『七つの会議』/本当の“ノルマ”とは。
『半沢直樹』『下町ロケット』などでおなじみの池井戸潤原作の映像化。
2013年にTVドラマ化、2019年に映画化された作品。
原作もTVドラマも知らない状態で映画を見た感想です。
悪しき企業体質に一石を投じる
大きな組織になればなるほど、本質的な活動ではなく組織内でのポジション争いになんかに明け暮れることがある。
大きな会社に勤めていれば
「こんなヤツいるいる!」
って共感できることが多い内容かも。
日本に古くからある企業体質に一石を投じる作品。
今じゃ確実にパワハラ
上司の北川(香川照之)からノルマ未達を強く叱責される原島(及川光博)。
強い圧力で、途方も無い目標を掲げさせれられる。
昔じゃよくあった光景だろう。
でもまだその頃のやり方を通そうとする昭和のおじさん達が多いのも事実。
過剰な責任感は危険
でもこういった厳しい追求の元で、責任感の強い有能なリーダーが不正を起こすケースも多い。
一見パーフェクトな仕事をしているように見えた、坂戸(片岡愛之助)もその一人。
身の回りでも、”責任感強すぎてやっちゃう”パターンは多かった。
ぐうたら社員の正体
一方、誰もがぐうたら社員と思っていた八角(野村萬斎)。
強い正義感を持ち、社会に誠実に向き合おうとした彼は上層部の大きな権力に潰されるが、組織の闇を暴き、社会から危険を取り除こうと独自の活動をすすめる。
ぐうたらを装いながらも、水面下では正義の行動を起こしていたことが解ったとき、八角の強さやこれまでの苦労が一気に流れ込んできたように感じ、熱くなった。
こういう映画はこのタイプの人がこうなるだろとある程度解っていながらも、そこはやはり八角のキャラの魅力や野村萬斎の演技力もあり、ゾクッとするものがある。
目が覚めたパワハラ部長
長い間、上層部から重いノルマを与えられ、自分も同じ様に部下に厳しいノルマを課していた北川が反旗を翻し、正義の行動をする八角の後押しをする。
このときの二人のやり取りがクライマックス。
経営理念や社会への貢献を大切にし、道を逸れることなく仕事に励もう!
管理職に観てほしい作品
毎日、目の前の仕事だけを見ている、与えられたミッションをこなすことが目的になっているビジネスマンに観てほしい。
我が社は何のために存在しているのか、社会にどんな価値を与えたいのか。
自分は何のためにこの会社で働いているのか、何を実現したいのか。
この作品を通して、改めて確認する機会になればと思う。