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わずかな歪み

「光」の方が「闇」よりも強い。

真っ暗な部屋で蝋燭の火を灯すと、一気に闇が晴れて視界が開ける。

この世の道徳感においても、そのように教えてくるね。

光は大体の場合「正義」の象徴とされ、概ね「悪」に勝つように設定されていたりする。

アニメ、ドラマ、ゲーム、学校教育、そして親…これらから「正義の味方」ってのを、幼少期から散々刷り込まれてきた。

今思えば、正義の味方に助けてもらったことなんて、この45年間で一度もなかった。正義の味方を装った詐欺師はいくらでもいたんだけど…。

繰り返すが、実際に「光」は「闇」を大きく照らす。ちょっとした光さえあれば、真っ暗な部屋でも何とか見渡せるようになる。

そう考えると、単純に闇は光よりも「貴重」だと思うのだよ。

だって、そうでしょう?完璧な闇に陥るにはどうする?我々としてはもう、目を閉じるしかない。それ以外のビジョンは全て、「光」によって支配されているのだ。

こんな図々しくも、時に厚かましい存在が「正義」なのかね?

闇は安寧をもたらす。事実、目を閉じて睡眠に入った時だけ、生きながらにして「向こう側」に行ける。そう考えると、光なんぞよりよっぽど、闇の方が神に近い…言うなれば「神的な状況」だと思うわけだ。

とはいえ、私たちは睡眠の時以外は目を開けて生活している。

どうしてもこの世は「光」が強く、「光」こそがこの世を支配している。ここもまた、真実である。

世界には隠されし黄金比がある。概ね3:7くらいか。

大陸7、海3。人間なら体液が7、骨肉が3、怠けているアリが7、働くアリが3…「5:5が平等」という洗脳があるが、どうやらそれは間違いのようだ。

観察する限り、どうやら流動は偏る。だからこそ正円や球体だけではなく、時としてこの世を「だ円」などで見る必要があるのかもしれない。

…そういえば、ヒトもそうなのだろうか。

奴隷が7割、金持ちが3割…?

いや、そんなバカな。

シロアリの女王アリ

この世のほとんどの富を、わずか数人…いや、下手するとたった一人が握っている。という事は、彼は全体の、ほんの0.000000001%程度の存在にすぎない。

つまり…

この世は「7:3の法則」だけでは説明が出来ない。恐らく私も見逃している「わずかな歪み」が存在している。

その「わずかな歪み」をあなたは何と呼び、どのように定義する?

まぁ陰謀論や都市伝説が大好きな人はきっと、そこに「世のトップ・真の支配者」の姿を想像するだろうね。

でも断言するがそんな奴いないし、下手するとそれは「ヒト」ではない。我々に求められている「理解」というのは多分、そういう事じゃない。

私はそこに「真の自由意志のありか」を見る。

この現世において自由意志の可能性を掴むとしたら…その程度の猶予しか無いはずだ。何となく、そう思う。

生きている間に「それ」を見つける物語…か。

私はもしかすると世界で一番、難易度の高い試練にチャレンジしているのかもしれない。

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