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9月20日(水)「未利用魚・ソトイワシ」

今日の豊田は晴れ、時々曇り。
最低気温は24℃、最高気温は31℃。
今日は秋の彼岸。「暑さ寒さも彼岸まで」と言う位なので、この暑さも今日を境に段々と低下して行き、本格的な秋が到来してくれると良いのですが。さて、

昨日は「醗酵食品・岐阜の鮎のなれずし」について書いて行きましたが、今日はこの間の西浦鮮魚マーケットのパトロール時に初めて見た「未利用魚・ソトイワシ」について書いて行きたいと思います。

ソトイワシ。
知らないですよねぇ、そんなサカナ。でも、もしかしたら釣り人、特に海のフライフィッシングをやるヒトならばご存知な可能性は高いのではないかと思います。英語名は「Bonefish」(ボーンフィッシュ)。主としてクリスマス島キリバス)やハワイ、カリブ海地域、沖縄なんかのサンゴ礁等の浅瀬にも棲息していて、その強烈なファイトからフライマンを魅了して已まないおサカナなんですよね。
ソトイワシはソトイワシ目ソトイワシ亜科ソトイワシ科に属する魚であり、イワシと言う名はついているものの、マイワシカタクチイワシ等のニシン目ニシン亜目に属するグループとは異なるおサカナなのであります。
見てくれも、ドチラかと言えばイワシと言うよりもニゴイボラ(いや、コレはチョット違うか)に近いようにも見受けられますよね。
このサカナは上述の通り、熱帯や亜熱帯に棲息する魚なので、フツーならばこの近辺ではあまり獲れない魚なのだと思います(だからこの辺の市場には殆ど出回らない)。だから、市場で発見した時には多少迷ったものの(既にコレを見付けていた時点で買い過ぎていたので(汗))、後悔するとイヤなので、思わず購入してしまったと言う次第。

捌いてみると…。
ウロコはびっしりしてて、確りとした魚体ではあるのですが、3枚におろしてみると、身がふにゃふにゃ。ふにゃふにゃと言うよりも、ぐずぐず、かな。ゼリー状と迄は言わないまでも、ぶにょぶにょ。そして、イワシやニシン等のように背骨の上側に小骨が沢山。なるほど、コレがソトイワシに市場価値がなく、市場にあっても敬遠される理由か、と捌くだけで納得(笑)。
コレで思い出したのが、ターポン(アトランティック・ターポン)。嘗て文豪で釣り人でもある開高健が世界各地の大物を釣り歩いた時の様子をルポした「オーパ、オーパ!!」シリーズで、辻調理師専門学校のオールマイティ料理人である谷口教授を隊のメンバーに加え、釣るだけでなく、釣った魚を和・洋・中様々な調理をして食う、と言うモノがありました。そのコスタリカ編では、見事マンサイズのターポンを釣り上げるコトに成功したワケなのですが、いざ(谷口教授に)調理して貰ってみると、身がグズグズで煮ても焼いても食えず、辛うじてすり身にしてネギ、ショウガを加え、赤味噌・粉山椒をたっぷりと塗してフライにしたものが何とか食えた、と言う結末であったやに記憶します(手許に当該書籍なく、記憶で書いててスミマセン)。
多分、このソトイワシについてもターポンと同じようなモノだと思われます。調理方法として最適なのは、色んな薬味・調味料を入れてつみれ的な料理にしてしまうコト、なのだろうと思います。

が、意外や意外。実は今回は刺身の他に、切り身をフライと塩焼にしたのですが、(ココはターポンとはチョット違うトコロなのかな?)割とイケました。
火を入れれば、身は割と硬くなって、旨味は少ない身ではあるものの、マズマズのレベルでは食うコトは出来ました(積極的に買いに走ろうとは思いませんが)。

と言うコトで、関東近辺でソトイワシを見掛けるコトがあったとしても、特別注文が無い限り(笑)、お店では提供するコトはないと思うので、ご安心を。

明日は「有害鳥獣・ハクビシン」についてお伝えする予定です。


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