渡船直売所

[ 言葉の繊維 ]6.ひめしま渡船直売所

オール糸島ロケで製作された

田中美里さん主演の映画「糸」。

糸島半島の岐志漁港にある「ひめしま渡船所」は、
主人公が働く野菜の直売所である。

エキストラとしてここで自分が出演する予定はないが、
少しでも撮影現場を見たい。

そう思った僕は、
まず岐志漁港に向かった。

福岡空港から電車で一本。

約40分で糸島市の筑前前原駅に着き、
カーシェアで海を目指す。

しばらく走り、牡蠣小屋の看板が目立ってきたなと思うと
港に着いた。

駐車場には100台を超える車が止まっていて、
地元の方や、観光客の方で賑わっていた。

手前にちいさな建物がある。

シンプルな外観からは一見、直売所であることはわからないけれど、
撮影スタッフと思われる方たちが集まっている。

きっと、この中だろう。

特に仕切りなどはないので、
少し勇気をだせば近づける感じはある。

役者さんの演技を見たい気持ちが湧き出てきたが、
撮影の邪魔になってはいけないと、
少し離れた場所から様子をみることにした。

台本を持ちながら確認に走るスタッフ。

取材に来たレポーターの方に応対するスタッフ。

周りを気遣いながら撮影するカメラマン。

エキストラで参加した漁港の人たち?に演技指導をするスタッフ。

「ありがとうございました!」

ワンシーンが撮れたのだろう。

その方たちに深々と頭をさげている。

建物の外でも多くのスタッフが、
進行に関わっていた。

そのとき、外国の観光客の方たちが直売所に近づいていった。

僕は当事者でもないのだけれど、
中で行われている撮影が止まってしまうのではとハラハラした。

スタッフと会話したのか、
その方たちは笑顔で通りすぎていった。

僕はまだ誰もスタッフを知らない。

だけど、現場の緊張感を想像すると、
笑顔のまま通りすぎていかれたことにほっとした。

大勢が通る場所で、
人の流れを整理するのも相当大変だろう。

そう自分に言い訳して、その場から離れた。

実は、漂ってくる牡蠣小屋からの誘惑に負けそうになっていたのだ。

#ひめしま渡船直売所 #映画糸 #田中美里さん


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