わたくしごとですが、このたび家を出ることにしました。
あけましておめでとうございます。阿部です。
このnoteは主に僕のことを知っているみなさんに向けてのメッセージです。早速ですが、このたびGMOペパボを退職することになりました。退職日は2月末で昨年末の社員旅行が最終出社日でした。
2006年の入社から約14年。時間の長さがなせることなのか、ペパボはもはや「会社」ではなく「家」のような場所であり、大好きな人たちがいる家から家へと移動するような感覚で過ごしていました。
2006年といえば、ソフトバンクがボーダフォンを、GoogleがYouTubeを買収するなど、今に繋がる大きな波が立った年でした。社会人経験もなくブラインドタッチもままならずに「寿司タイピング」にお世話になっていたような僕が様々な事にチャレンジさせてもらえたのは、インターネットと新しいことが大好きで、あらゆることを面白がれる人たちがペパボという場所に集まっていたからです。
「面白いね。」といって入社させてくれた先代の家入さん、「やりたいようにやればいいよ。」といって見守ってくれたケンタロさん、人生の転機には、いつもお二人の言葉がありました。本当に感謝しかありません。
ペパボでのこれまでについては改めて書こうと思いますが、印象的な出来事を一つ挙げるとすれば、やっぱり「minne」のことです。
2011年、スティーブ・ジョブズの訃報が世界中を駆け巡ったその年に、一人で考えはじめたインターネットサービスは、80名を超えるメンバーが支えるまでになりました。(Appleとも仕事することができたよ、スティーブ!)
また、優秀な仲間たちが全力で仕事に向き合い、小さな改善から大きなイベントまで様々なチャレンジをしてきたこと、日々利用してくださる皆さんがサービスを愛し支持してくださったことで、1,000万人を超える方に利用されるサービスへと成長しました。
素晴らしいアイデアと技術でモノを生み出し続けている作り手のみなさんからは、悩み苦しみながらも自分の理想を探してチャレンジしていく姿勢にたくさんの勇気をもらいました。
みなさんと出会い、夢を語り、喜びを共有できたことは、何ものにも代えがたい貴重な時間でした。
では、なぜ辞めるのか。
2018年の終りに個々の強みを活かすことを目的として二人三脚でやってきた副部長の新井と部長である僕の役割を交代する事を決めました。その後、自分と向き合う中で、大切にしていきたいことを再確認すると同時にいつの間にか思考も行動も自分で作った枠に縛られ制限をかけていたことに気づきました。自分の内側から湧き出る思いを軸にして、挑戦する姿が薄くなっていたのです。
その気づきは、次を考える時がきていることを予感させました。様々な経験をしてきた今だからこそ、新しい環境やチャレンジが必要なのかもしれない、と。
そして「minne」としても体制が整った去年の秋、ペパボと自らが生み出したサービスから離れることを決めました。僕のペパボでの仕事は終わりますが、僕の仲間、特に「minne」に携わるメンバーは、モノづくりや作る人が大好きでサービスを大切にしてくれる人たちです。そんな信頼できる仲間たちが「minne」を、そしてペパボをさらに大きく飛躍させてくれることを確信しています。
さて、僕はこれから何をしていくのか。随分と一つのことに夢中になっていたものですから、正直なところまだ決めきれていません。小さな驚きや心地よさを提供すること、笑顔になる仕組みや価値を生み出すこと、思想や哲学を示すこと。大切にしているいくつかのキーワードから、何を中心にどんな風に実現していきたいのか、これからもう少しだけ考えます。
これまでご一緒いただいたみなさま、本当にありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくお願いします。僕に何か出来ることがあれば、 facebook か twitter までいつでもご連絡ください。
ありがとう、みんな。
ありがとう、ペパボ。
では、行ってきます。