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「海業」ずくしの2週間
日本の漁師は減っている。例えば秋田県の漁業就業者は、平成30年度時点で773人と、20年で半数に減った。そして船も減った。大きな予算を投じて整備された漁港に、わずか数隻の船があるだけ。そんな港も増えている。
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魚も減り、漁師も減り、船も減る。とはいえ一次産業の価値というのは、そこでとれる生産物が全てってわけじゃない。
地域で過ごし、体験する、釣りや漁業体験、浜でバーベキュー、そんな体験価値を通じて漁村や漁港の活性化をはかるというのが、海業だ。
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そんな海業で、地域活性化したい。そんな人達と、ここ2週間一緒に仕事をしていた。
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11月初旬に開催したのは、『三陸シーフードの調理&体験教室 in 山田町』。
岩手県山田町で、牡蠣漁師の養殖現場を漁船にのせてもらって見学したり、牡蠣むきを体験したり、料理教室したり、盛りだくさんのツアーを企画した。
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三陸の海に関わって13年。思えば私がやってきたことの多くが、今でいう「海業」なんだと思う。2013年に東北食べる通信を創刊し、それから漁村で何度も何度もイベントやツアーをやってきた。
海業だ!っといわれて、正直、「いまさら」と思う部分もあるんだけど、もしかしたら、世の中がついてきたってことなのかもしれない。
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そして先週は、海業の先進地、和歌山県太地漁協から、海業のパイオニアといえる方にアドバイザーとしてお越しいただいて、山田町、大槌町をまわって海業の可能性を関係者と議論した。
その後、青森県八戸市へ行って、今度は定置網漁船を取材。
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青森では、とんがった漁師とプロデューサーの7人ユニット、青森ウォーズの皆さんと海業の可能性を開拓していくことになった。
漁業や漁村の生活。自分にとっては「日常」になっちゃってる面もある。だけどこうしてツアーを受け入れて、参加者に喜んでいただいているのを見ると、改めて、漁村は都会人にとっては驚異と発見、感動のワンダーランドなんだ!って、ことを教えてもらう機会になります。
今後はもっと前向きに、岩手・青森で海業の可能性を開拓してこうと思います。お楽しみに。