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2024年12月26日(木)「醗酵飲料(日本酒)・みむろ杉」

今日の東京は快晴。
朝方の最低気温は1℃、日中の最高気温は15℃超。流石にこの気温だと、日中は暖かかったですね。
今日からは二十四節気・冬至の次項、七十二候の「麋角解(さわしかのつのおつる)」(大鹿の角が落ちる時季)となります。ニホンジカの角が生え変わる時季は春なので、この大鹿ってのは中国にいる別種のシカ「四不像」(si4 bu2 xiang4:すぅぶしゃん…絶滅寸前の模様)のコトらしいんですね。さて、

昨日は「開業準備・食品衛生責任者資格」についてお届けしましたが、本日は「醗酵飲料(日本酒)・みむろ杉」についてお伝えして行きたいと思います(冒頭写真は今年11月にはせがわ酒店で仕入れた「みむろ杉 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒」)。

みむろ杉。
割と最近出て来た(と言うか有名になった)日本酒のブランドでは無いかと思います(世間一般に知れ渡るようになったのはココ数年でしょうかね)。そもそもは奈良の今西酒造さんが造るお酒で、この今西酒造さんの創業は1660年(万治三年)と言うのだから可也老舗の酒蔵であると言えましょう。
ただ、現当主である今西将之さん(十四代目)の前迄は長い伝統を持つ蔵ではあったものの、あまり旨くない普通酒を造る蔵で、且つ多角化し過ぎて完全赤字体質のダメダメな状況だったようです(連続債務超過で廃業直前!)。十三代目の急逝により、同志社大学→リクルートでサラリーマンとして勤めてた十四代目が(酒蔵の子弟は醸造学の名門の東京農大に行くコトが多いのですが)、酒造りに関する知識と経験は殆ど何も無く2011年当時28歳で会社を引き継ぐコトに。はせがわ酒店の助言を受けつつ(!)苦心惨憺して酒質の良い酒造りに邁進、リクルート勤務時代の経験も活かしつつ、綿密な研究と計画作り、ソレに手間暇を掛けた酒造りにより、今の時代にマッチした売れる酒を造るコトが出来るようになった、と言うコトのようです。はせがわ酒店さんには結構この手の話が多く、彼らに見出されてヒット酒蔵となったトコロは多いですよね。先見性があるからなのか、或いはその助言が時代にマッチしていたからなのか、はたまた売り方がお上手なのか。

ソレにこの今西酒造さんはバックに抱える歴史や立ち位置にストーリー性があるのも、良いですね。そもそも、この今西酒造がある奈良の桜井市三輪ってトコロは「日本酒造り発祥の地」とも言われてて(三輪素麺発祥の地でもありますが)、ココの酒蔵の近くには酒造りの神様で、杉玉発祥の地でもある「大神(おおみわ)神社」があり、さらに日本で唯一の杜氏の神を祀る活日(いくひ)神社もあるのだとか。そんな環境下にあって、この地で唯一の酒蔵となってしまった今西酒造さんがマズい酒を造るワケには行きませんよねぇ。
因みに、大神神社のご神体でもある三輪山は、別名を三諸山(みむろやま)とも言われており、また杉には神様が宿ると言われいる為、今西酒造では創業当時から「三諸杉」(みむろすぎ)と言う銘柄を造り続けているのだとか。

と言うコトで、はせがわ酒店さんの強力バックアップもあり(当然、ご本人達の努力が一番ですが)、佳い酒を世に送り出すコトが出来るようになった、と言うコトです(だから、冒頭に書いたように最近世に出て来た感があったのですね)。

そんな今西酒造さんの主なラインナップは地元流通商品である「三諸杉」と、十四代目になってから全国展開(但し、特約店限定)をする「みむろ杉」の2つの銘柄があります。
でまぁ、今回は「みむろ杉」の方に焦点を当てているのでコチラの話をすると、概してこのシリーズの特徴としては、穏やかな香りとフレッシュでお米の旨みが広がるキレイなタイプが多いコト。今回、東京駅地下グランスタに入っているはせがわ酒店さんで買った冒頭写真の「みむろ杉 純米吟醸 山田錦」もご多分に漏れず、フレッシュでお米の旨味のあるキレイなお酒でした(特に今回の場合は新酒であった為、よりフレッシュさがあったように思えました)。

若手が頑張ってる蔵なので、今後も応援して行きたいですね。
明日はいよいよ本年最後の更新としますので、「2024年の振り返り(反省?)」について書いて行きたいと思います。

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