ひざ枕
姿勢が良く凛として朗々とハツラツとして真面目にしか見えない。人の面倒をみることに何の迷いも表さず、自分のことを差し置いてでも相手を救おうとする。
そんな彼が、最近ひざ枕を所望するようになった。
食後にじわじわゴロンとわたしの膝に頭を乗せて、そのまま15分くらいグーグー寝る。
恐ろしく人当たりは良いけれど、いつも自分と他人の間には鉄壁の壁を築いているような人と思っていて、頼られるキャラで甘えを一切見せなかったけれど、ようやく少し心開いてくれたように感じる。
男性は一歩外に出ると七人の敵がいるという。
敵だらけってことはないのだろうけれど、ある程度の立場や年齢になってくると、周囲から期待される人でいなければという責任感も背負っていく。それは女性も同じことが言えると思うけれど。
それらの荷物を一旦全部下ろして、口数少なく一緒に食事をとり、ひざ枕でウトウトする彼は、どうしようもなく尊い。