逢いたい菜 毎週ショートショートnote
今日は婚活アプリで知り合った男性と初めてのデートの日だった。相手の男性が店を予約しときますとのことで私は出かけるだけだった。
やってきた男性は清潔感に溢れ真面目そうでなかなか好感が持てた。
「前菜は何になさいますか」
店員が聞いてきた。メニューを見ると
逢えて良かった菜
残念だ菜
また逢いたい菜
もう懲り懲りだ菜
と意味不明な品名が並んでいる。
「このメニューはどういう意味ですか?」
「婚活アプリで知り合われた方々のデートにうちの店は使われておりまして、この前菜にて第一印象を答えていただくことになっています」
「ああ、そうですか。じゃあ私は逢えて良かった菜でお願いします」
相手の男性はとても真面目そうな優しい眼差しで私を見つめている。向こうも同じように思ってくれていたらいいんだけど。
「かしこまりました。お連れのお方はどうなさいますか?」
そう聞かれると男性は元気よくこう答えた。
「あ、僕は、食べたい菜でお願いします!」
【了】
(410文字)
たらはさん、久しぶりに書けました。ご査収のほどどうぞよろしくお願いいたします。
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