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2024年2月13日(火)「未利用魚・ハダカイワシ」

今日の東京は快晴。
朝方の最低気温はー1℃、日中の最高気温は17℃迄上昇。段々、春めいて来ました。流石に15℃を超えて来ると、暖かいですね。明日はもっと暖かくなる予報です。さて、

昨日は愛知は岡崎にある老舗「醗酵飲料(日本酒)・丸石醸造」について書いてみましたが、今日は深海に棲む美味い「未利用魚・ハダカイワシ」について書いて行きたいと思います。

ハダカイワシ。
いきなりハダカだなんて、何てネーミング!?と思いますが、冒頭写真をご覧になればお分かりの通り、元々はウロコのあるおサカナなのですが、とっても剥がれ易いウロコのようでありまして、底引網等で水揚げされる際にその殆どが剥落してしまって、恰もハダカになってしまったが如く見えるが為に付けられたお名前なんですね。因みに、イワシとの名が付いていますが、イワシとは縁も所縁もありません(笑)。
でも、このサカナは豊洲市場など中央卸売市場で売られているのは見たコトが無いし、勿論そんじょソコらのスーパー等で売っているハズも無い。ホント、深海底引網漁をやっている地場の市場でやっと見つけられるかどうか、と言うマイナー魚にして未利用魚なのだと思います。

棲息域は割と広く、青森~高知沖の太平洋沖、島根や山口の日本海沖の深海で獲れる模様です。世界中に分布しているようです(30に及ぶ属、250もの種を持つ結構大きなグループのようですが)。
日中は水深の深いトコロにいて、夜な夜なプランクトン等を求めて浅場に移動する(日周鉛直移動、その距離数百~1,500m!)と言う生活パターンで暮らしているようです。このおサカナは矢張り普段深海に棲んでいるだけあって、お腹側にはキレイに青色に光り輝く発光器を持っていて、コレは水揚げ時にも剥がれ落ちないので、個体をひっくり返せば見るコトが出来ます。
また、やっぱり深海のおサカナにありがちなのですが、身や内臓には大量に食べると下痢ピーを惹き起こすワックスエステルが含まれているようなので、食べ過ぎには注意です。

今回、地元のホームグランド市場の一つである西浦鮮魚マーケットコレを買ったのですが、味が良いと言うコトを地元のヒトも良く知っているので、コレだけの量で600円もしたんです。この市場では、10匹200円とか300円なんてサカナがザラにある中では高値で取引されているモノの一つであろうかと言えます。

このサカナ、刺身で食ってもソレほどは美味くはないのですが(ヒトによっては脂乗ってて美味い!と言う人もいますが)、干物にしたりそのまま塩焼にしたりすると、実に美味いんですね。何と言うのかとっても旨味の強い身質であり、何となくではありますが、シシャモのような味もする。上述の通り内臓にはワックスエステル分を含んでいるので、コレは取り除いて食べた方が良さそうですが、ウロコもない魚なので下拵え的にはハラ出すだけと超簡単。
アトは塩でも振って焼くだけなので、何ともお手軽であり、そして美味い。
こりゃあ、地元のヒトも見付けたら買いますわね。

と言っても、食用にしている地域は限定されている模様であり、深海底引網漁をやっているトコロと言うことになるので、地元の愛知や三重、高知などのようです。
自分は深海底引漁をやっている西浦にも一色にもコネを作っておいたので、このハダカイワシが入荷するコトがあれば、漁師さん・仲卸さんにお願いして送って貰えるようにしたいと思います。
と言うコトで、お召し上がりになりたい方は、乞うご期待。

明日は「醗酵食品・いしるといしり」についてお届けする予定です。


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