オペレーターが JaGra認定DTPオペレーション技能テスト を受けてみた
DTPオペレーターのまさゆきです。
DTPの資格は何個かありますが最近できた物として「JaGra認定DTPオペレーション技能テスト」があります。
実際に受けて合格したので感想などをレビューしていきます。
技能テストとは
一般社団法人日本グラフィックサービス工業会(略称:ジャグラ、JaGra)が行うJaGra認定DTPオペレーション技能テストは、DTPの技能レベルを数値化することで今後強化すべきポイントを把握することができるテストです。テスト科目にはIllustratorとInDesignの2つがあり、私はInDesignを受験しました。
なので資格というよりも、現状の技術レベルを把握し改善を行う事が目的です。
受験資格
制約はありませんが、業務経験2年以上のDTPオペレーターをターゲットにされています。
指示書や校正(朱入れ)を元にAdobe InDesignを使ってDTPを行えるレベルのオペーレーターがターゲットともいえるでしょう。
普段からDTPを行っている人なら普段の実務とあまり変わらないと感じるかもしれません。
難易度・合格ライン
個人的には実務経験3年以上の中堅オペレーターなら合格できるでしょう。
問題の中には「DTPがそこまで制作していいのか?」と判断に迷う箇所があります。指示どおりに制作するにはもちろん、臨機応変に現場判断が行えるといいでしょう。
デザイナーや実務経験のない人にとっては難易度は高いと言えます。指示書や校正(朱入れ)を読み解く能力が求められるので慣れておくといいでしょう。逆にいえば実務で必要な知識が身につくのでおすすめです。
私が受けた際の合格のラインは7割です。合格率は4割程度でした。プロが集まって4割の合格率だと難しい部類だと思われますが、実務経験値の多さが合格に直結するでしょう。
試験内容
年度によって違うようですが実技試験が3~4問出題されます。48頁の小冊子のうち5頁分を作る、といった実務と非常に近い内容です。
私が受験した時は「書籍」「マニュアル冊子」「チラシ」「雑誌」を制作しました。
採点のポイント・得点を上げる方法
指示通り制作できているか
Adobe InDesignを使えるか
効率的なデータか
実務を想定しているか
指示通り制作できているか
大前提として出題者の指示通り制作できているか採点されます。正確に作れていたり、校正記号で書かれた修正を反映できていれば得点になります。
「今は二回目の校正で三回目でも修正が入りそうだ」といったシチュエーションを想定して修正に強いデータを作れているか、といった実務を想定できると得点が伸びます。
Adobe InDesignを使えるか
文字関連だとテキストフレームとグリッドフレームの違い、文字・段落スタイルを適切に設定できているか、といった基本的な操作+実務での運用を想定して採点されます。
さらにデータ結合といった大量のデータを処理するバリアブルの知識も必要です。InDesignの基礎はもちろん、実務としてその機能を使えるか?といった応用力が重要です。
効率的なデータか
マスターページやスタイルの適用、それらのオーバーライドを使った効率化。正規表現を使ったり各機能を組み合わせているか…といったどれだけ工数を減らしているかも採点されます。
指示通り仕上がればいいというデータは低く採点される傾向です。繰り返しの作業を行う際は他の方法はないかと別の手段を探すといいでしょう。効率化する事で点数が稼げます。
他人を想定しているか
DTPは多くの人が関わります。他人が触っても修正が容易か、逆に他人が作ったデータを編集できるかといった点もポイントです。
マージンが適切かといった、印刷結果に影響しないが実務なら設定しておくべき部分も細かく採点されます。
難しい問題、注意したいポイント
難しかったのは指示通り作ったら頁数が増えてしまうという状況です。実務では台割という、何頁目に何を作るといった設計図があります。設計図どおりに制作しないと他の頁に影響が出てしまうので、頁を増やすといった変更は容易にできません。
実務なら顧客にどうするか聞けますが試験なので質問できません。問題が間違っているのか自分が間違っているのか疑心暗鬼になりましたが、問題の指示通りに制作して問題ありませんでした。
InDesignがデフォルトで使える機能は使える前提です。その中でもデータ結合の機能は慣れていないと難しいです。
データ結合はテキストデータを流し込める機能です。例えばカタログの商品情報は同じレイアウトで情報が違う=バリアブルな内容が多いです。そういったレイアウトにテキストなどを一括で反映できる機能です。
わかりやすいサイトがあったので紹介します。
受験について
メリット
詳細に採点される
技術力を証明できる
認定時の特典
詳細に採点される
採点箇所が明記され、回答が合っていたかどうかまで分かります。自信のスキルがどの程度で、何ができていないかハッキリ分かります。なのでテストの結果を復習すれば効率的に技術を習得できます。
技術力を証明できる
運営しているJaGraは印刷業界では有名でスキルを証明してくれます。スキルを証明しにくいDTP分野では貴重な機会です。
認定時の特典
認定を受けると認定ロゴを使え「JaGra認定DTPオペレーター」と名乗れるので少し箔が付きますね。
名刺などに使えるので肩書が何も無いよりかはカッコいい…のかもしれません。
受験料
一般料金だと10,000万円と一般的な価格です。
試験日
年1回の開催なので受験できる機会はあまりありません。開催されるまでInDesignの機能を使いこなしましょう。
提出期間
受験に必要なデータをダウンロードしてから提出するまで1ヶ月程度あります。効率的に作る必要はありますが、実際の作業スピードは問われないのでじっくり解いて提出しましょう。
作業量自体は土日あれば制作できるのではないでしょうか。
まとめ
JaGra認定DTPオペレーション技能テストは、DTPスキルを再確認できるすごくいい内容です。DTPに携わる方ならぜひ受験しスキルを磨きましょう。
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