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排他的経済水域(EEZ)

ある国が海に面しているところ(基線)から、最大200海里までの海が、その国の排他的経済水域(EEZ, Exclusive Economic Zone)です。国連海洋法条約で定められています。

排他的経済水域と領海の関係

1海里=1852メートルなので、最大約370キロまでの海を、自国の排他的経済水域とすることができます。これは、四国や九州がすっぽり入るような大きさです。そのため日本の排他的経済水域は結構な大きさになります。

海上保安庁「日本の領海等概念図」

国連海洋法条約によると、排他的経済水域を持つ国(沿岸国)は、そこで以下のことができます。

1 資源の探査・開発・保存・管理のための主権的権利
これは簡単にいうと、海域内の水産資源を利用する漁業を行う権利や、海底資源などの開発を行う権利などです。

2 人工島などの施設の設置・利用、海洋の科学的調査、海洋環境の保護・保全など

ある国の排他的経済水域のなかで、他の国が、上のようなことを勝手に行ってはいけません

一方、国連海洋法条約では、
海域の船の航行、上空飛行の自由
海底電線、海底パイプラインの施設の自由
などは、ある国の排他的経済水域のなかであっても、他の国の権利として認めています(もっとも、沿岸国に考慮するようにという規定はあります)。排他的経済水域は、領海と同じように、国家の領土(領域)の完全なる一部とされているわけではありません。

北朝鮮が発射した弾道ミサイルの落下地点が、日本の排他的経済水域に入っているかどうかが問題になることがあります。ここに日本の漁船などが多数いることは当然予想されるため、安全面からも、通告なしに発射することは問題です。もっとも、北朝鮮は弾道ミサイル発射自体を止めるよう国連から求められているわけですから、これは排他的経済水域に入っているかどうか以前の問題といえます。

竹島付近の日本の排他的経済水域での、韓国による海洋調査などは、明確に国連海洋法条約に違反した行為といえます。もっとも、竹島は日韓両国間で領有をめぐる問題があります。とはいえ、1998年に制定された日韓漁業協定で両国合意のもと、現在の排他的経済水域が設定されているわけですから、竹島の領有問題に関わらず、許容される行為とはいえません。

海洋は人類共通の財産です。海洋の有効活用や保全のためにも、こうした国際法規を各国がしっかり守っていくことは重要なことといえます。単に一国が特定海域を独占するためだけに、このような決まりがあるわけではないことを、知っておきたいところです。

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