2024年11月12日(火)「醗酵食品・臭桂魚(chou4 gui4 yu2)」
今日の豊田は早朝曇り、その後はほぼ晴れ。
朝の最低気温は15℃弱、日中の最高気温は24℃弱。11月も半ばだと言うのに20℃超えは少々暖か過ぎないかな?また、南の方では台風25号も発生してるらしいし。やっぱどうかしちゃってますね、地球。
今日からは二十四節気・立冬の次項、七十二候の「地始凍(ちはじめてこおる)」(大地が凍り始める時季)。この陽気では、熊もまだまだ冬眠には入らず、例年のように暴れまわるのかなぁ。被害が出ぬコトを祈ります。さて、
昨日は「未利用魚・マンボウ」についてお伝えしましたが、本日は中国の「醗酵食品・臭桂魚(chou4 gui4 yu2)」についてお届けしたいと思います。
臭桂魚。
なんじゃ、そりゃ!?ですよね(笑)。
サカナなのに「臭い」が付いてる…。コレは中国で割とポピュラーだけれども高級淡水魚である桂魚(gui4 yu2:ぐぃゆぃ…日本ではケツギョと呼ばれてる淡水に棲むブラックバスと言うかスズキのお仲間…因みに日本にはいません)を醗酵させたモノ。まぁ、言ってみれば中国のクサヤみたいなモンかな(笑)。
中国の東部にあり、中国の世界遺産の一つでもある黄山で有名な安徽省の名物料理(徽州菜、皖南菜)の一つです。安徽省は北は淮河、南は揚子江を擁す水の豊かな平原地帯でありますので、淡水魚も豊富なワケです。昔っから著名人も輩出されてまして、菅鮑の交わりの菅仲・道教の荘子・三国志の曹操・包青天の包拯・明の創始者の朱元璋・下関条約の李鴻章・北洋三傑の段祺瑞・中国共産党初代総書記の陳独秀、最近では呉邦国・胡錦涛・李克強等など。横道に逸れましたね(笑)。
で、その桂魚。
桂魚と言うのは、別名ケツギョ(鱖魚)とも呼びまして、要はスズキの仲間です。但し、淡水魚でありますので、ブラックバスのお仲間とも言えるでしょうか。英語名ではChinese Perch(チャイニーズ・パーチ)等とも呼ばれてます。だから、元々このおサカナ自体の味は美味いんです。そして、淡水魚には珍しく、「清蒸」(qing1 zheng1:ちんぢょん)と呼ばれる鮮度が重要な蒸し物料理にも使用される位のモノなのであります。
その桂魚を一旦(干物にして?)醗酵させた上で、少々辛いモノを放り込んで醤油系で煮込んだのがこのお料理。供された際には、醗酵食独特のやっぱりぷ~んとしたニオイ(いや、香り)が漂い、期待も益々高まるばかり。そして、箸で身を崩して食ってみると…、
お~っ、コリャ美味い!絶品であります。
コレ迄に中国でも数多くの淡水魚を食べて来ましたが、一口食っただけでこの魚がコレ迄で一番美味い淡水魚であると断言出来るホドに美味かったのであります。ホロホロと大きめに崩れる身肉は、正に厚めのアジの開きのよう。ソレが、アジなんかよりも更に美味い。
干物のようは微かな醗酵臭(と言っても臭い訳ではなく、良い香り)があり、極上。いやはや、この美味さには驚かされましたね。
臭モノ好きでなくても、魚好きのヒトであれば、この「臭桂魚」は食っておいて損はないです。超~おススメなのですが、残念乍ら日本でコレを食べさせてくれるお店は皆無でありましょう。
コレを食べる為には、本場の安徽省迄足を延ばすか、或いは北京や上海の徽州菜のお店に行くしかありますまい(日本では桂魚の代用品としてスズキ使ってもブラックバス使っても、同様のモノに仕上げる自信はありませぬ(泣))。
明日は「内臓料理(魚)・カニミソ」についてお届けしたいと思います。