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7月20日(木) 「未利用魚・カガミダイ」

今日の豊田は朝から快晴。
最低気温は比較的涼しくまた湿度も低めの24℃、最高気温は35℃。
昼間には入道雲がニョキニョキでてたし、もう梅雨明けでしょ。
今日も、暑かった~。さて、

昨日は「低温調理について考える」をお届けしましたが、本日は「未利用魚・カガミダイ」について書いて行きたいと思います。

カガミダイ。
多分、大半のヒトが聞いたコトがない名前だと思います。でも、冒頭画像を見れば「あれ?コレってマトウダイじゃないの?」と思われた方もおられるかと思います。マトウダイならば、カガミダイに比べればメジャーなおサカナであるし、フランス辺りではサンピエールとか呼ばれてて、ムニエルなんかにしたら、ある意味高級魚扱いでもあるので、フレンチなんかでお召し上がりになられた方もおられるのではないでしょうかね。因みに、フランス語のサンピエール(Saint-Pierre)はキリスト十二使徒の一人である聖ペテロから来ているのだそうで、コレは聖ペテロが貢物となるお金をマトウダイの口から取り出したとの伝承がある為らしいのです(どうやら、聖ペテロは元々漁師であったらしいのですが(でも、ガラリア湖は淡水湖なので、マトウダイいないハズなんだけど…(笑))、その後キリストの弟子になったヒトのようで、だから?サカナの口からお金を!?取り出せたのですかね???)。
確かに、カガミダイとマトウダイは形状が似てます。同じマトウダイ科の魚ですからね。ただ、カガミダイにはマトウダイにある「的」が無いし、色がカガミダイの方はその名の由来の通り鏡のようにギンギンなのに対し、マトウダイの方はやや茶色っぽい。また、おカオの形もカガミダイはシャクレ系なのに対し、マトウダイの方はウマヅラ系。ヤヤコシイのは、マトウダイのことを地方によってカガミダイと言うトコロもあること(宮城、福島、千葉等)。流石に、カガミダイのコトをマトウダイと呼ぶ地方は無いみたいだけど(笑)。

棲息域としては日本の周りにはほぼいると思われますが、流通上は然程出て来ない魚でもある為、少なくとも豊洲市場では見たコトありません(商品価値が低過ぎるのでしょう。マトウダイはちょくちょく見掛けますが)。地方市場でもあまり見た記憶はありませんが、現在のホームグランド市場である西浦鮮魚マーケット一色さかな村では結構な頻度で見掛けます。この2つの市場は深海底曳系の船が割と多く、その棲息深度が一致しているからなのかも知れません。
でも、市場では可哀想な位の値段で売られています。流石に味が良いとされる大型(50㎝程度)はソコソコの値段で売られてはいるものの(ソレでも1匹1,000円以下)、30㎝程度の小型のモノとなると、1匹100円前後が相場じゃあないですかね。おサカナ的には、カオが大きく、腹の部分も薄いコトもあって、歩留まりの悪いことは否めません。身の部分は全体の半分以下でしょうから。と言ってもアラだって味噌汁や鍋の具、アラ煮等で十分に活用可能なので、ソコ迄値を落とさなくても良いんじゃない?と思ってしまうのは自分だけでしょうか?

味的に言っても、おフランスで高級扱いされるマトウダイに比べて格段にマズいかと言うと、特にそうは思わないですねぇ。淡白でお上品な白身であることには違いないですが、であるが故に何にでも応用が効き、煮て良し・焼いて良し・揚げて良し・ムニエルでも良し。刺身やセビチェなんかにしたって結構美味い。
商品流通上は全然利用されていない「未利用魚」とは言い難いけれども、こういう魚をタダ同然の値段で放置しておいてはイケないと思います。どんどん食べて、その美味さを認識して貰い、この種のおサカナの価値向上をしていかねばならん、と思うのであります。
従い、市場やスーパーで格安で見付けたら(って、そんなケースはあんまり想定されないけれど)、是非買って食べてみて下さい。

明日は、以前ご紹介したLagavulinの兄弟分とも言える「醗酵飲料(ウィスキー)・Laphroaig」について書いて行きたいと思います。


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