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カズオ・イシグロ「日の名残り」とシビル・ウォー

日の名残り

長女が課題としてカズオイシグロの「わたしを離さないで」を読んでおすすめされKindleの中に昔買った「日の名残り」があることを思い出して手を出してみた。買った時は10ページくらいで断念していたが、読み進めてみると難しいこともなくすっと読むことができた。

レビューとしては、SATOSHIさんの書かれている内容がしっくりくるので、是非ん呼んでいただきたい。

私が一番興味を惹かれたのはイギリスの社会における仕事への意識だった。スティーブンスは「執事」としての雇主を転々としている。

執事になりたての頃は、私も雇主から雇主へ頻繁に移動いたしました。それは、最終的にダーリントン卿に巡り合う幸運に恵まれるまで、そのときどきの地位から永続的な満足を得られなかったからにほかなりません。

カズオ・イシグロ; 土屋 政雄. 日の名残り (ハヤカワepi文庫) (p.141). 早川書房. Kindle 版.

日本で「執事」のような役割で仕事をする場合、「家」もしくは「主人」に仕えるという考えがちではないかと思う。イギリスのように職業としての執事が存在し、スティーブンスが本の中で繰り返し語っているような「偉大な執事」が存在するというのは近年日本のビジネスシーンで言われているジョブ型の職業意識が根底に感じる。そして、文中スティーブンスが語る執事が現代からみると古臭く感じるのは、ジョブ型の職業意識がもたらすものでもあり、世代内における垂直方向への職業転換の難しさを感じざるを得ない。

シビル・ウォー アメリカ最後の日

都合が合わず映画館に行けなかった作品が早くも配信スタート!ということで、喜んでAmazon Primeで配信作品を見ました。レビューなどみると大抵言及されていますが、戦争シーンの音響がよくできているので家のテレビで見たかったのですが、銃殺シーンが多く家族がいる前だとみることができず、結局3日に分けてみることになってしまいました。

Podcastでいくつかレビューを聞いたけど、一番詳しくバックエピソードを紹介してくれていたのがこれでした。

現代のアメリカの分断を描いているというレビューを多く目にしましたが、現代社会において動画で撮影しないとか、SNSが全く描かれないとか、という側面を見るとリアリティを保とうという意識はあまり高くなく、今という時代を批評的に描いた寓話としてみる方がいいのではないかとおもいました。あまり、これを現代アメリカに対する批評として考えるべきではないと思います。

その他見たもの

レオザフットボールさんと原さんの対談、めっちゃよかった。しかし、RB大宮の補強、契約終了の話が全く流れてこない。

買ったもの

来年分をお布施。来年は値上がりない。

先週行田の忍城に行く機会があり、久しぶりに読みたくなったので買いました。いつか読む予定。

この辺りの課題の意識はまだまだ興味が続く。

仕事の検証用に買ったけど、軽いゲーム用端末、風呂用の防水端末としても使うことになりそう。フリマで15000円で買えてめちゃ安い。


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