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映画を見る側の在り方について -2023年4月19日

・今更ながら映画「オブリビオン」を見た。
・オブリビオンは、2013年の映画で、SFアクションです。
・主演はトム・クルーズ。
・2077年の地球を舞台に、戦争で荒廃した地球を守るために無人偵察機の修理を担当する技術者ジャック・ハーパー(トム・クルーズ)の物語です。

・まあ詳しくはAmazon Primeにあるので、見てもらうとして、結論SFの良さと、映画の悪いところが多分に含まれた映画だった。
・映像が綺麗で乗り物がかっこいい。この時点でSF映画としては十分ですけどね。
・終わり方は当時から賛否両論あったところで、2013年の映画にネタバレもないと思うので書きます。

・テクノロジー、アイデンティティ、真実と嘘がテーマかなと。
・テクノロジーは映像が綺麗で未来っぽいものが出ていればそれです。
・また、アイデンティティがテーマの場合は、ほとんどの場合でクローンが出てきます。
・今回も例にもれずクローンが登場します。
・主人公がクローンで、情報操作されていて、自身がクローンであることの自覚のない状態が続きます。
・自身がクローンであることに気付いたあたりで物語が大きく動きます。
・この辺りでアイデンティティと真実と嘘が紐解かれていきます。

・最終的な終わり方としては、主人公が敵もろとも自爆して、勝利。
・残されたヒロイン(この人はクローンじゃない)のもとに、別の主人公クローンが出会いハッピーエンド風という終わり方です。
・Aクローンが死んだけど、Bクローンがヒロインを迎えに行く(ヒロインも別個体であることを知っている)というのが終わり方としてどうか、と言うことで、賛否両論ぽいですね。

・観客は自分のアイデンティティを認識していて、自身の肉体と魂を唯一のものだと思っている。
・その一方で、映画の中では同一個体から作られたクローンが同一として描かれている。
・このギャップに違和感を感じ、少しもやもやした気持ちになっているのではないかと思います。

・これは主人公に感情移入して映画を見ると、こうなって当然という気もします。
・別の映画ですが、「クリーピー 偽りの隣人」があります。
・これは評価的にはあまり高くなく、レビューを見ても、良くわからない、ストーリーが良くない、何を伝えたいのかわからない、といったレビューが並んでいます。
・その中で星5をつけているレビューがあって、それが割りと好きで。

黒沢清の映画の特徴としては独特の間、長回し、極端に排されたセリフ、静かな音楽(黒沢清の場合クラシックが多い)などが挙げられる。
だが、映像で物語を見せるような邦画は今は残念ながら少数だ。三谷幸喜やテレビ局主導の商業映画においてはやはりお客さんに分かりやすく理解してもらうために説明過多になったり、起承転結がハッキリした展開であったり要は軟化された作品に仕上がっているのだ。
~中略~
つまり、バカみたいなジャニーズが出てるような壁ドン映画やどS男と女の恋愛映画みたいなものばかり見てるババァとか若者が見たらそりゃつまんないと思うはず。西島秀俊とか東出とかキャスティングに惹かれて見に来たような輩は十中八九、出鼻をくじかれるだろう。そういうババァとかろくな映画を見た事のない奴らは山崎賢人と二階堂ふみのくっだらない、思惟する事もない、分かりやす噛み砕かれまくった馬鹿映画でも見てりゃあ良いんだよ。黒沢清映画はいちげんさんお断りなのだ。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/353643/review/164/

・この指摘が的を射ているか、言い方が正しいかといったことは、さておき、こういう視点があるのかと思い、記憶に残っています。
・映画好きに名作と言われて見た「ゴッドファーザー」のラストもそんな感じがした。

・映像による説明というか。
・見る側の感性や知性に委ねる部分が大きい分、思考や考察を映画内の説明に外注できず、自分で考える必要がある。

・私個人としては、サルでもわかるくらい分かりやすい映画が好きなので、オブリビオンはよう分からんかったな、という感想だったんですが。
・それは「分かりやすい映画」によって作られた価値観を元に、映画を見てしまっていたということに、改めて気付いたという話です。
・なんか映画の話というより、見る側の在り方みたいな話になってしまった。
・なにも、皆さんそうしなさいという話ではないのであしからず。

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