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未成年取消権

未成年取消権とは

未成年者は年齢の低さからくる未熟さによって一律に「制限能力者」とされ、「法律行為」つまり契約などをするときには「法定代理人」の同意が必要とされています(民法第5条1項)。

法定代理人は、通常は親権者(親)です。親権者がいない場合は未成年後見人がなります。未成年後見人は原則として親権者の遺言によって指定されるか、家庭裁判所によって選任されます(民法第839条、第840条)。

法定代理人の同意のない契約は取り消すことができます(民法第5条2項)。これがいわゆる「未成年取消権」です。ただし、お小遣いなど、「このために使っていいよ」あるいは「好きに使っていいよ」というお金による取引などを取り消すことはできません(民法第5条3項)。

契約の取り消しは、法定代理人だけでなく本人も行うことができます(民法第102条)。

法改正から施行までの長い期間

2018年6月13日、国会による民法改正によって成年年齢が20歳から18歳に引き下げることが決定しました。重大な改正のため、約3年10ヶ月の周知期間を経て、2022年4月1日からの施行とされました。

同時に22の法律(児童福祉法、国籍法、公職選挙法、性同一性障害特例法など)が改正されました。また遅れて2021年5月21日、少年法も改正され、民法改正と同日から施行されることになりました。この法律では、18・19歳で罪を犯した少年を「特定少年」と位置づけ、成年者の扱いに近づける(実名報道なども場合によっては行う)ことになりました。

また、これによって学習指導要領も変更され、「現代社会」に代えて「公共」という科目が新設、高校3年生のときから成年を迎える生徒のことを配慮した内容になりました。

このように、法律改正から施行まで、それなりの長い期間があり、その後も様々な制度改正や対応があったにもかかわらず、施行前後になって急に「他変だ!」「おかしい!」という声があがり始めたのは、正直なところビックリしています。

もちろん、改正法に「抜け道」「穴」が見つかったのであれば、至急改善すべきであって、その動きそのものを否定するつもりはありません。ただ、もう少し早く気がついてほしいところだった、というのが率直な感想です。

法改正を大きく報じなかったマスメディア、政治に関心を寄せずエンタメ情報ばかり気にする国民、どちらにも問題があったのでしょう。かくいう私も、今はこういう手段があるのに何も訴えてこなかったのですから、そこについては反省するところです。

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