2024年6月20日(木)「醗酵飲料(日本酒)・あぶくま」
今日の東京は曇り時々晴れ。
朝の最低気温は20℃弱、日中の最高気温は30℃。九州や四国は既に梅雨入りしたみたいですが、関東はまだですねぇ。明日は多少雨が降るようなので、ココで梅雨入りとなるのかな?でも、その後もあまり雨予報はないようなので、どうなるコトやら…。さて、
昨日は「漁師料理・ブイヤベース」についてお届けしましたが、本日は「醗酵飲料(日本酒)・あぶくま」について書いて行きたいと思います。
あぶくま。
コレは福島の玄葉本店さんの銘柄です。玄葉本店は創業が江戸時代の1823年(文政6年)と言うコトなので、200年の歴史ある蔵元ですね。石高(こくだか)は大体200~300石と言うコトなので、比較的小規模な蔵元であると言えます。因みに、1石=10斗=100升=1,000合=10,000勺なので、一升瓶換算すれば年産20,000~30,000本を造っていると言うコトになります。
そんな玄葉本店。立憲民主党の議員で民主党政権時代には外務大臣等も歴任されていたり、立憲民主党の副代表を務められたりもした玄葉光一郎さんのご実家なんですよね。でも、お兄さんは政務に忙しいと言うコトもあり、現在では弟の祐次郎さんがこの蔵の社長兼杜氏をやっておられます。その弟の祐次郎さんは、実は新卒で小生前職の商社に自分の2年後輩として入社し、2年間位は同じ部署で働いていたんですよ。だから、その祐次郎さんとも社内結婚された奥様ともお知り合いなんです(笑)。
そんな祐次郎さんは、2001年にお父上がこの伝統ある蔵を廃業されると決めたコトを切欠として「自分が育った蔵の酒造りが終わると言うのは寂しい」と感じ、蔵に戻る決心をしたとの由。その後は当時いらした杜氏の方の下で酒造りをお勉強しつつ、広島の酒類総合研究所や福島の清酒アカデミーで酒造りの学びを得て、2005年(平成17年)からは自らが社長兼杜氏となり、地元の人間だけでの酒造り体制を確立。小規模であるコトを活かし、手間を惜しまずに丁寧に仕込み、毎年酒質レベルを上げるコトを目標にガンバっておられます。その成果として、全国新酒鑑評会では金賞受賞の常連の酒蔵になってます(ご本人は「鑑評会は予め設定されたストライクゾーンにコントロール良く投げられるかと言うコンテストのようなモノ」とか「(酒造りの)基本技術の確認作業のような位置付け」とかお考えのようですが、シロウト的にはそんなカンタンなモノでは無いような気がしますが…(笑))。
そして、玄葉本店は浪江町にある道の駅なみえが出来る迄は2011年の東日本大震災で事故を起こした福島原発に最も近い酒蔵(直線距離で約40㎞)になっていたらしく(2021年に道の駅なみえの中で鈴木酒造店サンが酒造りを再開された)、この関係では相当様々なご苦労もされて来たようです(そりゃあ、当然そうなりますわね)。原料米や使用する水、出来上がった製品であるお酒の放射能全量検査など、手間暇にコスト、相当な負担があったものと推察されます。でも、そんな状況下でも一度も放射能検出が無かったと言うのはスゴいコトだと思います。
今週の月曜日にはその玄葉本店を訪問、ン十年振りの再会を果たし、色々なお話も伺いました。誠に懐かしくも楽しい時間を過ごしましたし、日本酒業界内の色んなハナシや交流のある杜氏・蔵元の方々のお人柄や内輪話等貴重なお話を伺うコトも出来ました。蔵の中も見学させて貰い、小ぢんまりとしてい乍らも、丁寧且つマジメに酒造りに取り組んでおられるコトが良く分かりました。
そんな玄葉サンが目指すお酒は「おいしい食中酒」であり、「(様々なストレスがある今の時代に)一仕事を終えて、もしくは一日を終える時に、飲んでホッとしてもらえるような酒」を造りたいと考え、日々酒造りに励んでおられるとのコトです。
実際、この「あぶくま」を飲んでみると、玄葉サンの実直でマジメなお人柄が良く出ていて、まさに「ホッとできるお酒」になってます。
そんなご縁のあるお酒、出したいですね。
明日は「二十四節気・『夏至』の時季のメニュー(案)」についてお届けしたいと思います。
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