フクロウのふりかえり 2020年3月
OWL magazine 2020年3月のまとめ記事をお届けします。この記事の文章は全て無料でご覧になれますが、文中でご紹介している記事には有料記事があります。月額700円で15〜20記事が読み放題となりますので、よろしければこの機会に定期購読をお申し込みくださいませ。
はじめに
世界を脅かす新型コロナウイルスによって不幸が重ねられ、何気ない日常が失われてしまいました。“旅とサッカー”を軸にそれぞれの物語を綴るOWL magazineにとっても、そのどちらもが欠けた状況にあります。
そんな中、執筆メンバーは試行錯誤しつつ強い気持ちで記事を書き上げてくれました。そんなメンバーを誇りに思いますし、この有事にあっても私たちの記事に目を通して下さる購読者の皆さまにも改めて感謝申し上げます。
目の前にあるやるべきことをコツコツとこなし、今までの常識から離れるくらい安全衛生意識を高めて生活する。そして忍び寄る不安と鬼ごっこしながら、収束に向かうその時をイメージしてOWLとしての歩みを進めてまいりたいと思います。
それでは、今月の14記事のふりかえりを始めましょう。先月のふりかえりはこちらからご覧になれます。
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Stay At Home 自宅でOWL
まさかこんなにも長くサッカーを観られない日が来るなんて、思いもよらないことでした。「世界からサッカーが消えたなら」というテーマで記事を書きたいと円子文佳に言われても、2ヶ月前の私なら一笑に付していたことでしょう。
海外の状況を鑑みれば、残念ながら絵空事とは言い切れない状況になってきました。私たちは、新型コロナウイルスの感染の拡大を抑えるためにも、正しく怖れる必要があります。「サッカーが消える」未来なんてまっぴらごめんです。
オンラインコミュニティであるOWL's Forestで執筆者を募って制作しているオムニバス記事。今月は2本掲載されました。一つ目は「もう一度行きたいサッカー旅」について、自由に書いてもらっています。
皆さんの豊富な旅の経験に基づいて書かれているだけあって、旅の「あるある」になっているのでは、というさとうかずみさんの指摘や、ノリと勢いで書いたので「嬉し恥ずかし」的なあすかさんの感想も。
もう一つは、「初めての海外旅行の思い出」について。皆さん何度か書いているうちにリズムに乗ってきた感じがしますね。冒頭の円子が記した「人間が人間らしく生きていくための、様々な発見を与えてくれるものが旅である」というメッセージに力強く頷きました。
掲載作品の一つ、屋下えまの「オーストラリアで女子高生も考えた」は椎名誠さんのオマージュだそうで。私は20数年前の書店員時代、椎名さんと店内でお会いしたことがありますが、プロレスラーのような巨躯と少しだけ怪しげな風貌に驚いて声をかけられなかったのを覚えています。
宇都宮徹壱さんは、「旅の効能」についての一考察を記しています。お金がかかって、面倒くさくて、自分の常識が通用しない、そんなアウェイ遠征。それでも嬉々として敵地のスタジアムへ脚を運ぶサポーター心理を学ぶことができます。
この記事が掲載された29日に、徹壱さんはサッカーライターの皆さんと一緒にYouTubeで「バーチャル花見」を開催。お酒を交わしつつサッカー談議に花を咲かせていました。来年こそは、リアルなお花見を実現しましょう!
あの日のフットボール アジア・東欧・マルタ
昨年のACLの決勝で訪れたサウジアラビア。ほりけんさんは、アカデミックな視点で観光の思い出を振り返っています。サッカーを通じて諸外国の歴史や文化を学ぶほりけんさんのスタイルは、OWLの記事の柱の一つです。
もう一人、アカデミックな視点の持ち主である屋下も「外国では国立博物館に行くのがマスト」と言い切っております。異文化の趣を楽しむために、教養を身につけることも大切ですね。
カンボジアより届いた、アジアのフットボール記事。プノンペン在住のぴろぽんぴんは、かつては日本代表のサッカーを追いかけ、その後カンボジアのサッカークラブで働いた経験を持つ人物です。
アジアサッカーについてのリアルな情報を、現地の熱量そのままに届けてもらいます。言葉が通じなくても「最高の瞬間を共有できる」のが旅とサッカーの魅力である、との読者コメントは励みになりますね!
私たちは「Jリーグのない週末」を、以前に一度だけ経験しています。2011年3月に東北を襲った震災は、日本サッカーの時計の針を一時止めました。ただあの時は海外のフットボールを求めて、外に飛び出すことができたのです。
徹壱さんは東欧諸国でプレーする日本人選手へ取材を敢行。ハンガリー、ラトビア、エストニア、ルーマニア。耳慣れない国で奮闘する「もうひとりのサムライ」たちの思い出を綴ってくれました。
円子が言うように現在の「自由が失われている感」は否めませんが……記憶や想像の世界を自由に飛び回る翼は健在です。読んで、書いて、話して、頭と心は自由なままでいましょう。
思わず顔がほころぶ猫の写真。noteを流し見している方も、ふと目に留めていただけたのではないでしょうか。猫の楽園・マルタ島を舞台に、風光明媚な景観とここでしか見られぬフットボールを堪能したのはたなてぃさん。
4月から新社会人になる彼は、初めての記事とは思えぬ柔らかな感性の文章を披露してくれました。読者からのコメントは「猫が与えてくれる、豊かさや尊さ」に触れています。何だか岩合光昭さんの世界のようですね。
FJまりこは昨年の3月に14試合も(!)サッカーの試合を観戦したそうです。それ以外にインドネシア旅行もしているって、かなりはちゃめちゃ(本人談)ですね。だからこそ彼女をOWLに誘った訳ですが。
「次の旅の話が聞きたい」という屋下のコメントが全てです。フットボールジャンキー=FJまりこの名に恥じない日常が、早く取り戻せますように。
フットボル ア・ラ・カルテ
FJまりこ本人も、もちろん日常の回帰を願っています。募る思いの矢印をJリーグ再開後に向け、スタジアム観戦の誘い方についてレクチャーしてくれました。彼女にとってのラグビー初観戦は、新たな気付きをいくつも与えてくれたようです。
臨場感あふれるスタジアムでは、屋下のコメントのように聞こえてくる「音に驚く」方が多い気がします。人と人がぶつかる音、キックの音、走る音、選手や審判の声。私は最前列で試合を観戦することが多いのですが、この“音”に魅了されているのも一因なのです。
まだ当面は再開後の話題を取り上げにくい空気が続くかも知れませんが、コロナ収束後の時に再び紹介するぞ!
12月にセンセーショナルなOWLデビューを飾った五十嵐メイは、初めて知る「ソサイチ」をテーマに2本目の記事を書き上げました。予定より少々待たされましたが、その分インタビューだけでなくソサイチの魅力の分析に踏み込んだ内容となっています。
W杯戦士の三都主アレサンドロ(アレックス)氏のインタビューは、五十嵐本人の努力で成し遂げたもの。OWL編集部は何もしていないのです。あっぱれな行動力ですね。こまきたさんからも「外に出たくなる明るい記事」とのコメントを頂戴しております。明るい気持ち、大事です!
そんな五十嵐は宇都宮徹壱さんのウェブマガジンの企画で、サッカー観戦時に食べたラーメンを語る動画に出演しています。さすがラーメンを語る時はひと際輝いて見えますね!
タクシードライバーとして働く道を選んだOWLの魂・中村慎太郎。東京都内を日々走り回り、お客さんとのやり取りや車窓から見聞を広めて執筆へと還元する意欲に満ちています。
そしてタクシーの仕事に大いに刺激を受けて、いきなりお喋りラジオチャンネル企画として“OWL Motors”というコンテンツをスタートさせました。この車にご乗車いただけるゲストの方と一緒に、気ままなトークを繰り広げて参ります。どうぞお楽しみに!
その中村によるロック総統インタビュー記事、後半がアップされています。さすが総統、JFLの現状について縦横無尽に語って下さいました。総統節、健在です!読者からの反響ツイートも多数いただきました。
東京武蔵野シティFCサポーターのこまきたさんは「情報量のすごさ」を称えて下さり、FC今治サポーターの方は「笑ってしまった」「聞きたかったことが解決した気がする」とのコメント。
JFLの歴史を長く見つめ培った俯瞰的な視点で、ユーモアを交えつつ舌鋒鋭く問題点を指摘する総統は、アンチとファンと信者がくんずほぐれつ格闘できる場を提供してくれています。引き続きプロレスのような塩梅で、下部リーグ界隈を盛り上げていただきましょう!
総統は皆さんからの感想を随時募集しております。今回のインタビューをご覧になった方は、総統のTwitterにぜひ感想・コメントを送ってあげて下さい。優しく対応して下さると思いますよ。
屋下が月末に書き上げた記事は、これまでの彼女らしからぬ旅がテーマのエッセイ。松本を訪ねた折に気がついた街の息づかいを趣たっぷりに描いてくれました。
「的確かつ情緒溢れるイオン情景描写」をRyu-Yさんからお褒め頂きました。ありがとうございます。こんなお褒めの言葉、いくついただいても良いですからね。本当にありがとうございます。いつか“イオン”をテーマにエッセイ本が完成する日がくるかもしれません。
おわりに
一つ、嬉しいご報告です。昨年の11月にOWLに寄稿して下さった福島愛海さんが、インターンを経て正式に栃木SCのスタッフとして働くことが決まりました。愛海さん、おめでとうございます!
愛海さんにはOWLのスタッフとしてInstagramを担当していただく予定だったのです。でも、スポーツを通じて夢を叶えたい人を応援するのはOWLのミッションでもあります。Jクラブで働くチャンスをつかんだ彼女を全力で応援しなくては。
あのえとみほさんのお眼鏡にかなうなんて、何だか私たちも誇らしい気持ち。いつか栃木の魅力を伝えていただく記事をお二人それぞれの視点で寄稿していただけたら嬉しいです。
OWL magazineを盛り上げて下さるのは、いまこの文章を読んでいるあなたに他なりません。「旅とサッカー」、またはそれ以外の楽しいこと、取り上げて欲しいトピックをぜひ教えてください。
『フクロウのふりかえり』の盛り上がりは、皆さんのツイートなどの反応にかかっております。皆さま、記事へのコメント付きリツイートをお願いします。
そして皆さま、来月も元気な声をお聞かせください!
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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…
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