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セミナーやClubhouseにおいて「インタラクティブ = 正義」は本当なのか

どうも、西村マサヤです。

僕は学生時代から講演やセミナーで登壇する機会が多くあり、こういった場では必ずと言っていいほど、主催者の方から「インタラクティブな感じにしたいです」と言われるのですが、その度に僕は「うーん...」と首を傾げてしまいます。


最近はClubhouseの台頭もあり、より「インタラクティブ」への注目が上がっています。ただ実は思っているほどセミナーやClubhouseにおいて「インタラクティブ」が良い面ばかりではないのではと思っており、そんな話を今日は書きたいと思います。


まぁおそらく「セミナーとClubhouseを一緒にするな」とか「インタラクティブに盛り上げられないのはお前のスキル不足だ」とか言われる予感がもうこの時点でぷんぷんしてますが、この記事のゴールは読んだ人が今後何かしらのイベントを企画する際に「インタラクティブにする際はこういうところも気をつけないとな」と新たな観点を増やしてもらうことなので、それに資することを最優先に書いていきます。


聞き手が求めていることは何か

これはセミナーでもClubhouseでも同じだと思うのですが、基本的に聞き手(参加者)が求めているのは「登壇者の話」です。「参加者の話」ではありません。

厳密には、①登壇者そのものの話に興味があるケース(例 有名人や著名な人の登壇。極端に言うと話のテーマは何でも良い。その人が話すことに価値があるケース)、②テーマに興味があるケース(例 「マーケティング」や「経営」など。テーマがまずあって登壇者自身については二の次のケース)それぞれで聞き手の興味はもう少し細かくなるとは思いますが、いずれにせよ「登壇者の話を求めて参加している」という点を改めて確認したいと思います。

この点を踏まえると、そもそもインタラクティブコンテンツ、つまり参加者からの質問は、質問者以外の多くの参加者にとっては興味の対象外なのではないか。そう考えています。


場のクオリティコントロールを見知らぬ人に委ねる危険性

もちろん、良い質問を投げてくれる参加者がいた場合は別です。

短い言葉で端的に論点をまとめ、それでいて他の参加者からも「たしかに気になる...!」と思える質問がいくつも出てくるならば、それこそインタラクティブであることの価値でしょう。

...なのですが、僕個人の経験上、このような「良い質問」が出てくる確率は残念ながら高いとは言えません。僕の中で「良くない質問」とは次の3つを指します。


①話が長く、自分語りメインな質問

なんといってもこれ。これはマジでつらい。つらすぎる...。

最近はオンラインメインなので減りましたが、オフラインイベントで話の長い質問が出てくると、場の空気が一気に白けていくのが前からすぐわかります。

事前に「質問は端的に」などアナウンスする工夫もしてみたのですが、こればかりはどうにもならず。

ただ最近は一定仕方ないよな、と考えが変わってきておりまして、それが②に続きます。


②質問者のガチな悩み相談

当然ですが、質問者は「個人的な悩み」を相談しているわけです。

そうなると、自身の課題を登壇者にその場で解決してもらうためには、「背景情報をしっかり伝える」必要がでてきます。つまり質問者にとっては、「あくまで必要な情報を伝えている」という感覚なので、「話が長い」ことに気がつきづらい。これが「質問長い」問題の要因の多くを占めているのではと考えています。

では、とにかく情報を絞って短い文章で質問をすればいいのか、というとまたそうではないのが悩ましいんです。


③抽象度の高すぎる質問

そう、今度は抽象度が高すぎて「何が聞きたいのかわからない問題」が発生します。

特にマーケティングなどビジネス系のネタだと、どんな課題解決もケースバイケースで「これさえすればOK」なんてものはないので、具体性に欠けるとなかなか良い回答ができない上に、他の参加者からしても何の話をしているのかよくわからなくなってしまいます。


このあたりは「Clubhouseでの質問が長くて困っている」というツイートをよく見かけたので、同じ課題感を持っている人は多いのではないかと思います。

ここで僕が言いたいのは「質問ヘタなやつばかり!最悪!」ということではなく、「端的に良い質問をするのはそもそもとても難しい」ということです。

なので、どれだけ入念に主催者や登壇者が内容を準備しても、「微妙な質問」ひとつで場の空気が最悪になってしまいます。つまり「質問タイム」というのは場のクオリティコントロールを見知らぬ人に委ねてしまっている状態なので、非常に危険だと僕は思うのです。


「インタラクティブな場」とは主催者側のエゴかもしれない

とはいえ、イベントをやるからには「インタラクティブにしたい」と思ってしまうもの。そこでおすすめなのが「何のためにインタラクティブにする必要があるのか」をきちんと明確にすることです。

・一方的に話を聞くだけだと眠くなるから
→そんな微妙なコンテンツならそもそもやめたほうがいい

・自分の考えをシェアしたほうが学びが深くなるから
→一定わかるが、どこの誰かわからん人の学びを聞かされる時間のUXとトレードオフ

・質問が活発な方が盛り上がってる感があるから
→それは主催者側のエゴで、参加者のUXに立ち戻って全体設計を考え直したほうがいいかもしれない

このように、「何のためにインタラクティブにする必要があるのか」ときちんと向き合うことで、そもそも「作りたいイベントの世界観」が改めて明確になり、全体設計のUpdate(例 セミナー形式 → グループワークショップ等)にもつながることもあります。


そんなこんなを踏まえると、一番ベストなのは「チャットでの質問」形式かなーと思います。長文になりづらいのと、主催者側がピックアップすることでコントロールもできるのが良いですよね。


まぁいろんな意見があるとは思いますので、少しでも参考になれば幸いです。


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西村マサヤ
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