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『下の階にはツキノワグマが住んでいる』 ~メイキング~

先日5月20日に、装画を担当させて頂いた『下の階にはツキノワグマが住んでいる』(鞠目 著)がことのは文庫から発売されました!

住んでいた賃貸マンションで火事があり、
急遽引っ越すことになった頑張り屋の社会人・ゆり子が紹介されたのは、
「築35年・動物入居可能」の物件だった。
階下に住むのは、胸の三日月模様が印象的な、人(?)の好いツキノワグマ。
誰かとコーヒーを飲むのが大好きで、はちみつケーキが大好きで、
ヒグマさんのビールが大好きで、お鍋が大好きで、
冬眠の前にはクリスマス・お正月・バレンタインの贈り物などを
一通り済ませてから眠りにつく。
そんなのんびりとしたクマと日々を過ごすうち、
ゆり子の少し疲れた心は優しくほぐされていく。
そして彼女はいつしか、ずっと背を向けていた母と向き合ってみようと
自然と思えるようになり──。

https://kotonohabunko.jp/special/kumakuma/


今回はその装画のメイキングをお届けしようと思います🐻
(今回は、といっておきながらこれが初めての投稿なのです)


昨年の秋ごろ、ことのは文庫の編集者様からご依頼のメールを頂きました。人と言葉を話す動物が共存する日常を描いた物語ということで、僕のオリジナル作品「ベランダ菜園直売所」(https://masaya-mizukawa.com/original/123/)をご覧になってお声がけくださったそう。
元々人と動物を題材にした作品をよく描いていたので「待ってました!!」といった気持ちでした笑

事前に原稿を頂いていたので一通り目を通した上で打ち合わせに!🏃‍♂️
打ち合わせではイメージや方向性の擦り合わせ、メインターゲットやスケジュールなどの確認を行います。
1つの案(方向性)として編集の方からは、「クマの部屋でゆり子とクマの2人がコーヒーを飲んでいるシーン」「公園のベンチに座っている2人」「電車で移動している2人」といったイメージを頂きました。
作品世界の様な心落ち着く楽しい打ち合わせでした☕️

さて!ここからは頂いた情報を元に、自由にアイデアを出しながら進めていきます。

原稿を再度読み返し装画に活かす為の大切なキーワードを抽出してメモ。
そして、

・季節 / 季節のイベント
・日常
・コーヒー
・ロールケーキ
・朝顔
・温かい(ぽかぽか、もふもふ)
・言葉を話す動物との共存
・築35年、4階建て(静かなエリア)
・ゆり子(主人公)は2階

といった事が今回の装画において活かせるなと思いました。

ここからは上にメモしたキーワードを元に、ひたすらアイデアを練っていきます。

とにかくペンを動す
とにかくペンを…
段々固まってきました

こんな感じ。(↑はほんの一部🤫)
いくつかアイデアを出した中から方向性を3方向に絞りました。
編集者さんやデザイナーさんに送る為にラフ案をそれぞれ描いていきます。

A案 クマの部屋で2人コーヒーを飲んでいるシーン

B案 2人で散歩しているシーン

C案 マンションでの2人

この3案をそれぞれ説明文をつけて編集の方にメール!✉️

数日後・・・
編集部の方とデザイナーさん達で会議をして頂いたのち、

今回は"B案"で進めていくことに!


ここから本描きに移っていきます。
ラフの段階では裏面が凄く寂しかったのでブラッシュアップを重ね、蔦や朝顔、ランチョンマットを加えたりしました。
大雑把に描いてしまっていた部分もひたすら丁寧に。

線画
着色

イラスト完成!


ここにデザイナーさんがタイトルや著者名、帯といったデザインを施してくれます。
(個人的に自分の絵の上にデザインが乗った瞬間が大好きで、商業イラストの醍醐味のように感じています。あとはやっぱり本屋さんに並んだり世に出た瞬間とか。嬉しくてたまりません。。)

デザイン可愛い!!!!
特にこの帯の発想には「最高〜〜〜!!!!」と唸ってしまいました。
そんな素敵なデザインをしてくだっさたのはnext door design(http://n-d-d.jp/)の長﨑綾さんです。
 
発売日に早速書店に向かい、並んでいる様子を確認!
気づいたら自分でも何冊か購入していました🐻
家族や友達に配ろうかな。

「下の階にはツキノワグマが住んでいる」是非ともよろしくお願いします☕️


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