仕事の楽しさと責任は両立するか?1/食とまなびのブログ
雑貨屋さんでアルバイトを始めた女性がいた。
『あなたに会いに来た』『あなたから買いたい』と言われ、接客の楽しさを知った。
仕事が楽しくて仕方がないと言っていた。
楽しみながら好きで仕事をしていれば、イヤイヤやるより百万倍力が出るのは当然。
もちろん、結果がついてきた。
そうなると、社内(組織)から信頼されるようになる。
そもそも真面目な人なので、その信頼にも一つ一つ応えていった。
スパイラルは周り、彼女は会社が掲げる課題や目標を把握し、それを意識し行動するようにまでなった。
店長からも売上ノルマへの言及が彼女に対して発せられる。社員にならないか?とも誘われた。
店の売上目標を達成しなくてはいけないと考え出た彼女は、他のスタッフの足りない個人ノルマ分までをも自分で責任を感じ背負うようになった。
そして、
ある日、仕事が楽しくなくなっていることに気づく。
あれ?こんなはずじゃなかったのに。
あんなに働くのが楽しかったのに…。
この流れ。
多くの人が通る道ではないだろうか。
そして、多くの組織がここで仕事をつまらないものと認識させてしまうのではないか。
そして現在、ここの店長(会社)さんのアプローチを伝え聞いている限り、彼女の悩みは今後解決するどころかあまりポジティブな方向には向かわないように感じる。
さて、この流れを考察してみたい。
●まず、そもそも彼女はなぜ仕事が楽しいと感じたのか。
それは居場所と出番を見つけたからに他ならないだろう。
お客さんから感謝される、それにともない、店長(会社)から評価される。
貢献感がものすごく感じられる環境となる。
(物販や飲食などの店舗職はこれが麻薬のようにハマる要因)
●では、なぜお客さんは彼女に感謝したのか。
それは彼女が物を売ったのではなく、好みのものを選んであげたのでもない。
お客さんの関心に関心を向けて、共感したからである。
結果的にお客さんの求めるものは本当の意味で見つかり、物は売れ、売上が上がった。
彼女にとっては自然の取り組みだったかもしれないが、結果的に素晴らしいホスピタリティということになる。
物は一緒なわけだから、誰から買っても同じはずなのに、彼女から買いたいとなるわけだ。
●何がズレてきたのかは上記の逆ということになる。
彼女はいつしか物を売るようになった、売上を求めるようになったのだろう。
それがときには押し売りに近い感覚を覚え、その出番に対して居心地が悪くなってきたということか。
●では、なぜ彼女は売上を求めるようになったのか。
それは単純。
店長(会社)が彼女に売上を求めてしまったからだ。
そして、少しずつズレていく。
●では、店長(会社)はスタッフに売上を求めてはいけないのだろうか?
これは多くの店長さんが感じる疑問です。
パートアルバイトには売上や責任を求めない方がよいのではないでしょうか?どこまで求めてもいいものでしょうか?と。
先日もある店長さんがこう言っていました。
「アルバイトには楽しく仕事してもらうだけでいいと思ってるんで、責任とかノルマとかは作らないようにしています!」
この言葉が本当によく表していますが、この店長さん自身が責任やノルマは楽しくないものだという認識があるのですね。
その楽しくない責任やノルマは社員が担うものだと。
社員だったら楽しくないものでもやらなくてはいけないと。
そういう認識をしているのであれば、当然パートアルバイトの方々に責任やノルマは課せられないですよね。
社員ならいいのか?と疑問が消えませんが。
長くなるので、続きます。
感謝します。