似非人間
隣の部屋のカップルが、こちらに聞こえるくらいの怒号で喧嘩をしている。これで2回目である。
いつも思うんだけど…どうして皆、結婚するのだろう。
この私の疑問をねじ伏せようとすべく、今まで数多くの「難波節」を聞かされてきた。しかし…いずれも私が腑に落ちるようなものではなかった。
しょっちゅう喧嘩する。話も合わない。たまにしか会えない。浮気もする。
…でも、別れない?なぜ?
そう聞くと決まって、「そう簡単じゃないのよ…」と言われる。「何が?」と聞いても、大した理由を言わない。
最も大事な体の相性について聞くと、エロネタと勘違いしてるのか知らんが、苦笑いしながら誤魔化す。いやいやいや…あんたらセックスの相性がダメならもう終わりですよ。
皆、自分に素直になれない。世間一般的な表現をするなら「優しすぎる」のだ。だから相手を気遣って、己に正直に生きていけない。
私は結婚した事はないが、このプロセスは大いに理解できる。
私も相手のリアクションばかり気にして、自分を出せずにいた。まぁ、それ自体は悪いことではないのだけどね。
特に楽器演奏なんかは顕著だ。いつもの自分を出せばいいのに、「みんな、俺のことを認めてくれるかなぁ…?」なーんてどこかで思っていると、途端に筋肉が硬直して思い通りに体が動かなくなる。
だからこそ、自分のことしか考えないような頭ぶっ飛んだやつに限って、ロックスターになったりするんだろうな。
自分の世界を構築するのか。
それともずーっと遠慮して、とうとう人生の最期まで自分を出しきれずに終わるのか。
…別に、どっちが偉いでも悪いでもない。
ただ、人間ってのは本当に不器用かつ不便な存在だなぁと…そう思っただけだ。
私はこんなだから、己の気持ちを他人に押し付ける事もない。そもそもそんな領域に身を置くなど、考えられない。
私はやはり…他の人とはどこか、違う。
いわば「似非人間」ってやつなのかもしれない。
隣の女性の「ざけんなよ、テメェ!!!」というお下劣な悲鳴を聴きつつ、そう思った次第である。
…あ、そうそう。管理会社にしっかりと報告しておきました。お前らええ加減にせぇよ😊💢
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