No.8 「資産形成」の考え方
ここで「資産」というものについて考えておきたいと思います。
「資産形成」「資産運用」「資産保全」とか言いますが、「資産形成」とはこれから資産を作ろう、より多くの財産を築こう、より多くの金融資産を持とうということです。
つまり、今は資産を僅かしか持っていないか、ほとんどないという状態の人がこれから一定の時間を掛けて挑む段階が「資産形成」です。
そして、「資産」という言葉ですが、これはその物から利息や配当などが得られるもの、株式、債券、不動産などがこれにあたります。
ちなみに「金」はどうか?
「金」は保有しているだけでは利息も配当も何も生みません。あくまで需要と供給面からだけで価格が決まるものです。大豆やコーンや石油などと一緒です。こうゆうものを「コモディティ」「商品」といいます。ですから「金」は資産ではありません。
下の表グラフをご覧ください。
この1802年からのおよそ200年間での株式、債券、短期国債のリターン(利益率)を見ても、数年なら株式の価格のブレは大きいが、10年以上保有していれば債権よりも最低値が高く、最高値も債券などより3~4%上回っている。20年以上も保有していれば株式は最低値が1~2%でマイナスになっていないが、債券や国債は最低値がマイナスのケースもあった。
このことからも、20年、30年タームの資産形成は「株式」、中でも「世界株式」、その中でも先進国中で唯一、人口が2050年も2100年も増え続ける見通しのアメリカ、2020年10月時点の世界株式時価総額ランキングの上位50社中33社を占めるアメリカ企業で行うのが最善でしょう。ちなみに日本の会社でランキング入りしているのは一社だけ、49位のトヨタ自動車です。
代表的米国株式指標〈S&P500〉のインデックスファンドのようなアメリカ株式の投資信託だけに何も考えずに収入の20%を積み立てていくのが結局は一番堅実な方法と言えるのではないでしょうか?
今、20代、30代の方が将来の「資産形成」を行うにはこれが最もラクでカタい方法と言えます。
つづく