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#39 同棲していただけ

家の最寄り駅で降りる。
そしてコンビニでアイスを2個。

あの人は雪見だいふくが好きで。
僕はパピコが好き。

たまにそれぞれを交換し、
1つ1つの味を楽しんでいた。

家に着く。冷凍庫にアイスを入れ。
僕はすぐにお風呂へ向かった。

最初は冷たい水が出るから、
シャワーを浴槽のほうへ向ける。

温かくなったことを確認し、
僕は頭から洗い出した。

そして泣いた。アイスを2個買っていたから。
もう、あの人がこの家にいないというのに。

シャワーから出るお湯に
涙が混ざりゆき排水溝へとゆく。

お風呂を出ても、
あの人が先にアイスを食べていることはない。

静かな部屋に、冷蔵庫の音が微かに鳴る。
もう同棲していないのだから当たり前で。

でも、今でも思う。

先に食べていることをバレたあの人の
罪悪感のない笑顔が好きだったということを。

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