急性散在性脳脊髄炎(ADEM)に関する情報まとめ
前回は、ADEMで入院してから退院するまでの記録を書いたのですが、入院中いろいろな情報を調べました。担当の先生は非常に詳しく説明してくれる方だったので、自分の症状を観察したり、自分の身体の回復ためにWEBで調べたり、同じ病気の方について情報を集めました。
症状観察/回復
日々の症状のブレに対して、あまりストレスに感じないことが大切だと思います。中枢神経系の損傷は、環境の影響も受けます。身体の状態だったり、気温だったり、気圧だったり、人によっても違います。ある程度の期間におけるトレンドとして改善があれば良い、という視点です。また、気になった点があれば、定期診察の際にドクターに聞けるように、記録をとっておくことをおすすめします。
可塑性
中枢神経が損傷すると、一般には"回復"という現象は起こらない、もしくはかなり難しいと言われています。そのかわり、"可塑"という現象によって、他の神経が役割を変化させ、機能を獲得していくことが起こります。私自身左足が運動完全麻痺に陥った際、機能が再獲得できるかどうかは可塑任せ、という状態でした。現在は可塑によって歩行可能ですが、当時はドクターも予測が不可能でした。
デルマトーム
脊髄の位置と身体の症状の関係を表現した図。ドクターからの症状説明で最初に用いられ、自分の症状を観察するときに使用してました。
その中でもかなり見やすい画像がこちら。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Grant_1962_663.png
ブログ
ADEM、希少疾患なのでかなりブログも少ないですが、以下のブログはかなり詳しく発症当時の状況や回復の状況が描かれています。
せきそん嫁のブログ。普通に検索するとまず見つかるのがこの方のブログで、入院当初、他の方の発症情報などが非常に少なかったので良く見ていました。
haruさんのブログ。こちらはちゃんと検索しないとなかなかヒットしないですが、日々のことをかなり詳しく書かれています。
きゃんさんのブログ
人によって症状が本当に違うのだなということを実感したブログです。
sleeperさんのブログ
コンパクトに発症、入院、退院後の生活についてまとめられており、参考になります。
コミュニティ
mixi
mixiにADEMのコミュニティがあります。こちらの情報はブログよりも人数が多い分バラエティに富み、要点がまとめられていることも多く、かなり参考になりました。会員登録が必要ですが、その価値はあると思います。
薬
主にステロイド投与となる方が多いと思います。ステロイドに関する副作用については調べて、ある程度自分の身体に対して重篤な副作用が発生しているかどうか観察できる状態にしておくことは悪いことではないと思います。
リハビリ
急性期を過ぎると、リハビリを開始される方も多いと思います。私の場合は、急性期の最中にリハビリが開始されました。後から考えると非常に有用な対処方法であったようです。左脚の運動が完全に麻痺した翌日には、左脚のリハビリが始まっていました。また、可塑の仕組みをより理解するため、ニューロリハビリテーションの書籍を読み、モチベーションを上げていました。
リハビリは、総合病院ではドクターとチーム制で理学療法士さんがついてくれると思います。また、退院後はリハビリ病院の担当理学療法士さんが、申し送りに基づいて後を継いでくれました。身体に関することは、小さいことでも伝えると、都度効果的な方法がないか専門家の観点で模索してもらえるため、自己流だけでリハビリをすすめるよりも、理学療法士さんと一緒になって考えたほうが、結果的に良いと思います。
ヘルプマーク
難病や起床疾患、脊髄損傷などで外から見えづらい病気を抱えている方向けに、バッグなどにつけられるマークです。かかりつけの病院などを記載しておくことができるので、万が一のときのためにもっておくのが良いと思います。突然の発作などで、本人に関する情報が無いと、対処が遅れてしまうかもしれない、という不安を減らしてくれるのではないでしょうか。
ADEMを含め、脳脊髄への自己免疫疾患の病気は、再発一つとっても人によって異なるようです。絶対、ということがなかなか言えない病気であり、私自身も心配が無いわけではありません。情報を整理し、万が一の対策を行い、身体の観察を日々丁寧に行うことで、安心して暮らせる方が少しでも多くなることを願います。
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