見出し画像

6月2日(金) 「醗酵食品・へしこ」

今日の豊田は終日大雨。
最低気温は20℃、最高気温は23℃。
まぁ台風2号が接近中なので、雨は仕方がないですね。日本各地で線状降水帯が発生したりしてて、愛知県の東側では河川の氾濫も起きたりもしているようです。くれぐれも、気を付けましょう。
こんな状況では出漁出来ないので、明日市場に行ってもサカナないでしょうね。さて、

昨日は奇跡の醗酵食品とも言われる石川県の「ふぐの子(卵巣)糠漬け」について書きましたので、本日も糠漬け繋がりで「醗酵食品へしこ」について書いて行きたいと思います((冒頭画像はコチラから拝借しています)。

糠漬け。
フツー糠漬けと言えば、玄米を精白する際に出てくる米糠(玄米の果皮種皮胚芽等)に食塩水や唐辛子、昆布や干椎茸、実山椒やクズ野菜等を入れて糠床を作って乳酸発酵させ、その糠床にキュウリやナス、大根等の水分多めの野菜を漬け込んで作るモノのことを言います。
が、日本全国には野菜以外でも肉やサカナを糠漬けにする地域もあります。
サカナ関係で言えば、サバアジイワシサンマ等の青魚を使うトコロが多いようですが、ソレら以外でもニシンフグハタハタホッケカレイイカ等を使う地域もあるようです。
サカナ系糠漬けの有名ドコロとしては、北海道「三平汁」(ニシンの糠漬け使用も)、秋田「ハタハタ寿司」(米麹使用が多いものの、中には糠漬け使用も)、石川「べか鍋」(こんかいわしを入れた鍋物)、福岡「ぬかみそ炊き」(さば・いわしに糠床を入れて煮たもの)等がありますね。

そんな中で。
サカナ系糠漬けで最も有名なのはサバのへしこ、でしょう。
サバのへしこは主として石川県能登半島から鳥取県までの日本海側各地で保存食として作られ、食されているようで、福井の若狭地方(小浜美浜等)、京都の京丹後半島あたりが有名です。美浜に至っては、へしこを観光アピールに使っていて、「へしこちゃん」と言うゆるキャラも作ってしまっているホド(笑)。

改めて説明すると、へしこはサバやイワシ等の青魚に、昨日ご紹介したふぐの子の糠漬けと同様に塩漬けと糠漬けをして作り上げられる伝統的な醗酵食品の一つです。
具体的には、春に大量に獲れる脂の少ないマサバを原料として、背開きにした上で塩蔵して身を締め(下漬け、ですね)、5月から梅雨前迄には酒米の糠に一味唐辛子を混ぜたモノに包み込み、木桶に平らに並べ、殺菌効果のある鷹の爪をたっぷりと乗せた上で重石をして漬け込む(本漬け)。この時に、「圧(へ)し込む」ので「へしこ」と言う名前になったとの説もあるようです(もう一つは魚を漬け込んだ時に出る「ひしお」が訛った説もある模様)。夏の暑さで醗酵し、夏を越した秋頃から食べ頃となり(最初は浅漬け)、その後更なる醗酵が進むに連れて旨味が増して完熟の味わいとなり、翌年5月頃迄イケるのだそうです(春に獲れるサバを翌年の同じ時期迄保たせちゃうんだから、大したモノですねぇ)。

で、肝心のお味の方はと言うと。
めっちゃ、しょっぱい。もう、ホンの一かけらだけで何杯も飲めちゃうホド。ただ、そんな中にも糠漬けすることにより作り出された旨味や甘み、深い味わいがあるとも言えます(しょっぱさがマズ勝ってしまうのですが(笑))。従って(?)、もうコレは一級品の酒の肴です。
従い、自分がお店を開いた暁には、昨日の「ふぐの子(卵巣)糠漬け」とこの「へしこ」は長期保存の効くツマミなので、常備したいと考えているホドです(笑)。

料理のレパートリーとしても、へしこは和製アンチョビと言われるくらいなので、パスタやピザ等の洋風レシピにも、また炙ってお茶漬けやお握り、果てはチャーハン等にも使える食材(調味料?)なのであります(その点では、前述の「ふぐの子糠漬け」とも似た使い方になりますね。コチラの方が完成までの時間が短いだけに、安価なのが助かりますが)。

と言うことで。
機会あれば、(特に酒飲みの方は)是非お試し下さりませ~!

来週の月曜日には、有害鳥獣関係で狩猟関係本(書籍)についてお話ししたいと思います。
台風襲来ではありますが、良い週末をお迎え下さりませ。


いいなと思ったら応援しよう!