西荻窪で好きな麺類その2「はつねのチャーシューメン」〜有料版〜
「はつねのチャーシューメン」。私が子供の頃ははつねなら醤油ラーメンが当たり前で、特に母がここのラーメンが好きでした。ニンニクを入れたり、ナルトではなく竹輪だったような気もします。今はタンメンが一番人気だそうで、毎回行列ですよね。昭和の当時も少し並ぶことがありました。醤油ラーメンのいいところは、インゲンや海苔です。やっぱりビジュアル的にも食欲をそそります。食べるのは秋から冬にかけてが一番ありがたいですね。脂の膜が張った、様々な出汁が効いたラーメンももちろん好きですが、心から温まるような、このしみじみとした普通の味、ちょっと醤油がピリッとする感じ。
それから何より、あの店構えですよ。柳小路の橋頭堡(先端を守る砦)のような、味わい深いとしか言いようのない木造長屋建築ですよね。くすんだ色合いさえ輝きを放っています。博物館に移築されてもいいくらいです。あの壁に貼り付けられたプラスチックでしょうか?メニューの文字、質感もたまらない。どんなデザイナーが手がけてもああはいかないし、そういう全てが「美味そう」です。親父さんの一挙手一投足を眺めると一切無駄がない。開店と同時に行くと見られる店主の"招き入れ"も一度は体験すると楽しいです。穏やかに、静かに声がかかるときのあの嬉しさ。
野菜を刻んだりしながら黙々と麺を茹でる。(あれが私のかな?)と緊張します。実はこの絵はチャーシューに隠れていますがワンタン入りで、注文が入ってから包んでいました。鮮やかな包み込み。「ワンタン包みライブ」が見られるとは!(あれこそがおれのワンタン!)と思いました。皆タンメンでしたから。
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【有料版】西荻窪(ディープな)おさんぽ物語
西荻窪界隈の話を中心に、イラストレーションのことも織り交ぜながら、さらに細かいお話をしていきます。
#一人一人一人日記【#内田かずひろ #目黒雅也 #枡野浩一】
マンガ家・内田かずひろ、イラストレーター・目黒雅也、歌人・枡野浩一によるユニット「#一人一人一人」の日記です。2021年4/7〜4/30に…
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