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2024年7月9日(火)「未利用魚・ヨリトフグ」
今日の東京は曇り一時雨。
朝方の最低気温は26℃、日中の最高気温は34℃。良く良く考えてみると、最低気温で夏日って言うのはある意味スゴいコトですよねぇ。コレ迄あまり疑問にも感じていなかったけれど(ソレだけ地球温暖化に慣れ切ってしまってる、ってコトなのでしょう(泣))。今日の夕方も一時雨が降りましたが、明日以降はまぁまぁ雨も降るようで、気温も低めになりそうです。やっと梅雨みたいな天気になりますね。その雨が終われば、いよいよ梅雨明けかな。さて、
昨日は「二十四節気・『小暑』の時季のメニュー(案)」についてお伝えしましたが、今日は「未利用魚・ヨリトフグ」について書いて行きたいと思います。
ヨリトフグ。
知らないですよねぇ。数多あるフグ科の中でも、可也マイナーな存在でありまして、中央卸売市場にも地方卸売市場にも殆ど出回るコトのないフグの仲間だと思います。コレを入手しようと思ったら、特定の地方の水揚げを狙って行くか(ソレでも入手可能か否かは運次第)、自身で釣るしかないのだろうかと思います(そもそも、狙って釣れるサカナなのか?ソレだけの価値のあるサカナのか??)。
そんなヨリトフグ。棲息地域的には日本では房総半島以南から九州辺りの太平洋岸、世界的にも温帯・熱帯区域と広範囲に亘るようなのですが、実際に水揚げされているのは伊豆近辺だとか三河湾近辺位で、あんまり獲られていないのが実情のようです。
ただ、実家帰省時のホームグランド市場でもある西浦鮮魚マーケットでは結構な頻度で、一色さかな村では偶に、売られているコトがあります。実際、今回入手したのは西浦鮮魚マーケットでして、割と大き目の2匹で200円ととってもお値打ち(笑)。前々から売られていたのは知っていたけれども、流石にフグなので自分で調理するのも如何なモノか、と思い購入を躊躇していたのでありました。
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が、そもそもこのフグは身(筋肉)・皮・精巣は無毒であるは明確であり、ただ肝(肝臓)だけはもしかしたら毒があるかも(その地域地域で食べているモノが影響するとか、しないとか)、と言うコトなので、今回も食うのは身と皮だけにしておきました(取り出した肝も卵巣もメチャめちゃ美味そうでしたが、涙を飲んで廃棄しました(泣))。
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このフグ、冒頭写真で見てもお分かりの通り、水を吸い込んで丸々としてますね。名前の由来としては、「撚り糸」から来ている、即ちこのフグは釣り上げるとスグに水を含んでチョウチンのように膨らむワケですが、ソレにより釣り糸が撚れて困っちゃうから撚り糸→ヨリトになったのではないかと言う説あり(ぼうずコンニャクさん説?)。
オモシロいのは、皮が美味いのでカワフグ(小田原)であったり、デブフグ(沼津)、水っぽいからミズフグ(伊豆周辺)、上述の如く真ん丸に膨らむのでチョウチンフグ(愛知一色)等の色んな地方名があったりするコト。この辺の地域ではソレだけ食されていた、と言う証左ですね。
そのヨリトフグ。
フグの免許は持ち合わせてはいないモノの、そもそも殆どが無毒であろうと言うこと、自己責任の範囲内で片付けられそうであるコト等も踏まえて、やってみました(良いコはマネしないで下さい、飽く迄も自己責任で)。
まぁ、フグと雖もサカナの一種ではあるので、捌くコトに関しては全く普通のサカナと同じ。
内臓出して、皮剥いて、身欠きの身をぶつ切りにして、アラを叩き切るだけ。
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アトは、身は唐揚げに、皮とアラは煮物にしました。
唐揚げ。そもそも水分が多いサカナなので、汁モノか揚げ物に適と言うコトでしたので、今回は唐揚げに。コレが美味いのなんの。揚げるコトによって水分が適度に散って、身はホロホロでとっても美味い。こりゃあ、1匹100円じゃあないゼ!と叫びたくなるホド。
煮物。コレがまた良い。ホネ周りのお肉が不味かろうハズも無く、淡白ではあるけれども旨味も充分。皮のぷるぷるもタマラン。しゃぶり尽しました。
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アトはこの皮を残したゼラチン質を固めて煮凝りに(と言っても、煮汁を容器に入れて冷蔵庫に入れるだけなんですが(汗))。コレがまた絶品。
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2匹たったの200円なのに、この満足感は異常とも言えるコスパ。多分、旬である冬に食べたらもっと美味いのだろうけれど(市場のヒトもこの時季だからこそ、この値段とも言ってました)、今であっても充分に美味い。コレは次からも買いですねぇ。
ただ、自分にはまだフグの資格は持ち合わせてはいないので、お店で提供するコトは出来ません。でも、こんなにコスパの高いフグがあるのであれば、フグ免許も取ってやろうかな!と思えるホドのモノでありました(笑)。
明日は「開業準備・クラファン活用の是非」について書いて行きたいと思います。