『RS56』レビュー 〜ロックを支えたマスタリング・パッシブEQ〜 [vol.054]
普段良く使うソフト・機材を簡潔にレビューしていきたいと思います。
今回はパッシブEQ、wavesの『RS56』の使ってみた感想を紹介します。
特 徴
・アビーロードスタジオのマスタリングEQを担ってきた、伝説のEQをエミュレート。
・音が破綻しにくいパッシブEQ。
・MS処理も簡単操作で出来る。
使ってみた感想
今回紹介するのは、wavesのAbbey Road Collectionの中に入っている『RS56』という、パッシブEQです。
パッシブEQは音圧を上げても歪んでいくのではなく、ナチュラルに上がってくれるので、最終的に調整するマスタリングのEQに向いています。
固定されている帯域やQが音楽的で良いです。
ブーストしてもとても気持ちの良い上がり方をしてくれます。
僕もRS56はマスタリングの調整で使うことが多いですが、デジタル臭さがないのが好きで、ギターやベースの調整に使うこともあります。
そして、マスターでのMS処理がとてもわかりやすく、MIDとSIDEを確認しながら調整できます。
本当に長く使用頻度の高いEQです。
パッシブEQの実機は構造上、高価なものばかりですが、それがプラグインで使えるのはありがたいです。
帯域は3つに分かれていて、それぞれ4つの周波数に設定することができます。
「TOP」・・・5.8kHz/8.192kHz/11.6kHz/16.4kHz
「TREBLE」・・・512Hz/1.024kHz/2.048kHz/4.096kHz
「BASS」・・・32Hz/64Hz/128Hz/256Hz
Qはそれぞれ6つタイプが用意されています。
合わせた周波数をQの形でブーストするかカットするかで音を決めていきます。
メーター下の「STEREO」「DUO」「MS」のボタンでモードを切り替えることができます。
「MS」ボタンをクリックするとMS処理使用に変わります。
3バンドに分かれているLRのツマミもMSに変わります。
「MONITOR」でMIDとSIDEに切り替えてチェックもでき、両サイドのツマミで音量バランスも調整できます。
MS処理のやり方が良くわからない人も、RS56で調整するとMS処理のイメージが把握できると思います。
好きなところ
・操作しやすい。
・ハイ上がりも気持ちいい。
・MS処理がとてもやりやすい。
気になるところ
・周波数固定は良いところでもありますが、とらえにくい周波数にもどかしい時もあります。
こんな方にオススメ
・マスタリングに便利なEQがほしい
・ビンテージ機材が好き
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