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薬局外でも可能となったオンライン服薬指導

先月9月30日に厚労省より、オンライン服薬指導に関する規則の改正通知がありました。
https://www.mhlw.go.jp/content/000995230.pdf

「オンライン服薬指導実施要領について」(令和4年9月30 日付け薬生発第 1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

この通知により、薬剤師は薬局内だけでなく、「薬局以外の場所」でもオンライン服薬指導が実施できるようになりました。

国としては以前から”薬剤師の働き方改革”を目標に掲げており、それが今回実現されたことになります。

通知内容をスライドにまとめました。
主に今年3月の通知(令和4年3月31日付け薬生発0331第17号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)からの変更点を掲載しています。

オンライン服薬指導の実施要領

以下は、ワタシ流の解釈です。(間違ってたら教えてください…)

○オンライン服薬指導を行う上での留意点

①プライバシーや個人情報に配慮すれば、自宅や会議室での服薬指導もOK
②調剤が行われる薬局に所属、勤務していること 
③その薬局で調剤に従事する薬剤師と連絡が取れること 
④患者から対面での服薬指導の移行の希望があった場合は、オンライン服薬指導を行った薬剤師 or 他の薬剤師による対応が可能であること

①により、大規模な規制緩和となりました。
自宅での服薬指導中に、家族が部屋に入ってこないようにする等厳重に注意する必要がありますね。

②で気になることは、派遣社員フリーランスがOKかどうかです。

厚労省は「使用関係」があることに言及しており、派遣会社に登録されて複数の薬局に所属されている方については「個別具体的な状況による」と明言を避けています。
つまり、個々で厚労省に照会が必要ですね。

一方、フリーランスは、業務委託に該当し、勤務先の薬局と「使用関係」にはないため不可と思います。
なので、オンライン服薬指導専門のフリーランス薬剤師は認められないのでしょうね。

④は、当然のようですが、かなりのポイントだと個人的に感じました。

患者さんが実際にオンライン服薬指導を受けてみて、通信機器や操作トラブルに見舞われてしまったケースや、対面と異なり十分な指導が受けられなかったケースへの対応と考えます。

そして、③の薬剤師への連絡が取れないことには④に対応できないので、ここの流れはスムーズに理解できます。

ということは、以下の条件下でのオンライン服薬指導は不可となります。
一人薬剤師による薬局以外の場
・薬局が開局していない時間帯

例えば、夜中に急に具合が悪くなったので、ちょっと薬剤師にオンラインで話を聞いてもらいたい…は難しいですね。

24時間開局して、1人は店舗、1人は自宅なら対応できるんでしょうけど…(^^;ブラックスギルヨ
働き方改革とは程遠すぎますね。

○その他留意点

<薬剤の交付>
事前に薬剤情報提供文書等を患者に送付してから服薬指導を実施する
オンライン服薬指導後、当該薬局において当該薬局の薬剤師が調剤した薬剤を、品質を確保した状態で速やかに患者に届けさせること

服薬指導時は、あくまでも薬剤が患者の手元にない状態となります。

主要なオンライン服薬指導システムを確認しても、服薬指導後に薬剤の配送手続きの設定画面が現れるようです。

薬がずっと変わらない方なら特に問題ないとは思いますが、初回は、薬剤到着後のフォローは必要な気がします。

と、なると患者も薬局も結局二度手間になるのでは…?と思ったりもします。

色々懸念点はありますが、今回の法改正により、育児・介護等家庭の事情でご家庭内に入らっしゃる方を中心に活躍の場が増えそうですね。
また、感染症のパンデミック対策としても一石を投じると考えます。

○国の流れはデジタル化

国が進めるオンライン診療・オンライン服薬指導はどこまで拡がるかは、まだまだ未知数です。

利用者側でいうと、地域のインフラや、通信機器の普及、システムの利便性・操作性やサービス料等に左右されますし、薬局側も、診療報酬やシステム、配送コスト、マンパワー等様々な問題があると思います。

何よりもオンラインでできることには限界があります

日本薬剤師会や日本医師会も、「オンライン診療・服薬指導は対面の補完的な位置づけ」としています。

が、国のデジタル化は一歩一歩着実に進んでいると感じましたし、これからもアンテナを張って自分なりに解釈し、発信していきたいと思いました。

最後までご覧いただきありがとうございました‼