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6月22日(木)「有害鳥獣・ニホンジカ(捕獲編)」

今日の宮古は曇りのち晴れ。
最低気温は27℃、最高気温は31℃。
湿度は高く、厚いです。ほぼ、真夏です。さて、

昨日は「二十四節気・『夏至』」について書き、また先週は「有害鳥獣・ニホンジカ(生態編)」をお届けしましたので、今日は「有害鳥獣ニホンジカ(捕獲編)」について書いて行きたいと思います。

前回お伝えした通り、ホンシュウジカを含むニホンジカは日本全国的に増加の一途を辿っていて、農作物や森林に対して大きな被害を与えており、益々深刻化しているのが実態です。
ソコで、その対策の一環として、行政からは各地に存在している猟友会等を通じた有害鳥獣駆除活動が行われており、法で定められている狩猟期間(一般的には11月15日~翌2月15日)以外の期間でのコレら有害鳥獣の捕獲を委託・委任をしています。
狩猟期間であれ、有害鳥獣駆除期間であれ、実際にやっているコトは同じ、ケモノの捕獲でありますので、その捕獲方法は何ら変わるコトがありません。
具体的なシカの捕獲方法としては、銃猟による巻き狩り単独忍び猟罠猟によるくくり罠箱罠が代表的です(箱罠はシカ猟にはあまり用いられませんが)。

銃猟による巻き狩りについては、以前ご紹介した自分が所属してる/してた?猟隊での流れの通りでありますので、ココで改めて書くのはヤメておきます。
次の単独忍び猟は、正に独りで鉄砲担いで山に入り、獲物が通るであろう場所近くに潜伏して待ち伏せし、モノが来たら撃つ、と言う方法です。コレは待ちの猟なので、チョット(じゃないかな?相当な、かな)忍耐力が必要です(或いは、余程その場所や居付いているシカの行動パターン等を知り尽くしていて、モノが通る時間なども把握出来ているのであれば、多少は効率が良いのかも知れませんが)。自分はいつかコレをやりたいなぁ、と考えてます。
場合によっては猟犬を連れての猟だと、より効率は上がると思いますが、猟犬の訓練が必要だし、人力以外に頼っての猟をどう考えるか、と言う哲学的な?問題もあるかも知れません(その意味では、巻き狩りは音楽で言うオーケストラ、山登りで言う極地法、忍び猟は音楽でのソロ、山登りで言うアルパインスタイル、とでも言いましょうか)。
忍び猟のもう一つの積極策は、シカの発情期である秋口に行う鹿笛猟(コール猟、とも)。コレは繁殖期に4~5頭のメス鹿を連れてハーレムを作っているオス鹿をターゲットにした猟で、そのテリトリーに侵入して鹿笛を使ってオス鹿の鳴き声を真似ると、その侵入者を排除しようとしてハーレムの主がやって来るので、ソレを待ち伏せして撃つ、と言う猟法です。何も無くじっと待っている忍び猟に比べると、効率性が高く、獲れる可能性も高い猟であると言えそうです(発情期の期間限定ではありますが)。
巻き狩りの場合、獲れた獲物は皆で引っ張り出して、皆で解体、お肉の分配をすれば良いのですが、忍び猟の場合は獲れたモノの引き出し・解体・運搬が可也大変なようです。特に、忍び猟の場合は人里近くではヤリ難く(猟隊のナワバリ問題、人家近くでの(不審な?)行動等)、山奥深くでヤルことも多いようなので、この問題は結構難しいですね。流石に60㎏のシカが獲れてしまって、解体して肉にしても30~40㎏あるとすると、元々の装備に加えてそんなに重たい肉担いでクルマ迄山道を1時間歩く、なんてコトを想像するとゾっとしますね(笑)。従い、忍び猟の場合は、良い部位だけ取って埋設して帰って来る、なんてコトもするようですが、モッタイナイ派の自分としては、ソレはソレで折角戴いた命を粗末にしてしまうようなので、如何なものかとも思います。難しい問題です。

次は罠猟。
くくり罠。
コレは鹿が通る獣道などに設置しておいた針金やワイヤーロープ等で作った輪によって、シカの脚やカラダ等を括り捉える罠のこと。獣を括れればナンでもカンでもエエかと言うと、種々の規制(輪っかの大きさやワイヤーの直径等)が入っているので、コレを遵守した罠を使っての猟をせねばなりません(勿論、その場合には罠猟免許も必要です)。
でも、どうやらコレが非常に難しいらしい(自分はやったコトないので、伝聞調です)。
マズはシカが通る獣道をハッキリと知っていなければならないこと。更に言えば、シカが歩いて罠の掛けてある場所をピンポイントで踏んでくれなきゃあ獲れないので、そのピンポイントに如何に脚を置いて貰うかの工夫が必要であること。また、獣達にソコに罠が仕掛けてあることを悟られない為に、金属臭や人間の匂いなどが出ないよう様々な工夫をしたり、ワイヤーロープをケモノに見えないよう設置したり。コレらは知識と経験が無ければ、一朝一夕に出来るモンではありません。最初から師匠に付けばそのノウハウを伝授して貰えるのでしょうが、一から自分でヤルとなると、相当に本やyoutube、ネット記事等を良~く読み込んで実践し、try & errorを繰り返さなければモノは獲れないのだと思います。
また、仮に獲物が掛かったとしても、その止め刺しをどうするか。銃で殺すのか、撲殺するのか、槍で刺すのか、生け捕りにするのか等。コレも工夫が必要です。
質の良い肉を取りたいのであれば、生け捕りにして解体処理場迄生きたまま運搬し、その場で止め刺し・血抜きをして即解体に入るのが一番良いと思います。が、生け捕りすると言うのにも相当に高い技術が必要とされます。相手は獣で、殺されるとなれば必死なので。
矢張り、質の良い肉を求める以上は罠猟をヤルことは避けて通れぬ課題なんだろうな、と現状は考えていますが、現地に近くないとソレが出来ない。ココも一つ課題なのだと認識しています。

箱罠。
まぁ、巨大なネズミ捕りだと思えば良いと思います。箱罠は中大型獣の場合、イノシシ捕獲に多用されるようですが、偶にはシカも獲れるようです。大型のネズミ捕りと言えども、警戒心の強い野生動物に箱に入って貰う為には、様々な工夫も必要なようですが、ココでは詳しく解説するだけの知識も経験の皆無なので、省略します(笑)。

とまぁ、シカの捕獲方法についてはザっとこんなモンではありますが、上述の殆どは実践に基づくモノではなく、机上の空論からの記載です(笑)。
もっと、自分でも経験積んで行かなきゃイケませんね。

明日は、「醗酵飲料(焼酎)・兼八」についてお伝えして行く予定です。


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