企業研修がもたらすもの3/食とまなびのブログ
続きです。
ある企業の新人(1年目から3年目)の研修を実施した。
テーマはコミュニケーション。
受講者は若く、シャイな人も多いので、話すことがとにかく苦手だという。
カリキュラムを試行錯誤し、分かりやすく、楽しく、アウトプットの多い内容にした。
受講者タイプによってデザインとデリバリは変えている。詳細は以下リンクへ
研修は大成功に終わった。
最初の自己紹介のクオリティと最後のスピーチのクオリティはまるで別人で、研修の内容をそれぞれが活用して、話す方法を変化させ、伝える力はあきらかに向上していた。
オブザーバーの皆さんも驚きを隠せていなかった。
大成功だと思った。
しかし、後片付けをした後、提出されたアクションプランを読んで驚愕した。
私は、複数回実施する予定の研修の場合は特に、毎回必ずアクションプランを組み立ててもらっている。
研修を受けて、実務にどう活かしていくのか?を決めてもらうのだ。
あれだけ研修の内容を活かして話が出来ていた受講者のアクションプランは、まるで具体的なことが書かれておらず。もしくは、コミュニケーションと全く関係の無いものであったりと、的を得ないものばかり。
これはどういうことなのか?不思議な気持ちになった。
あれだけ研修内容を理解しスピーチに活かすことが出来ていたのに、アクションプランにはそれが書かれていない。
ここにあるギャップは何なのか?
このアクションプランについては、以前の記事でも書いたが、今までも工夫をしてきた。具体的で実行可能で少し背伸びが必要なレベルのアクションプランを作ってもらうためにはどうすればよいのか。
具体的に書いてくださいねというアナウンスはもちろん。
例えば、こういう感じですよ、という事例出し。
5W1Hや検証方法や達成基準は何ですか?などというフレーム出しなどなど。
しかし、今回のアクションプランを見て気づいたことがある。
それは、受講者がそもそも学びを言語化出来ていないのだということ。
うーん、盲点だった。そうかー。
研修の中で学んだことを整理し、言語化させることが出来ていなければ、それを受けてのアクションプランは的を得ないのが当たり前となる。
“やってみる”ということは出来ても、それを論理的に理解はしていなかったということか。
今後の私の研修業務においての課題が1つ増えた。
・学びを整理し言語化させるプロセスを研修の中にデザインしておくこと。
例えば、今日の学びを箇条書きで書き出して下さいとか、書き出した後にシェアして学びの整理をしてみましょう的なことだろう。
それを見ながら、アクションプランを作ってもらえば行動にその言葉が入ってくるに違いない。
これをあるタイプの受講者層には丁寧に丁寧に実施することが重要ということになる。
いやー、勉強になった。
受講者が学びの言語化が出来ていなければ、アクションにつながらないのはもちろんのこと、思い出すことが出来ないので継続も出来ない(なんとなく覚えている期間しか実行しない)ということになる。
感謝します。