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二度と戻れないあの時にタイムスリップ|音楽の薬箱

曲名  True Love(1993年)
アーティスト名  藤井フミヤ
作詞作曲  藤井フミヤ
編曲  佐橋佳幸
効能  大切な想い出をそっと引き出し胸に仕舞うきっかけをくれる

フミヤさんの曲はいつも優しく包み込んでくれてノスタルジーに浸れる。淡い青春時代の想い出をガサツに掻き出すのではなく、ソッと一枚一枚薄皮を剝ぐように丁寧に引き出してくれる。

フミヤさんとの出会いは言わずと知れた「涙のリクエスト」。前髪をひょこっと下ろした可愛いフミヤさんがこれまた可愛いギンガムチェックの派手派手衣装を着て歌っていた。

当時のアイドルからはかけ離れた路線のチェッカーズ。どの曲も覚えやすく、つい口ずさんでしまうようなポップなメロディーライン。友達が大ファンだったのでよく2人で一緒に聴いた。

そんなフミヤさんはこの曲で男女の別れをしっとり描いている。歌詞的には恋愛の歌。でも私は男女問わず大切な人との別れを振り返ることができる曲だと思っている。

それはこの曲が主題歌として使われていたドラマ「あすなろ白書」のストーリと自分の経験が重なってしまうからだと思う。かなりセンセーショナルなストーリだったし、印象に残っている方もいるかもしれない。

私は20代の前半に九州のとある大学付属病院に数ヶ月入院したことがある。その間言葉も何もかも違う知らない人に囲まれて過ごした。親からも離れてたまに大学時代の友達から手紙がきたりする程度。

そんな時にある日大学時代の友達男女3人が泊まりでその病院に遊びに来てくれることになった。当時私は車椅子でしか動けず、みんなに押してもらって近くの河川敷で語り合った。

みんなで病院の敷地内を歩いている風景が妙にこのドラマと重なって脳裏を過ぎる。あすなろ白書も男女仲良しグループの話だったのでより一層そんな気持ちにさせてくれるのかもしれない。

今はその友達とは連絡が取れないし恐らくもう二度と会うことはないと思う。けれどとても大切な想い出だ。そのかけがえのない想い出をキラキラ輝く形で蘇らせてくれるのがこの曲。

ただ引き出してくれるだけでない。その大事な想い出の中に出てくる人との出会いや別れを昇華させてくれる。もう会えないかもしれないけどこれからも元気でね、と。

フミヤさんのアルバムには大切な想い出に寄り添ってくれる曲が多く収録されている。Another Orionもそうだ。チェッカーズ時代の曲も別バージョンで収録されている。

フミヤさん(チェッカーズ)だけでなく昭和の音楽はまだまだ色褪せてはいない。今でもみんなの心の中でいろんな想い出として再生されているのだろう。

#音楽の薬箱

樹立夏さんの企画に参加させていただきます。樹さんはシロクマ文芸部のお仲間です。大事な気持ちを語るきっかけになりました。ありがとうございます!

いつきさんにも
ありがとうございます💕

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春野ましゃこ
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