見出し画像

2024年3月6日(水)「未利用魚・ヒメ」

今日の豊田は朝方小雨、のち曇り、夕方に晴れ。
朝方の最低気温は6℃台、日中の最高気温は14℃近く。
今日の午後に東京に戻りましたが、東京の日中の最高気温は9℃弱と、アチラよりちょっと気温は低めなんですね。でも、週末に掛けても最低気温は0℃近くとまだ暖かくなって行く兆しが見えませんですねぇ。さて、

昨日は「二十四節気・啓蟄(けいちつ)」についてお伝えしましたが、本日は「未利用魚・ヒメ」についてお届けしたいと思います。

ヒメ。
ナニやら美しいネーミングですが、このサカナは全然一般的な魚じゃあないですね。多分、聞いたコトのある方の方が少ないのではないかと思います。
このサカナは、ヒメ目ヒメ亜目ヒメ科に属する魚で、ヒメ亜目の中にはエソメヒカリなんかもいますので、その親戚筋にあたるおサカナであると言えます。ですが、その棲息域は大体25~500mとなっているので、深海魚とは言えないものの深海域でも暮らせるおサカナであるとも言えます。大体本州以南の全国ドコにでもいるようなのですが、深海底引き網漁などで纏まって獲れるコトも多くは無いようだし、味も滅茶苦茶に美味いと言うコトでもないので、中央市場にデビュー出来るホドの実力は無いと言うカンジで、深海漁をやっている一部の地方の地元で細々と食べられているおサカナであると言えます。

ヒメなんてシャレたネーミングは、赤を纏ってやや派手目なヒレのある姿格好がお姫様を連想させるので名付けられたモノと想像されますね。ステキな名前を付けて貰った割に、市場にはあまり流通していない、ある意味悲劇の(?)ヒロイン魚とも言えるのでしょうか(笑)。
似たような名前のおサカナとしてはヒメダイなんてのもいるのですが、コチラはややメジャーで味的にも良いので豊洲なんかでも時々見掛けます。
また、ヒメコダイと言うのもいて、ヒメよりも更に華麗でお姫様っぽい容姿をしてらっしゃる。味的にも良く、コチラも時々豊洲でも見掛けますが、とっても淡白でクセのない白身なので、天だね用として珍重されているようです。

ヒメは実家近くのホームグランド市場である一色さかな村西浦鮮魚マーケットではちょくちょく水揚げがあるのですが、やっぱり安いんですよね。トロ箱に3~4㎏位入ってても1,000円とか1,500円とか。
でも、食べてソコ迄美味くないのかと言うと、そんなコトも無い。やや水分が多い身質ではあるものの、淡白な白身なので煮ても焼いても、揚げてもフツーに美味いんです。刺身でも食えなくはないのですが、あまり旨味の多い方では無いし、やや水っぽいと言うコトもあるので、昆布締めなんかにすればマトモに食べられると思います。
同じヒメ属にはイトヒキヒメと言うおサカナもいて、コチラはヒメよりも珍魚度は高く、あまり見掛けません(もしかしたら、ヒメと混獲・販売されてるかも知れませんが)。

産地以外で入手するのは困難なサカナではあるものの、捨て値で放っておかれるのは忍びないし、もっとメジャーに昇格させてやって、多くのヒトにも食べて貰いたい。ホント、未利用魚なんですね。
恐らく、一色や西浦の業者にお願いしておけば、水揚げがあれば送って貰えると思うので、入荷あれば出してみたいと思います。

明日は「内臓料理(動物)・レバー(肝臓)系料理」について書いて行きたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?