第2回ツーリング〜水沢うどん編
どうも、お久しぶりのJです。
ちょっと前に、クアッドのバイク好きが集うチーム「バイクでどこいく?(仮)」の本年度初回となる宇都宮餃子ツーリングの模様を投稿しましたが、今回は第二回目の活動をご報告します。
1.千葉組、松戸発
メンバーは焦りを感じていた。果たして目的を達することができるのだろうか。出発直後の下道公道は、土曜日の正午を過ぎて混み具合を増していた。目前に見えるマミーマートを出入りする車が我々の進行を妨げているように見える。その先の信号は青になったにも関わらず、わずかに前に進むのみ。6月にしては異例の30℃を超える気温が、我々の焦燥感をさらに掻き立てている。
今回のミッションにはタイムリミットがあるのだ…
チームリーダーましかくの提案により、今回ツーリングの目的は、「本場の水沢うどんを食べること」に決まった。地元民への聞き込みの結果、水沢うどんの本場、群馬伊香保エリアで一番うまいと言われているのが「田丸屋」。しかし、田丸屋の営業時間は15:30まで、人気店にありがちな閉店の早さであった。
しかも「バイクでどこ行く?」のメンバーは常に多忙であった。その中でもリーダーましかくには、決して譲れないタスクがある。それは毎週土曜午前中の「空手」だ。いまだ最強の漢を夢見る彼にとっての最優先事項だ。
メンバーにとってそれは周知の事実であり、ツーリングの出発時刻が12時になることは暗黙の了解であった。
2.社員G、南大沢発
社員Gは焦っていた。メンバーとの集合時間に間に合うのだろうか…
他のメンバーは全員千葉に住んでいるため、南大沢在住の彼は、途中の高坂SAで13時に合流する予定になっていた。
「ちくしょう、思ったより混んでいやがるな、まぁ、でも何とかなるっしょ〜」
彼は自分の想定と異なる道路状況に焦りを感じながらも、沖縄人特有の「なんくるないさー」精神を発揮し、一人気楽に、そしてひたすらに携帯のナビゲーションを信じて走り続けるのだった。
3.千葉組、外環から関越
千葉組の焦燥感は、三郷ICから乗り入れた外環自動車道で概ね解消していた。下道の混雑を抜けてからの道路は、むしろ閑散としており、走りを妨げるものは皆無だった。
「風が気持ちいい〜!」
「やっぱりツーリングは最高ですな!」
「これならうどん間に合いそうだね」
千葉から田丸屋まで、混雑が無ければ14時過ぎくらいを想定しており、現在は約30分遅れ。道路状況から目的の達成を確信して安心したのか、インカム越しに楽しげな言葉が次々に流れる。
当初から心配されていた天候も、ほぼ雨の心配はなく、30℃越えの暑すぎた気温も、走行中はむしろ心地よい。
4.合流地点、高坂SA
予定から30分遅れの13:30、高坂SAに到着したメンバーは社員Gを探した。しかしバイク駐輪スペースに彼の姿は見えない。
とりあえずGを待つ間、「田丸屋」に今日の営業について確認の電話を入れてみる。
「ネットでは15:30と書いてますが、現在は15時が閉店なんです。あと麺が切れ次第終了なのですが、本日はまだ沢山ありますので大丈夫かと。気をつけていらして下さい。」
タイムリミットの繰り上げ、姿が見えない社員G。余裕と思われたミッションの達成に、暗雲が立ち込める…
メンバー全員が再び焦燥感を感じながら、彼の姿を見つけるべく辺りを見回している矢先、LINEにGの着信が…
!?
何故、下道?
状況を飲み込めないメンバー達。
しかし、ましかくは即断。それは「現地集合」だった…
彼の水沢うどんにかける意気込みは熱かった。
5.大事なこと
高坂SAを出発した千葉組の進捗は相変わらず順調だった。このままいけば繰り上げられたタイムリミットの15時にも間に合いそうである。
走行中のインカムから、少し思慮深げな口調で、ましかくがメンバーに問いかける。
「仮にだよ、俺たちが15時に間に合ってだよ、Gが間に合わなかった場合。うどん、どうする?」
「…」
しばらくの沈黙の後、メンバーは決断した。
「食べましょう」
我々の水沢うどんへの思いは、社員Gを見捨てるほどに熱かった。
6.千葉組、田丸屋到着
14:45、田丸屋到着。千葉組は間に合ったのだ。
田丸屋は、まさに老舗、そして名店であることが一目で分かる店構えだった。うどん店というより、高級旅館のような造りだ。
そしてやはり、社員Gは来ていない。
すでに決断していた我々は、迷うことなく入店し、迷うことなく水沢うどんを注文した。うどん以外に厚焼きの卵焼きが売りのようなので、それも注文。
「Gはどの辺かな〜、残念だったね〜」
メンバーは口々にGのことを話すものの、実際はうどんのことで頭がいっぱいである。
7.執念のなせる技
ちょうど全員が注文を終えた頃合いに、社員Gは現れた!まさにリミット数分前だった。
今まで自分のバイクで出したことのないマックス速度を更新して、取り締まりの危険を冒してまで、彼は走りに走ったようだった。
Gの水沢うどんにかける思いもまた、他メンバーに劣らない熱さだったのだ。
8.うどんのち温泉、時々峠
かくして無事にたどり着いた「田丸屋」のうどんは、まさに絶品。コシがあるのに硬過ぎず、もちもちした食感なのにつるりとした喉越し。
合わせて注文したかき揚げと舞茸の天ぷらはぱりっと上がってボリュームも満点!
厚焼きの卵焼きはフワトロな仕上がりに絶妙な甘さがクセになる味わい!またすぐにでも食べたい!
食後は伊香保の温泉に浸かり、疲れを癒した後で、頭文字Dでも有名な榛名山の峠を走る。
ツーリングの醍醐味を全て詰め込んだ、最高の一日となった。
9.最後に
チーム「バイクでどこいく?(仮)」のツーリングはいつも波瀾万丈、なにかが起こる。
次回の事件の主役は果たして…
つぎはどこいく?
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