて初動の安定感を持ち対応力もあるデッキとしてテラパゴスに注目しました。テラパゴスはたねのテラスポケモンの中で攻撃するために必要なハードルが低く、強力なサーチ特性を持つヨルノズクと非常に相性が良いです。ターボデッキに対してはヨルノズクを最大枚数使用することでサイドプランを安定して完遂し、進化デッキに対してはヨルノズクでボムを揃えることで盤面を崩したりカウンターすることができます。また、攻撃に必要なカードが少ないため上記を安定させるカードを多く入れられること、ヨルノズクとボムを複数並べる行為とテラパゴスの攻撃技とゼロの大空洞にシナジーがあることも注目した理由です。初動の安定感はスピンロトムが担い、ベンチの圧迫も大空洞で気になりません。
加えて何よりボムの評価が高いです。先攻では大きく優位に立て、後攻では捲りとして使用できるカードです。進化デッキだけでなく、コントロールデッキ全般など広範囲に対して強力なのも魅力的に感じました。
デッキ作成の方針
先述のプランを実現できるようにデッキ作成を開始しました。作成当初は、ダブルターボエネルギーに確実にアクセスできるアクロマの執念を複数枚採用したリストを試していましたが、序盤に使うサポートとしては出力が低いこととテラパゴスにアクセスできないことを理由に、ナンジャモや博士の研究などドローができるサポートを軸にすることに決めました。
ドローサポートを軸にするとダブルターボエネルギーを別の手段で持ってくる必要があり、それはすぐにピジョットに決まりました。ピジョットはスピンロトムでポッポを出せる点、ボムがいない(または確定していない)時にバトル場からコストなしでテラパゴスに入れ替えられる点、ヨルノズクがベンチにいることでピジョットの対策の一つになるデヴォリューションが機能しない点、テラパゴスの最大打点220で倒せない相手をピジョットのふきすさぶ100で倒しつつ大空洞をトラッシュして手負いのテラパゴスを消せる点など、テラパゴスに欲しかった要素をこれ以上なく持っていました。
以上からテラパゴスの相方をピジョットに定め、確実にピジョットを立てられるデッキを考えていきました。最初の番にポッポ、ホーホー2体を並べ、次の番にヨルノズク1体を使ってピジョットを立て2体目で大空洞とポフィンを持ってきて次の準備をしながら攻撃する。ここまでを安定してできるように細部を調整しました。また副産物として、そこまでの盤面形成ができていれば次の番にボムをしながら攻撃を継続する動きも可能になりました。
テラパゴスが抱える課題
デッキ作成の方針は良く、盤面形成とターボデッキへの勝率は十分満足している印象を受けました。一方で、大きく2つの課題があると感じました。
まず、進化デッキ、特にドラパルトに対して先攻と後攻で勝率に差があることです。先攻はドラパルトに進化する前に倒すことやファントムダイブを受ける前にピジョットに進化することができます。一方、後攻では先にサイドを2枚取られた状態からスタートし、ピジョットなしで必要なパーツを揃えていかないといけません。ドラパルトはテラパゴスの攻撃だけでは倒すことができないので、ボムと合わせるか次のターンと合わせて倒す必要があります。ヨマワルはファントムダイブのダメカンで倒されてしまうので2体準備する必要があり、どんどんサイドは取られていきますし、倒すのにターンがかかると2体目のドラパルトの準備が間に合ってしまいます。
ドラパルトへの後攻勝率を改善するために、フトゥー博士のシナリオに加えてエーススペックをポケモン回収サイクロンに変更して試しましたが、お互いの攻撃回数が増えるだけであまり状況が好転していないと感じました。
2つ目は、大事な時にダブルターボエネルギーを引けずに攻撃ができなくて負けるパターンが多いことです。ピジョットが立つ前に倒された時、手札を流されてピジョットでテラパゴスやヨルノズクを持ってくるしかなくなった時にどうしてもダブルターボエネルギーへのアクセスが困難になります。
課題解決のアプローチ
ドラパルトへの後攻勝率改善に向けて、お互いのデッキが順当に回った試合の後に各ターンの行動を詳細に振り返って改善点をピックアップしました。この振り返りのおかげで1ターン目の盤面の作り方と2ターン目の展開に大きな改善点があることに気付きました。また、2ターン目の展開を大きく変えるカードとしてアンフェアスタンプに注目しました。
改善点の詳細は以下にまとめました。
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